テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
まだ
腕の中
離れられない
夕焼けの匂い
窓 から入る冷たい風
制服の擦れる音だけ
やけに大きく感じる
心臓
うるさい
俺のも
あいつのも
重なって
どっちがどっちか分かんない
「……離して」
小さく言う
ほんとは
離してほしくないくせに
ぎゅ って
逆に 強くなる腕
『やだ』
即答
子どもみたいな顔
あ
これ
昔と同じ顔だ
公園で
俺が転んで泣いたとき
同じ顔してた
胸
じわって熱くなる
⸻
暸が
俺の肩掴んで
ゆっくり顔覗き込む
近い
近すぎ
視線逸らせない
『もう逃げんな』
口の動き
はっきり読めた
『離れるとか勝手に決めんな』
『俺 ずっと隣いんの当たり前だと思ってたんだから』
喉が
きゅ って締まる
「……当たり前じゃない」
震える
「俺 聞こえなくなるし」
「迷惑だし」
言い終わる前に
ぐい って 額くっつけられた
コンって軽い音
距離ゼロ
『迷惑なわけあるか』
真剣な目
まっすぐ
刺さる
『好きなやつが隣にいるだけで』
『それだけでいいんだよ』
どくん
今
好きなやつって
言った
言ったよね
頭 真っ白
理解追いつかない
「……え」
間抜けな声出た
あいつ
ちょっと照れた顔して
でも
逃げないで
ちゃんと
俺だけ見てる
『 好 き 』
ゆっくり
はっきり
口動く
『ずっと好きだった』
『ガキの頃から』
『だから』
俺の手
ぎゅって握る
震えてる
あ
こいつも緊張してんだ
なんか
それ分かった瞬間
涙が また出そうになる
『お前が離れる方が無理』
『いなくなる方が無理』
『だから俺の隣いろ』
『……付き合えよ』
最後
ちょっと命令みたいで
あいつらしくて
笑いそうになる
なのに
胸が
痛いくらい熱い
⸻
「……ばか」
声 ぐしゃぐしゃ
「それ告白じゃん」
あいつ
「うるせ」って顔
耳赤い
かわいい
ずるい
「俺も」
喉詰まる
怖い
でも
今言わなきゃ
一生後悔する
「俺も好き」
「ずっと好き」
「離れたくなかった」
涙こぼれる
でも
止めない
「隣にいて」
「俺の隣……いてよ」
言い切った瞬間
世界
静かになった気がした
あいつ
一瞬固まって
次の瞬間
ぐしゃ って
子どもみたいに笑った
『当たり前だろ』
今度は ちゃんと聞こえなくても分かる
『最初からお前の隣は俺の席』
そう言って
指
絡めて
恋人繋ぎ
ぎゅ
って
強く握られた
『これで逃げれねぇから』
『一生な』
心臓
爆発しそう
「……重」
『重いとか言うな』
『好きなんだから仕方ねぇだろ』
ああもう
ほんと
好き
好きすぎる
夕焼けの廊下で
手繋いだまま
どっちからともなく
ちょっと笑って
泣いて
やっと
恋人 になった
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!