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み お .
「か、身体?」
突拍子もないその言葉に、俺の思考が一瞬フリーズする。
宇佐美の顔は、涙で濡れながらも、どこか妖艶に赤く染まっていた。
「いっぱい、撫でて…ちゅーしてぇ……っ!」
「え……」
「ぼ、ぼぐのこと…せ、せんぱいで…っ、いっぱいに、してよぉ…っ、ひぐっ、うぅ……」
彼のそのあまりにも可愛らしく、切実な要求に俺の理性が甘く痺れていく。
「わ、わかったから…わかったから泣かないで…。よしよし…本当に好きだよ、宇佐美」
俺は慌てて、宇佐美の柔らかく丸い頭を、愛おしさを込めて何度も撫で回した。
「キスも……本当に、していいの…?後悔、しない……?」
至近距離でそう問いかけると、宇佐美は「い、いいんです……っ!」と叫ぶように答えた。
その瞬間だった。
宇佐美の方から、待ちきれないとばかりに俺の唇へと吸い付いてきた。
驚く間もなく、彼の小さな口内から
熱く濡れた舌が滑り込んできて、俺の舌を必死に巻き取っていく。
「…は、あ……っ、♡せ、んぱ……、んむ……っ」
重なる唇の隙間から、彼の色っぽい吐息が漏れる。
まだ不安なのか、彼の小さな身体は微かに震えていた。
俺は、宇佐美を心の底から安心させてやりたくて
その細く愛おしい体を壊さないように力強く抱き寄せた。
そして、今度は俺の方から
お互いの呼吸が完全に溶け合うような
激しく、そしてどこまでも熱い抱擁のキスを交わした。
それから数十分後────。
互いの傷を確かめ合うように貪り合ったキスがようやく落ち着きを見せる頃
教室の茜色はすっかり深みのある濃紺へと移り変わっていた。
重なり合っていた唇が名残惜しそうに離れると
その隙間から、熱を帯びた吐息が白く溶けるように漏れ出す。
宇佐美の顔は、涙と、お互いに与えたキスの熱のせいで、耳の裏まで真っ赤に染まっていた。
「…んっ、は……せ、んぱい……」
息を整えようと、宇佐美の小さな胸が制服越しに大きく上下する。
彼は俺の埃まみれのシャツの裾を、細い指先で引きちぎらんばかりにギュッと握りしめたまま
潤んだ瞳をゆっくりと持ち上げた。
その瞳の奥には、まだ完全に拭いきれていない不安と、それを遥かに上回る
俺への剥き出しの独占欲が混ざり合っていた。
「…信じてます、から……っ、本当に、僕のこと……ちゃんと恋人にして、くれますか……っ?」
消え入りそうな、だけど確かな芯を持った彼の問いかけ。
「玩具」なんて酷い言葉で踏みにじられ
一度はバラバラに砕け散ったはずのプライドと心が
それでもなお、俺を求めてくれるなんて、どんだけいい子なんだよと思う。
その言葉を聞いた瞬間、俺の胸の奥に
言葉にできないほどの愛おしさと、生半可な気持ちでは決して引き返せないほどの重い覚悟が
ドクドクと満ちていくのを感じた。
「…うん…っ、あたりまえでしょ……っ」
俺は今度は、彼の震える小さな両手を優しく包み込むように握り直した。
ボロボロになった自分の手の痛みなんて、もう完全に意識の外へと吹き飛んでいた。
「絶対、絶対に宇佐美のことを大切にする。これから先、何があっても、誰が相手でも、俺は宇佐美のことを一番に考えるって…ここで約束するから……っ」
俺の言葉に嘘がないことを証明するように、握る手に、じわりと力を込める。
今までの俺なら、「絶対」なんて言葉は
その場を切り抜けるための安っぽいセリフとしてしか使わなかった。
でも、今、宇佐美の目を真っ直ぐ見つめながら吐き出したこの言葉には
俺のこれからの人生のすべてが懸かっていた。
茅野たちのようなゲスな連中にどう思われようが
学校での立ち位置がどうなろうが、そんなものはもうどうでもいい。
俺の、この退屈まみれだった世界の中心には、もう宇佐美しかいなかった。
「…本当に、僕だけでいいんですか?先輩、すぐ他の格好いい人とか、可愛い女の子のところに行っちゃいそうで、僕……」
宇佐美は安心したように眉を下げながらも
まだ小さな不満を零すように、俺の胸にコツンと頭を預けてきた。
「行くわけないって。他の奴らなんて、宇佐美の足元にも及ばないよ。…これからは、俺の視界には宇佐美しか映らないから」
「ほ、本当ですか?」
「うん、本当。ウザいって言われるくらい、宇佐美のことばっかり見るから覚悟しといて」
「!…もうっ、わかりました…次はないですからね?」
「うん、約束する…!いや、します…っ!!」
優しく微笑みながら、俺は彼の柔らかな髪にそっと 顎を乗せた。
窓の外からは、完全に部活動を終えた生徒たちの静かな足音が遠ざかっていく。
夜の帳が静かに降りてくる誰もいない教室で
俺たちはまるで世界に二人きりしかいないかのように
互いの体温をいつまでもいつまでも確かめ合っていた。
ボロボロになった制服の汚れも
頬を刺すような喧嘩の痛みも
この温もりの前では、二人の絆を強くするための勲章にしか思えなかった。
【𝐭𝐨 𝐛𝐞 𝐜𝐨𝐧𝐭𝐢𝐧𝐮𝐞𝐝…?】
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