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晩秋

晩秋

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1

晩秋

♥

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2023年11月12日

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krsm


社会人パロ


nkが友情出演


sm side


至って普通の薬剤師の、スマイルです。


普通に過ごして普通に生きている。


こんな俺だが、悩みは1つや2つある。


その中で聞いて欲しい事が1つある。


恋人についてだ。


俺の恋人は俺と離れた場所で暮らしていて、違う会社に務めているエリートだ。


お互い仕事の関係上連絡頻度は落ちるし電話はできないし。


邪魔になるかなとか、自分が荷物なんじゃないかと思ってここ2ヶ月ほど連絡は取ってない。


恋人は俺の事をどう思ってるのだろうか。


俺は勿論大好きだ。まだ傍にいたいと思っているし、彼以外いないとも思っている。


さて彼はどうだろうか。


エリートでありながら、お人好しで気遣いができる。なんせよイケメンであるし、いい匂いもする。


周りの女の人達はこういう人を放っておけるのだろうか。いや、無理でしょって。


少しでも彼が俺をまだ好きだと言ってくれるのなら、安心できるのに。


また寂しい夜を超さなければいけない。


こんな日まだ続くのかよ、、


連絡したら振られそうで送れない。


振られたらどうしよう。


俺の事完璧に冷めたなら俺は好きだけど彼が決めたことだから別れればいいと思うし、、


冷めてなくて、俺に寂しい思いさせて申し訳ないと思って別れるなら、意地でも止めてやる。


寂しいぐらいどうだっていい、居なくなる方が断然辛いに決まってるだろうが!!


そうだろスマイル。勇気出して連絡するか?!


無理!!!できない!!!


そして来る日も来る日も連絡をできず、夢の中だけは幸せそうに連絡を取り合っていた。


その日の朝、事は急に起こった。


kr「話があるから、今日会おう」


sm「わかった」


kr「早く終わらせるから、時間作ってくれる?」


sm「うん」


久しぶりのメール。


嬉しいはずなのに嬉しくない。


別れ話だろうか、、


嫌な方に考えてしまうのは俺の悪い癖。


きりやんは別れたいのかもしれない。


でも、俺は別れたいなんて微塵も思ってないぞ


喉に朝ご飯が通らない。


けど仕事は仕事、ちゃんとしなければ。


俺はいつもより出るのが遅くなったが、家を出た。



_____________




薬剤師の仕事は、薬の調剤・管理、服薬指導、


薬歴管理、疑義照会、医薬品の販売・管理まで


幅広い、


俺が担っているのは、調剤がメインである。


何もかも集中しなければいけないのに、誰かの命を救えるかもしれない薬を作っているのに、


恋人のことばかり。


気持ちを切り替えろ俺。


?「、スマイル!」


sm「うわ、、大きい声出さないでよ」


nk「いやこれはスマイルが悪いよ?何回も呼んだんだから」


俺はなかむに呼ばれている事に気づかなかった。


集中していたのではない。


恋人について長考していたのだ。最悪だ。


nk「なんかうわの空だね?それより俺のとこの上司が呼んでたよって話」


なかむは医薬品の研究開発や製造に関与したりする人だ。


そこの上司に俺は呼ばれたらしい。


sm「分かった、ありがとう」


俺はすぐに立ち上がって、呼ばれている場所に急いで向かった。


歩いている間俺は本当にうわの空だったなと反省しながらその場に着いた。


_______


はあ、疲れた。


薬剤師はコミュニケーションを取ることが大事だ。


話の内容はざっくり言うとなかむと同じように開発や製造の為に力を貸して欲しいとの事。


それは果たして俺がする仕事なのだろうか。


いいやそんな事考えるなんて社会人として終わっている。やめよう。


さあ仕事に戻ろう。少し仕事は増えたようだが大丈夫だろう。


そう少し仕事が増えただけだ。早く終わらせよう。


なんせ今日はきりやんと会う約束をしたのだ。



__________



やっと区切りが着いた、、


帰るか。えっとスマホスマホ、、


げっ!


時間を見るともう日を跨ぎかけていた。


やっべ、、きりやん、


メールを開くと


kr「どこにいるの?今日はもう会えない?」


あ、、あ、


やばい、何か送らなきゃ


sm「今仕事終わった、今から帰る。」


朝も夜ももう寒い時期だ。


とりあえず急いで帰ろう。


終電はもうとっくのとおにすぎてしまった。


終電を逃すのなんて日常茶飯事だろ。


二駅分、


俺は走って帰った。


冷たい空気が喉にも肌にも刺さる。


手足の先はもう既に感覚はない。


そろそろ家に着く。


手袋とマフラーそろそろ買わなきゃだな、、


急いでマンションに入りエレベーターに乗った。


エレベーターが開いた。


俺は驚愕した。


俺の部屋の前にきりやんがいた。


自分の息で手を温めていた。


いつからいたのだろうか。いつから俺はきりやんを待たせていたのだろうか。


寒すぎる外で待っていたのだろうか。


sm「き、りやん」


kr「やっと帰ってきた。おかえり」


sm「え、あ。ただいま?」


kr「寒いし単刀直入に言うけど」


sm「、、うん」


俺の心臓は跳ねた


俺は今日振られるかもしれない。


kr「一緒に住もう」


sm「へ、、?」


kr「最近連絡も会うこともままならなくて、俺限界みたいでさ、」


「一緒に住めたとしても生活リズムが違うから、朝起きたらいないとか、先に寝てるとか、ご飯一緒に食べれないとか、あると思う」


「でも1秒でも多くスマイルと一緒にいたい。ダメかな、?」


そう言って照れ臭そうに笑い俺に抱きついてきた。


どこまでいってもできる人だ、、


俺には勿体なさすぎる。


でも俺は世界一この人が好きだ。


sm「それが1番いい考えだよ」


「夜も遅いし、寒いし中入ろう」


きりやんは俺の言葉を無視して、キスをした。


長い事外にいたのだろう、彼の唇は冷たかった。


sm「つめた、、次は温めてからしてよ」


彼は小さく笑って


kr「わかったよ」


と呟いた。


kr「部屋探しておくよ」


sm「俺も探す」


まだまだ俺の恋は終わらない。


この人との思い出が絶えることのない日々を、幸せな時間を、まだ望んでいてもいいみたい。

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コメント

4

ユーザー

神作すぎます…🫶🏻🫶🏻

ユーザー

とても好きです...。

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