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「起立、、、おはようございます」
「おはよう、今日は昨日言ってた、、、、」
今日もまた同じような1日が始まるそう思いながら窓の外を眺めていた。昨日までは隣に机と椅子なんてなかったはずなのに今日の朝教室に入ると席が増えていた。
ここ、唯一外が眺めるのに隣に誰か来られたら見れなくなるじゃんと心の中で愚痴りながら担任の話を聞いていた
「入ってきて」
「失礼します」
そう言って入ってきた転校生
どんなやつなんだろうとか何を気にならなかった。だけど低めの綺麗な声、俺は無意識に外からその転校生へと視線を変えていた
「キムテヒョンです。よろしくお願いします。」
俺はいつの間にかその転校生に視線を変えられないでいた。こんな綺麗な人見たことない。本当に同じ男なのだろうか、なんて頭の中がぐるぐるしていた
「おい、ジョングク、」
「……」
「ジョングクってば!」
「、ん、、?」
隣の席の友人が小さな声で呼んでいたことに気付けてなかった。パッと我にかえった
「あいつ知り合い?」
「な、なんで?」
「いや、めっちゃ顔凄かったから」
バカにしたようにそう言ってくる友人。どんな顔してた俺?鼻の下伸びたりしてないよな
「あれはモテるな」
「そう、だな」
「まぁ、お前の方がイケメンだけど」
「そんなことないだろ」
「じゃテヒョン君の席1番後ろの端っこね」
「はい、」
やばい、まさかの隣か。これは外眺めるよりいいぞ、、
「…ジョングク、、チョンジョングク!」
「わっ!は、はい!」
「何ボーっとしてるのよ、隣の席だから学校案内お願いね」
「あ、はい」
担任が呼んでることにも気づき思わず席から立ち上がってしまった。何してんだよおれ、転校生ばかり見てた。それを見てたクラスのやつに笑われながら俺はまた席に着いた
「あ、あのよろしくね」
「あぁ、よろしく」
そう言って一限目が始まった
「おい、ジョングク転校生に案内しなくていいのか?」
バカにしたようにそう言われた。正直こんな美形に案内したいのは山々だけど、校内はすごく広い。この広さだと昼休み中じゃ時間が足りない、放課後だと帰りが遅くなりそうだ
「めんどくさい、」
「やってやれよ」
「そうだよ、私がしてあげてもいいけど」
「じゃお前してくれる?」
「予定あるから無理なの」
隣に本人がいるにも関わらず大きな声でこんな話をしていた。まぁいつもの事だから気にしてない、だけど相手がアレだと少し抵抗してしまいそうになった
「お前マジ最低だな」
「じゃアンタしなさいよ!」
「だから俺そんなめんどいことしたくないの」
「いや、俺するからいい」
自分でもこんなこと言うなんて思ってもなかった
「ブッどうした?ジョングク」
「ジョングクが変わっちゃった?」
そう言って周りの奴らがバカにしてきた
「まぁね、」
大きな声で嫌味を言うのはいつもの事だと何も思わなかった。だけどあの子への嫌味はとてもいい気分がしなかった。
「テヒョン君だっけ?放課後空いてる?」
「え?案内してくれるの?」
「うん、空いてなかったら大丈夫だけど」
「ううん、空いてる」
そう言ってパァッと表情が明るくなった。それが何だかすごく嬉しかった。
「じゃ行こう」
「うん、ありがとう」
ここの学校はいじめが日常的にあった。生徒のいじめ、教師のいじめ、
俺はいつの間にかイジメをするのが当たり前のようになってしまっていた。恐喝する友人、金を取る友人、トイレでいじめてる女子たち
そんなグループと一緒にいた。俺はただのいじめっ子。きっと転校生もいじめの標的になるだろう。
それを考えるととても嫌だった。あの子がいじめられるのだけはとても嫌だ。
「ジョングクじゃあな」
そしていつの間にか授業も終わり帰る時間になっていた。
廊下から手を振る友人。少し話してから帰ろうと友人の方へと行った。
「今日みんなでカラオケ行きたかったのに」
「ジョングクいなきゃ楽しめないわ」
「お前ら俺がいるじゃん!失礼だな」
「まじで、なんであんな子、、、、」
「今度は行くから、じゃあな」
急いで話を切り上げ教室へと戻った。あんなでかい声で言われたら聞かれるだろうが、、なんてイライラしながら転校生に話しかけた。
「ごめん、遅くなった。」
「うん、、、、あのさ行かなくてよかったの?」
「え?」
「あ、ごめん…話し声聞こえてきたから」
「あ、あぁ気にしないで、、またいつでも行けるし」
「ごめん、ね」
「謝らなくていいから、行こう」
その表情はものすごく申し訳なさそうだった。
悪いことしちゃったな、、、
「ここが、化学室で、」
「あのさ、名前なんて言うの?」
「あれ、まだ言ってなかったけな、」
「うん、」
「チョンジョングク。ジョングクって呼んで」
「ジョングク、、、いい名前」
「そ、うかな」
こんな笑顔で名前褒められたら照れくさくなる。
「テヒョンくんは何でここの学校に?」
「えっと色々あって、」
「なるほどね、、」
「あの、僕のことテヒョンって呼んで。君つけられたら何だかちょっと、、」
「テヒョン?」
「うん、なんか恥ずかしくて、呼び捨ての方がいい」
「じゃぁテヒョン!」
「ふふっ、なに?」
「俺の1番好きな場所に連れて行ってあげる」
「ほんとに?やった」
それからテヒョンと沢山話をした。前までここに住んでたんだとか、好きなモノ、好きな動物、いっぱい話をした
「ここ、俺の好きな場所」
学校の裏側へ行くと、下の方に穴の空いたフェンスがあり、それを通って、少し坂を登ると街が見える。そこの景色がとても綺麗だった
「うわぁ、すごい」
「先生に見つかったらあれなんだけど、ここ好きでさ」
「うん、綺麗。建物がいっぱいある」
「今度夜一緒いかない?」
「うん、行きたい」
そう言ってテヒョンと目が合った。体中が熱くなった気がした。