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【読切】短編集【🔞】

第6話 - GOOD YELL for R【🔞】

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2025年10月07日

#Mrs. GREEN APPLE

#ご本人様には関係ありません

#もりょき

#大森元貴

#藤澤涼架

七瀬

まだまだ夏本番の8月16日。夏フェスの今年初参戦を明日に控えた俺たちは、10月から始まるビールのCM撮影に来ていた。

野外での撮影とあって、朝から陽射しがキツい。一際眼を惹くオレンジ色の大きな壁の前で、午前中から次々とソロ撮影が進んでいく。

俺や、他の演者さん達の撮影の間、涼ちゃんや若井は待ち時間になるので、それがとにかく長い。冷房の効いたテントの中で、2人は待ち時間を過ごしていた。俺の撮影が終わり、テントへ戻ると、驚いた事に、そこには涼ちゃんと談笑する鈴木亮平さんの姿があった。それぞれに楽屋テントは割り振られているはずなのに、わざわざ俺たちのテントに鈴木さんが来たって事…？

離れて座ってその様子を見ている若井に、それとなく話しかける。

「鈴木さん、ずっと？」

「…まあ。なんか、涼ちゃんに話があって来たらしいよ。」

テーブルや椅子、クーラーから冷蔵庫まで、至れり尽くせりなテントの中は思いの外広々としている上に、空調の音や外の撮影現場のスピーカーの音などで、少し離れた場所に立つ涼ちゃん達の会話は意外と聞こえない。

「…あはは…！」

声は聞こえないが、涼ちゃんが楽しそうによく笑っているのだけは、わかる。俺は、わざと2人の近くを通って、奥の冷蔵庫へ向かった。中には今回のCMでお世話になるメーカーさんの清涼飲料水が所狭しと並べられている。その中から、炭酸のジュースを取り出し、蓋を開けて飲む。

後ろから、とんとんと肩を叩かれ、顔を向けると涼ちゃんがにこにこと話しかけてきた。

「亮平さんのさぁ、ご家族さんが、僕らの大ファンなんだって。みんなで一緒に写真撮ってもいいですかって。」

「ちょっと図々しいかなぁ？」

向こうから、鈴木さんもにこにこと話しかけてくる。亮平さん…？と少し引っ掛かりはあったが、それは一旦置いておいて、俺は若井に視線を送りこちらに呼んだ。

「もちろん、撮りましょう。」

「なに？」

若井がこちらに来たので、「写真。」とだけ伝えて、みんなで肩を寄せ合う。若井、俺、涼ちゃん、鈴木さんの横並びで、鈴木さんが長い腕を目一杯伸ばしてスマホを掲げた。

「もっとくっつかないと入らないか。」

「あは、そうですね。」

スマホの画面で見る涼ちゃんは、鈴木さんの大きな手で肩を抱き寄せられて、少し顔も鈴木さんへ傾けているようだ。俺は顔が引き攣るのを自覚しながら、なんとか若井に腕を絡ませて自分へ引き寄せる。

「あ、入った入った。じゃあいきます。3、2、1。」

何度かシャッターを切って、鈴木さんが写真を確認する。

「あ、涼架くん、これ目ぇ瞑ってるよ、ほら。」

「あは、ホントだ、ちょっと消しといてください〜。」

「いやぁ、これは妻と子どもに見せないとだな。」

「いやぁ〜はは、やめて下さいよぉ。」

2人で頭を寄せ合って、スマホを覗き込みながら話し続けている。

ていうか。

亮平さん、と、涼架くん…？

まったく、貴方って人はホントに…。

俳優さんと女優さんに囲まれて、人見知り全開な俺と若井は、最後の全員での撮影現場に入る時でも、涼ちゃんの傍から離れなかった。それぞれに楽器を手渡され、撮影の流れの説明を受ける。

「見てこれ、キーボード浮いてる。」

また口を開けて笑いながら、俺たちに自分の楽器を見せてきた。彼の左頬のエクボを見ながら、「そーだね。」と返しておく。俺は常に視界の端で鈴木さんの様子を窺って、彼の視線が涼ちゃんに向いていないか確認をし続けていた。

「これ結構重いよ。どうやって弾こうかな。弾きながら踊る…踊る？違うか、俺は演奏だけでいいのか…どうやって、動く、これ…。」

「はいはい涼ちゃん行くよ。」

「それもういいから。はい行こ。」

1人でブツブツ会話しながらキーボードと体を動かし試行錯誤している涼ちゃんを、俺と若井が両側から腕を掴んで立ち位置まで連れて行く。視界の端で、鈴木さんが口元を押さえて笑っているのが見えた気がした。

それからしばらくして、今度は俺たちのMV撮影に、またあの豪華な面々がなんと一堂に会してくれたのだ。

順調に撮影が進み、全ての工程が終了した。

なんの問題もなく。

涼ちゃんと鈴木さんの密着度合いを除いては。

最初に3人でスタジオ入りして、俺たちだけの撮影をいくつかこなす。

順番にゲスト出演して頂く方々との撮影が進む中、スタジオの隅で、また涼ちゃんと鈴木さんが身体を寄せ合って、今度はツーショットを撮っているようだった。

「なんかね、娘さんが、『涼ちゃん推し』って言ってくれてるんだって。」

後でそれとなく「さっきなに話してたの？」と訊いてみると、そんな答えが返ってきた。

へえ。娘さんが、ねえ。

その後に最初の小競り合いのシーンの撮影があったので、取り敢えず一回涼ちゃんを引っ掴んで倒しておいた。

俺たちが最後の乾杯シーンのチェックをモニター前でしている時も、涼ちゃんと鈴木さんは残ったビールを飲みながら、談笑していた。

「これさ、涼架くん1人乾杯できてないよね。」

「あ、ホントだ。気後れしてたらもうみんなのコップ無くなっちゃってて。バレないように撮れてるかな〜って思ってたのに〜。」

「涼架くんのそういうところ、ホントにかわいいよね。」

ははは、と顔を見合わせて笑う2人。若井は心配そうに俺を見つめるし、俺はそんな2人の方を見られずにモニターに集中してるし。

監督とOKを確認し合い、花束を贈呈して演者たちは解散の時間になった。

「じゃあ、またね。」

一体なにが「また」なのか知らないが、にこやかに涼ちゃんと挨拶を交わして、すらりと背の高い大人なその人は、長い脚を大きく開いて、颯爽と現場を後にした。

9月28日0:00に、CM曲としても書き下ろした、俺にとって大きな意味のある曲となった『GOOD DAY』が配信リリースされた。

その夜、俺はこの曲がどう受け止められるか不安になっていて、涼ちゃんに家に来てもらっていた。全ての意見を受け止めた俺を、優しく包み込んでくれる涼ちゃん。無事に鎧を脱ぎ捨て、安寧を手に入れた俺は、夜の帷の中で涼ちゃんと身体を重ねた。

翌日、いつもの通りに事務所で仕事の打ち合わせをしていると、涼ちゃんのスマホにメッセージが届いた。

「あ、亮平さんからだ。」

「え？連絡先、知ってるの？」

「ああ、うん。あの撮影の時、交換してもらえませんか〜って。ご家族の方が、『特に涼架くん推しなんだよ〜』って言ってもらっちゃって。」

鼻を触りながら照れくさそうに笑う涼ちゃんを、俺は努めて冷静に見ていた。

「んで、なんて？」

「あ、『GOOD DAYリリースおめでとう！いっぱい聴いてます！』だって。」

「ふーん、ありがたいね。」

なんだ、当たり障りない文章だな。連絡先をあっさり交換している所はちょっと引っ掛かるが、まあ涼ちゃんにも自由はあって然るべきだし、そこまでの危険性も無さそうなら、今回は眼を瞑るか。

俺が頭の中でそんなことを考えているとは露知らず、隣では顔を緩ませながら涼ちゃんが返信を打っていた。

さらに翌日、明日のTikTokライブに向けてリハーサルを行っていた。

「あ。」

休憩中に涼ちゃんがスマホを見て、また顔を綻ばせる。

「なに？」

「亮平さん。TikTokライブ楽しみにしてるって。」

「…へえ。」

「なんか、ご家族さんは俺たちのbubbleもやってくれてるんだって。」

「へぇー。じゃあ流石にM:ZINEも観てんのかな。」

「観てないみたいよ。」

「絶対訊いてないやろ！」

後ろから、若井が突っ込む。わはは、と涼ちゃんが若井に笑いかけているのを見ながら、俺は少し思案した。

そろそろ、ちょっと釘刺しとくか。

その日の夜、若井のアカウントでbubbleLIVEをしてもらった。俺も涼ちゃんもTikTokライブのリハの後に仕事部屋に集まって、『3人で一緒にいる』事を、ファンに、そして『ご家族』にちゃんと知らしめる。俺たち3人は、いつでも一緒にいるよ。涼ちゃんの隣には、俺たちが常にいるよ。俺が、いるんだよ。

だから、変な期待は持たないように。ね。

まあ、家族がある身だし、そのご家族も涼ちゃんとは年齢が随分と違うようなので、これ以上は何もないだろう、とは思うけど。

思うけど、面白くはないんだよね。

仕事部屋から帰る際、涼ちゃんを俺の家に連れて帰った。２日前に身体を重ねたばかりなので油断しまくっている涼ちゃんを、玄関に入った瞬間に壁に押し付ける。

「ぅえ？！」

「…この人たらし。」

「な、なに…っ」

俺の気も知らないで、ポカンとした顔で困惑している涼ちゃんの唇を、塞ぐ。何度も角度を変えて、舌を深くに侵し入れると、すぐに涼ちゃんの息が熱を持ち始めた。

「…どうしたの…？」

唇を離すと、不安そうに瞳を揺らす。

「…準備、してきて？」

「え…、今日も、するの…？」

「そうだよ、やだ？」

「え、でも…一昨日…したよね…？」

「…ダメなの？」

俺が真っ直ぐに視線を送ると、貴方はなにも言えなくなるのを知ってる。黙って首を振った後、トイレに消えていった。俺は、先にシャワーを手早く済ませ、寝室の用意をする。

涼ちゃんも、シャワーまで済ませて、寝室に入ってきた。すぐにその身体をベッドに組み敷いて、全身をくまなく味わっていく。

最初は戸惑ったように俺の愛撫を受け入れていた涼ちゃんも、だんだんと俺に対して積極的になっていく。

繋がる前に、涼ちゃんをトロトロに溶かして、先に彼の熱から欲を出させておく。力が抜けてぐったりしているその身体を、後ろから思う存分侵していった。

今日は、しつこく、何度も抽挿を繰り返し、体勢を変えては奥を穿つ。途中、いやいやと頭を振ったりして快感を逃がしていた涼ちゃんも、最後には、とろんと蕩けた顔をして、俺の頬を触った。

「…嬉しい…。」

「…え？」

「…最近、ちょっと…寂しかった…から…。」

最近…。最近俺は、表だった場面では、意識的に若井とばかり絡んでいた。それは、最近露出が増えて急上昇している涼ちゃん人気に比べ、若井への注目度が伸び悩んでいると感じたからだ。SNSでは若井の自撮りへのメッセージを送り、Behind用の撮影では若井にちょっかいを出す。

涼ちゃんへの絡みといえば、言い間違いをイジったり、言葉を噛んだ事をイジったり、抜けてるところをイジったり、とにかく、イジったり。そんな俺の対応の差に、知らぬ間に傷ついていたのかも知れない。傷つけていたのかも知れない。

「…涼ちゃん、大好きだよ。」

それこそ最近、あまり素直に伝えていなかったその言葉を、惜しみなく彼に注ぐ。涼ちゃんは涙を浮かべて、嬉しそうに微笑んだ。

俺は、自分の熱が役に立たなくなるまで、何度も欲を放った。

どれほどの時間愛し合ったのか、2人してぐったりとベッドに横たわる。ふと、脳裏に涼ちゃんと鈴木さんが並んで立つ姿が過ぎった。高身長でがっしりとした体格の鈴木さんの隣にいると、背の高い涼ちゃんでもとても華奢に見えて。絵になり過ぎる2人の姿に、俺は、確かに嫉妬を覚えたんだ。

俺だって。

身体を起こして、隣の涼ちゃんを見つめる。疲れ切った様子だが、幸せそうに呼吸を繰り返して、尚もその身体を小さく折りたたんで横を向いている。体液や潤滑液でその身をべとべとにして、淫靡な雰囲気を纏わせてこのまま抱きしめて眠りたい気もするが、シャワーを浴びせてあげないと気の毒だ。

ベッドの横に立ち、涼ちゃんの肩と膝の下に、両手を差し込んだ。

「…もとき…？」

気怠そうに、弱々しく俺を見る。

「涼ちゃん、お風呂場まで抱っこしてあげるね。」

「…え、…あ…！」

手首に力を入れて、肩と膝を抱え込んで身体をこちらに向かせる。そのまま、さっきまで涼ちゃんへしつこく動かし続けたこの腰に、グッと力を入れ、涼ちゃんを持ち上げた。

と思った瞬間。

ビキッ

という嫌な音が鳴った、気がした。同時に、腰に電気が走ったような、骨の間に入っちゃいけない神経が入り込んだような、少しでも動けば悲鳴を上げてしまいそうな、とにかく、激痛が走ったのだ。

「…ぐ…っ！」

「…っ！元貴？！」

涼ちゃんが慌てて俺の手の中から這い出て、正面から俺の様子を窺う。

「元貴？腰？やっちゃった？」

「…やっ…ちゃっ…た…。」

苦痛に歪む俺の顔を見て、涼ちゃんも眉根を顰めた。痛そう、と呟く。

「ど、どうしよう、座る？」

「む、むり…。」

「え…、えと…わ、若井、呼ぶ？」

「むり！ …いてて…。」

こんな状況のこんな格好で、若井を呼べるわけないでしょ。俺は呆れながらも、涼ちゃんの肩に手を置いて、深く息を吐く。

「…取り敢えず、お風呂…連れてって…。」

涼ちゃんを抱っこして連れていくはずが、涼ちゃんに肩を貸してもらって支えられながらなんとかお風呂場へ向かう。おかしい。こんなはずじゃなかったのに。情けなさ過ぎる…。

「…ごめん、涼ちゃん…。」

浴室でも、俺は壁に手をついて、なんとか痛みの少ない姿勢を保持しながら、涼ちゃんに身体を流してもらう。

「ふふ、ううん。」

「…笑うなよ…。」

「違う違う。嬉しくて。抱っこしてもらえるのも嬉しかったけど、こうやって頼ってもらえるのも、すごく嬉しいよ。」

にこにこと、俺の世話を甲斐甲斐しくしてくれる涼ちゃん。着替えも済ませ、髪を乾かすのも、歯磨きの用意と片付けまでも、全てやってくれた。まるで介護だ。

「明日、治ってるかな？」

「どうかな…いててて…。」

ベッドにゆっくりと、本当にゆっくりと横になりながら、俺は息を吐いた。涼ちゃんが、きゅ、と手を握ってくれる。

「おやすみ、元貴。」

「おやすみ、涼ちゃん。」

俺は眼を閉じて、バカな嫉妬心に負けて余計な怪我を負った自分を恨みながら、眠りについた。

あれから1週間、俺はまだ腰痛に悩まされていた。若井は呆れながらも、俺が動けない分いつもより頑張って場を盛り上げる為に戯けて魅せて、かっこいいバカになってくれていた。涼ちゃんは、笑顔を絶やさずに、でも心配そうに俺の世話を焼く。

今日は、新作ビールの発売記念の記者発表の場に、豪華俳優陣と共に、俺たち3人も登壇する。和気藹々と会は進み、無事に全てを終えることができた。

鈴木さんに、俺たち3人の関係性に言及された時は、少しどきりとした。流石は超一流の俳優さんだ、人のことをよく見抜く。2人に支えられて廊下をゆっくりと歩き楽屋へ向かいながら、俺はそんなことを考えていた。

「お疲れ様です、本当に大丈夫？」

急に、目の前に高身長の鈴木さんが現れて、俺に笑いかけてきた。

「あ、はい。もうだいぶ、良くなってきてて。」

「GOODポーズもできてたもんね。」

ガッツポーズのようなあのポーズをやり、笑顔で話す。はは、と力なく笑う俺を少し見つめた後、鈴木さんの視線が涼ちゃんに移った。

「…大森くんの方が腰やっちゃうんだ。面白いね。」

俺は、涼ちゃんの顔を見た。涼ちゃんは、少し困ったような笑顔を浮かべている。

「…良かったね、涼架くん。」

「…はい。」

優しく微笑む鈴木さんに、涼ちゃんが少し恥ずかしそうに、同じく笑って返した。俺は、眼を丸くして、2人を交互に見る。若井も、同じ顔で同じことをしていた。

鈴木さんが、優しく俺の肩に手を乗せて、こう言った。

「推しの幸せが、ファンの幸せ。ね。」

爽やかな笑顔で、じゃ、と手を振って、帰っていく。俺と若井が、涼ちゃんを見つめる。

「…涼ちゃん？」

「…どゆこと？」

涼ちゃんは俺たちを見つめて、ふふ、と笑っただけで、またゆっくりと歩みを進めた。

どうやら、三つ上の最年長には、俺たちはやはり敵わないところもあるようだ。

GOOD YELL for R 完

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な、七瀬さん、私、もう幸せです😇💕 ダンディー様と💛ちゃんのМＶの距離の近さ、何より昨日の会見の涼架くん呼び❣️❣️❣️ プッシュー💥となりました、私🫣笑腰も♥️💙の絡みもぜーんぶ見事に回収して、消化して下さり、このお話読めて、本当に幸せです🤝💕私の🫩も回収されました🙏✨

ﾄﾞｯﾄﾞﾄﾞﾄﾞｼﾀ?!え？！りょーちゃんと鈴木さん何？！！！！プチぎっくり腰🙃🙃🙃🙃🙃

タイトル読んだ瞬間頬がゆるみましたー朝から☀️ 鈴木亮平さんホントいい仕事でしたよね涼架くん亮平さんのやりとりをニヤニヤしてましたからお話にして下さってほんと天才です👏 今朝のめざましテレビも涼ちゃんの話にすぐにのってくる亮平さん。もっくん息してるー？て感じでしたそしてずっと待ってる若井くんお誕生日のお話会えるの楽しみです💛💙 長々と失礼しました

七瀬

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