注意事項
・fwak
・fw→大学2年 ak→大学1年
・吃音症に触れてます
fw→「」 ak→『』 モブ→【】
Fw視点
初めて誰かに弱音を吐いた
積み重なっていた重りが外れたようで
鼻歌交じりに大学へ向かう
今さらではあるけど
大学での明那はいつも一人でいる
見かけたら俺が声掛けてるし
明那も平気そうな顔してるから
そんな心配することではないと思う
それでも明那は話すことが好きだ
遠慮しがちなところもあるけど
誰よりも明るくて優しい心の持ち主だって
周りの子達に知ってほしい
誰かの会話が耳に入ってきて知った
今日は学園祭の計画日だそうで
それを聞いて俺はすぐさま明那の元へ急いだ
もう一度あの歌声を聞きたい
「学園祭、あきにゃ歌ってみない!?」
『え”…….本気で言ってる?』
予想通り嫌そうな顔をしたけど
そんなんで挫ける俺じゃない
「明那の歌もっかい聞きたいの、お願いぃ」
中々受け入れてくれない明那に
俺史上最高にかわいい顔をして頼んだ
『もぉ〜、わかったよ
そのかわり!! ふわっちも一緒に歌おう』
「…….そうきた?」
思いもよらぬ返答がついてきたけど
それも楽しそうやしやってみることにした
明那は俺の顔に相当弱いっぽい
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Ak視点
その顔で言うのはずるでしょ
反則級に顔がいいふわっちの
その上目遣いはさすがに断れない
なんだかんだ2人で出ることになり
なんの歌をどこのパートを歌おうか
考える時間さえも楽しかった
「俺ちょっとだけギター触ったことある」
『…….逆に何ができない?』
この男はオールラウンダーらしい
モテる要素全部詰め込んだみたいな人だ
ステージに上げるのは間違いだったかも
ただでさえ目立ってるのに
自分でライバルを増やしにいっている
まさに今も実行委員らしき人達は
参加してくれた不破湊という存在に
芸能人に会っているのかと思うくらいには
周りに群がって騒いでいた
そこを退けという圧にビビって離れる俺
自信をもって隣に立てない自分が悔しかった
今の俺は誰の目にも止まらない平凡だ
恋人のかっこよさに負けてられない
やるならとことんやろうと決めた
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Fw視点
ついに学園祭当日
作り上げたものを披露する時がきた
ところがびっくり
本番の時間が迫っている中
明那の姿が見えなかった
何かあったのではと焦る気持ちを抑えて
明那に連絡をすると返事がきた
“ごめん!! あとちょっとで着く”
とりあえず無事だったことに安心した
俺は自分の出来ることをやろうと
ギターの調整を重ねた
『ふわっち〜!!…….ハァ、間に合ったぁ』
走ってきたのか息が切れている
声が後ろから聞こえて振り返る
「えっ…….明那、前髪!!」
前髪を上げて赤メッシュは編み込んであり
綺麗な瞳がはっきりと見えている明那の姿
『へへ、ステージに立つんだから
こんくらいはしないとね』
普段は前髪に隠れてて目立ってないけど
こう直接見たら本当に綺麗な顔立ちだ
キラキラと輝いているその瞳に目が離せない
俺の恋人はどこまでかっこよくなるんだろう
本番の時間になり司会に名前を呼ばれる
ステージに上がると同時に黄色い歓声が響いた
【不破先輩〜!!かっこいいぃ】
【キャーーーッこっち見て不破く〜ん!!】
【隣の子だれ!?イケメンじゃない!?!?】
【あんな子いたっけめっちゃタイプ!!】
外面しか見てもらえない人生
俺はとっくにそれを受け入れてたけど
明那と出会って欲が出たんだ
見せつけてやろう
俺たちが準備した全てを
お互い目を合わせてこくっと頷く
鳴らしたギターの音が会場中に轟いた
明那の強くて美しい歌声に
さっきまで騒いでいた人達の目が輝く
気持ちよくハモリながら弾くギター
ステージ上の熱量にドクドクと心臓がなる
音が静まったと同時に
会場全体に拍手と歓声が鳴り響いた
その光景をじっと見つめ
薄らと笑みを浮かべる明那の表情に
言葉では表せられない感情が溢れる
『わっえ、ふわっち!?』
ステージ上にも関わらず
気がつくと明那を抱きしめている俺がいた
「好きや、明那…….俺から離れんで」
『!?わ、わかってる…..みっみんな見てるから』
ふと我に返って急いでステージ裏に戻る
一瞬にして過ぎ去ったこの出来事は
大学内で伝説と言われるようになり
俺たちペアで相当なファンがいるんだとか
とにかくハチャメチャな大学生活だった
チュッ
『ふわっち大好き』
「…….ずるいよ明那」
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終わり方っていっちゃんムズいよね
この2人にはいつまでも幸せでいてほしい
陰ながら見守りたい人生です
コメント
5件
初コメ失礼します!!! ギター弾いてる不破とオールバック明那が安易に想像出来て幸せでした😭✨ 周りの観客になりたい人生でした……
なんかもう全部青春すぎて気がついたら涙出てました