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「ニコラーシャ?」
私が驚くのも無理はないだろう
「お兄ちゃんだれ?」
そこには数年前死んだはずのゴーゴリがいたのだから
「いきなりすまない、知人に似ていたからな。所で、お母さんとお父さんはどうしたんだ?」
「、、、、、、、、、、、、、」
黙る彼に家庭の事情があることを悟る
「うちに来るか?」
彼は目を輝かせてうなずいた
「おかえりなさい、シグマさん。
、、、、、、、、、、、、、コーリャ?」
「ちがうよ!ぼくはにこらい!」
「どういう事です、?」
珍しく目を見開き啞然としたフョードルにすべてを説明する
「取り敢えずご飯でも食べていきます?」
「うん!」
昼飯を三人で食べ、遊びながら午後三時位になった頃だった
「お兄ちゃんたち、ぐすっ、ぼくかえりたくない、」
突然帰らなきゃいけなくなることを察してかニコラーシャが泣き出す
「、、、、、、、、、理由を聞いてもいいですか?」
その異様さを感じ取ってか察しの良いヒョードルが躊躇いつつ尋ねる。
私は安心させる為、屈みニコラーシャの背中を撫でる。
「ぼく、おとうさんたちにいたいことされてて、
それで抜け出してきたとこにお兄ちゃんがいて、」
想像したより壮絶な悲劇に沈黙が走る
「辛かったな、、、、、」
思考より体が先に動いて気付いたらニコラーシャを抱きしめていた
「僕は交渉に行ってくるのでコーリャを頼みます。シグマさん」
ヒョードルはニコラーシャの親に直談判しに行くらしく、表情には出てはいなかったが途轍もない憎悪と憤怒を感じた
「嗚呼、」
「お兄ちゃんどっかいっちゃうの?いや、」
余程寂しいのか、彼はヒョードルの裾を掴む
「大丈夫ですよ。では」
手慣れた様子でニコラーシャの頭を撫でて彼は去っていった
「ニコラーシャ、、、、、、、、、」
アルバムを眺めながら昔のことを振り返る
無事引き取った彼を再び失ったのはほんの一週間前のことだった。
もう中学生ほどの年齢にまで成長した彼だが
最近何処かそっけなく、遂には失踪してしまった。
「一人にしてッ、、気持ち悪い、
ヒョードル君も、君も大っ嫌いだよ、」
そう言った彼の震える鳴き声が、背中が、今でも脳裏にこびりついて離れることはなかった
「そうか。すまんな、」
「シグマさん、コーリャが見つかりました、」
彼は見るも無残な状態で見つかった。
どうやら実の父親に脅され前々から嬲られていたらしい
「クソッッ、、」
「、、、、、、、、、、、、、」
彼を見つけた時、ヒョードルと話し合った事がある。
ニコラーシャを外に出すかどうか。
何の偶然か解らないが、もう失いたくはなかった。
だが、彼の自由を尊重してしてやろうということで学校にも行かせてやる事になった
「僕は、彼の自由を尊重したいと思ってました。でも、もういいですよね」
「はは、こんなんじゃ嫌われて当然だな、
どうか、弱い私を許してくれ、」
薄暗い一室、鎖に繋がれた青年に泣き付いた。
すると誰かが私の髪を力なく撫でた
「しぐ、ま、くん、、、、」
気持ち悪いよ、本当。
穢された躰が、
欲張りな恋心が、
僕に痛い程依存している彼らを愛おしいと思ってしまう自分が、
「もっと、壊して愛して?」
大嫌いだからさ、