テラーノベル
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早朝のアルバイト昨夜は疲れていたのに全く眠れなかった
昨日の兄の一周忌は、父と母と私、それから親しい親戚が家に来て行われた
父と母は、ようやく和解したようだった。
復縁はしないけど、借金の返済は一緒に背負うと父は言ってくれた
三人で夕飯を食べた
私たちは、そこに兄がいないことで
皆で泣いた
そんな興奮や、兄はやっぱり死んだんだなという寂しさが襲ってきて
私は、寝付けなかった
ふらふらしながら朝の清掃の仕事をして
昼はカフェで働いた
そのカフェに和香那が来た。
「翔音、大丈夫?顔色悪いね」
「和香那、今日学校は?」
「あ、うん。試験休み」
バイトが終わってから、和香那と合流した
カラオケ屋さんに入って
歌わずに話をした
「お兄さん、亡くなって一年だね」
「時間が経つの早いね」
「最近、お母さんとはどうなの?」
「それがね……」
言いかけてから和香那に言いたくないと思った。
「うん、元気。優しいよ」
「そう。何か力になれるなら、言ってね?」
和香那、優しいよね。
その優しさが、嘘じゃないって信じたかった。
でも、もう信じられない。
あなたなんかと友達にならなきゃよかった。
「あ、そろそろ次のバイトなの。そこは先輩が優しくて仕事楽しいんだ」
「無理しないでね?」
和香那は心底心配してる口ぶりだった。
――そんな表情も、本物みたいなのにな。
彼女のせいで、家庭が壊れていったことをこの時の私は既に知っていた。
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