5話
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村へ戻った私たちは、廃墟で見つけた手紙を持って教師たちに報告した。
黃島先生の音楽室に集まり、全員が緊張した面持ちで手紙の内容を見つめていた。
「『鐘が鳴るとき、すべての真実が明らかになる』、、、」
黃島先生が声に出して読む。
「凄い抽象的だけと、意味深な言葉だ」
「鐘の音って、あの教会の鐘のことなんですかね?」
リンが問いかける。
「可能性は高いと思う」
黃島先生は頷いた。
「けど、この村の教会の鐘には奇妙な噂がある。かつて失踪事件が起きたときも、鐘が鳴った後に不思議な現象が報告されていた」
「じゃあ、あの鐘が事件と関係してるってこと?」
「まだ確証はないけど、その可能性は否定できない」
村の秘密
その後、私達は翠先生とノア先生の案内で、村の歴史を調べるために村の資料館を訪れた。
「ここは、この村にまつわるすべての記録が保管されているんだ」
翠葉先生が棚に並ぶ古びた書物を指差した。
「ただし、どれが役に立つかは君たち次第だよ」
私たちは手分けして古い記録を調べ始めた。
ある古文書の中に、吏都が興味深い記述を見つけた。
「これ、、、」
吏都が私に手渡したのは、古びた日記のようなものだった。
そこにはこう書かれていた。
『鐘が響くとき、影が村を覆う。真実を求める者は、森の先の鍵を手に入れよ。』
「鍵、、?」
「森の先って、まだ廃墟の奥があるってことかな?」
リルが首を傾げる。
「廃墟以外にも何かがある可能性はあるな」
ノア先生が慎重に言葉を続けた。
「ただし、森の奥に進むのは危険が伴う。慎重に計画を立てる必要があるよ」
鐘の夜
その夜、再び村の教会の鐘が鳴り響いた。
私たちは部屋の窓から夜空を見上げながら、不思議な音に耳を澄ませていた。
「鐘の音って、普通の鐘と違うよね」
リンがぽつりと呟いた。
「なんだか、、悲しそうに聞こえる」
「それに、遠くから響いてくるような感じもする」
吏都が腕を組みながら言う。
「教会で鳴ってるだけのはずなのに、森の方まで響いてるみたいだ」
私は廃墟で拾ったオルゴールを手に取り、そっと蓋を開けた。
オルゴールの音は、鐘の音と不気味なほど調和していた。
「このオルゴール、何か隠されてるんじゃない?」
リルが静空に近づいて言った。
「例えば、仕掛けとか、、、」
「仕掛け?」
私がオルゴールを裏返して調べると、内部に小さな歯車が組み込まれているのが見えた。
「これ、普通のオルゴールじゃない、、!」
「見せて!」
紫塚先生が近づき、手慣れた様子でオルゴールを分解し始めた。
「なるほど、、、これは暗号のようなものだよ」
紫塚先生が言った。
「この歯車の動きを解析すれば、次の手がかりがわかるかもしれない」
「じゃあ、解析が終わるまで待つしかないってこと?」
リルが少し不満そうに言った。
「その間に、鐘の音の正体をもっと調べるべきだよ」
黃島先生が提案する。
「この村に隠された秘密は、ただ待っているだけでは解けない」
5話 終
次回!
【鐘の音の影】
解析が終わるのを待ちながら、私たちは村の人々に話を聞き、
鐘の音や失踪事件についての情報を集めることを決意した。
少しずつ明らかになる村の過去と、深まる謎。
静空たちは気づいていなかった。
この夜の鐘が、彼らをさらなる危険へと導く第一歩であることを――。
ハート沢山頂戴?
デュエルスタンバイ☆
コメント
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鐘、オルゴール、さらに奥…