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︎︎「 光の間に生まれたのは 」 ︎︎
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︎︎第 5 話
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︎︎( 本当の想いは )
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「クラピカ、お前…」
キルアの声が小さくなる。
「俺、お前の笑顔が見たいんだよ。ゴンにじゃなくて、俺に…俺に向けた笑顔が欲しい」
クラピカの瞳が揺れる。キルアの言葉は、彼の心の奥深くに刺さった。
「俺、ゴンに嫉妬してた。バカみたいだろ? ゴンがお前を笑わせるたび、俺は…自分がちっぽけに感じた。お前がそんな風に笑うの、俺も見たいって思ったんだ」
クラピカは息を呑む。キルアの率直な言葉に、彼の心は揺さぶられる。
「キルア、私も…お前とゴンが一緒にいるところを見ると、胸が苦しくなる。お前がゴンにだけ見せる笑顔が、私には眩しすぎるんだ」
二人は互いを見つめ、言葉を失う。嫉妬という感情が、実は互いへの想いの裏返しだったことに、ようやく気づき始めていた。
「バカみたいだな、俺たち。 お互い、ゴンに嫉妬してたなんてさ」
とキルアが小さく笑う、
クラピカも、かすかに笑みを浮かべる。
「…本当に、バカみたいだな」
二人は再び座り、焚き火のそばで肩を並べる。沈黙が流れるが、それはさっきまでの重苦しいものではなく、どこか温かいものだった。
「なあ、クラピカ」
キルアがぽつりと呟く。
「これからさ、お前が笑うときは俺にも見せてよ」
クラピカはキルアを振り返り、柔らかい笑みを浮かべる。
「…お前も、私にその笑顔を見せてくれ、キルア」
その夜、二人の間に新たな絆が生まれた。それは、ゴンとの友情とは異なる、もっと深い、互いを必要とする想いだった。