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序章 めめんともり
さわやかな風が吹いた。風はそこに植えてある花を揺らし、ついでに私の髪も揺らした。とても普通で、誰も気にしないことだ。でもこうして自然の一つ一つに目や耳、鼻など人間のもつ感性を最大限に働かせ自然を純粋な目で見て、感じて、聞いてみる。そうすると気持ちがいいほどに自然が応えてくれる。この世界には魔法とやらがあるらしい。まぁ私はごく一般の村人だけど。草、火、水、その三元素でこの世界は成り立っている。例えば「氷」。氷は水から派生してできている。次に「毒」毒は草から派生している。このように魔法使いが自分にあった魔法を生み出してたくさんの属性ができた。が、最近また新しい、どの三元素でもない二つの元素が生まれた。それは闇と光だ。闇と光は対等な関係で、その魔法の使い手次第で実力が決まるという。まぁ噂だから本当かどうかはわからないけど。ふと窓の外を見た。子供が元気に遊んでいる。村長が村民と笑顔で話している。平和だ。そして私の大切な友達。こっちを見て笑っている。「楽しそうだなぁ」自然と広角が上がる。その瞬間村民たちが一瞬にして血まみれに散った。私の大切な友達と共に「え?」「は?」どうゆうこと?わからないわからないどうして?今そこに確かに子供たちが…いたはず…なのに!私はすぐに外に飛び出て状況を確認した。あれ?私以外誰もいない?「…」「…」ザッ足音?襲撃者か…なぜ今更ここに…自然と恐怖よりも怒りが込み上げてくる。私はがむしゃらに襲撃者を殺した。魔法を使って。噂で聞いたことがある。怒りや悲しみで覚醒し、魔法が使えるようになる、と私は覚醒したのだ…多分。敵を殺して殺して殺して…もう意識が保てなくなってきた。
あともう少しなのに後2体あと二体なのに!!足が動けない!
「誰か…助けて…」
ここからは記憶がない。
ここはどこ
誰もいない
私を…一人にしないで!!
目が覚めた。
「あの大丈夫ですか?」
誰だ?見覚えのない顔。
「ここは…」
「すみません助けが遅れました。私はレイラー。ここは私の家です。」
…どうやら助かったみたいだ。
「そういえばあなたの名前聞いてなかったですねあなたお名前は?」
名前…何だったけ…覚えてない
「…」
「もしかしてお名前ない?」
「思い出せないだけです…すみません」
「謝らないでください!!元々助けが遅れたのがいけなかったんです。うーん名前がないのは不便ですね、何かいい名前は」
「いいんです。どうせ私もすぐ死にます。」
「そんなことないと思うけどなーあの数を一人で倒しちゃうんだもん。うーん『めめんともり』とかどう?さっきの『どうせ死ぬ』っていってたでしょ?そこからオマージュして、私がいつか死ぬことを忘れるなって意味の『めめんともり』」
めめんともり。私にピッタリな名前かもしれない。
「はい。今日から私はめめんともりです。レイラーさん。これからよろしくお願いしますね。」