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【俺の恋の命日】番外編
💙さんside
俺は恋愛とかそういうのには全く興味がない。
でも、代わりに皆より音楽を聴くのが好きだ。これは、断言できる。
最近は趣味でギターも弾いていて毎日が充実している。
ーーでも、親はそんな俺の事は余り好きじゃないようで。
「ちょっと、なによ、この成績、、、。あんた、もう学校やめる!?それか塾かなんかに行く?ここから2時間以上遠い塾に通ってみる!??え?あんた、将来どうするつもりなの???あんた、最近ギター弾いてるけどさ、まさかアーティストになるつもり?
無理無理。そんな才能あんたにあるわけ無いのに。はぁぁぁ。ほんっと気分最悪。もう、良いわ。」
そう、母は言い、夜の仕事に行った。
今日帰ってきた成績は105人中55位。
いつもは50位くらいなのでそんなに落ちても無いのに、何故か母に怒鳴られた。
でも、母に怒鳴られても、別になんともない。
慣れてるっていうのもあるけど、このなんとも言えない感情を音楽が癒してくれるのを俺は知っているから。
俺が音楽に夢中になったのは中学の時。
最初それを聴いた時はとても驚いた。
あの、高音が途轍もなく綺麗で、透き通るような歌声、心に残るリズム。そして、皮肉が込められている歌詞。もう、虜になった。
でも、それだけじゃない。これを作っているのが当時俺より年下の小学生ということ。
その若き才能の名はO.MTOK。
俺はそれからずっとこの若きアーティストの曲を聴いていた。
俺はいつも朝5時半には家を出る。
母に会いたく無いからだ。
いつものボロいバス停留所のベンチを1番右端に座る。
そして、10分15分したら男の子が来る。
大きい赤い目に眼鏡をかけており、可愛らしいアヒル口の学ランを着ている男の子。
学ランの色的に中学生くらいだと思う。
俺は高1だから学校では会う事ない中学生。
でも、毎朝必ず会うのでなんとなく顔見知り程度ではある。
またいつものバスが来る。
俺はいつも1番前の席に座る。
そして、中学生くらいの男の子は今日も1番後ろの座席に腰を下ろす。
明晩、珍しく母が怒鳴らず、リビングの椅子に腰掛けていた。
そして、母は風呂上がりの俺を見て手招いてきた。
俺は母に向かい合うように座ると、母は神妙な顔つきで、こう言った。
ーーおまえ、本当に学校辞めても良いのかい?
相変わらず、俺の名前を呼んでくれない。
でも、怒ってもない。だからといって悲しんでもない。
何にも感情が無いような、感情を殺しているかの 声。
でも、母は俺の将来を心配してるんだ、と言いかたや声色、表情から読み取れた。
俺は、本当に学校辞めても良いのかな。
俺は別に辞めても良い。学校行って楽しい事なんて1つも無いわけで。
母が良いなら俺は別に、、
何故か俺は今あの中学生くらいの男の子を考えてしまった。
何故かは自分でも分からない。
でも、もう会わないだろう。
そう、自分に言い聞かせながらこう答えた。
ーー別に辞めても良い。
母は「そう」と答えて夜の仕事に行った。
俺は変に胸がざわざわするのを気にしない振りをした。
その日から俺は毎日を大切にするようにしていた。
いつもより制服着る時間を大切にしたり、バスの景色をいつもより真剣に見たりした。
中学生くらいの男の子にももうこれで最後になる。
ーー『バイバイ』
俺は誰もいないバスの中でそう呟いた。
2年後、俺は奇跡的に高校中退でも大丈夫な所があって今はそこで働いている。
俺ももう20歳になっており、2ヶ月前の簡素な成人式を行った。
仕事は意外と楽しくてやり甲斐があった。
そうそう、俺が好きな若き才能は俺が高校を辞めたあとに休止になった。休止理由は全然分からない。
今は昔リリースされていた曲を聴いて哀しさを和らげているが、それでも週1くらいの頻度で目に哀しそうな水が出る。なので次の日の朝は目が腫れっ腫れ。
、、、そういや、今日は卒業式か。
すっかり忘れてた。
あの中学生くらいの男の子はもう卒業を迎えているのか。
あの日以来俺はあの寂れた停留所をまるっきり使わなくなってしまった。
もうあの寂れた停留所の利用者は彼だけになっていたのか。
なんとなく懐かしくなり、昼休みに俺は、あの寂れた停留所に行くことにした。
着くと、全然変わらない寂れた停留所があり、俺はウキウキしてしまった。
、、その時、俺の背中にいきなり激痛が起きた。痛いなと考える隙もなく、俺は吹っ飛ばされた。景色がスローモーションして見える。
その瞬間、俺は「あっ死ぬ。」と何故か冷静に考えていた。
そして、俺は助けを求められたらしいがその場で死んだらしい。
原因は、俺が中学の時からずっと使っていたバスに轢かれたらしい。
最期はずっと使っていた寂れた停留所の前でずっと使っていたバスに轢かれるなんて、、
はは笑なっさかねぇな。
その時、ポツッポツッっと雨が降り始めた。
最初は穏やかだったのに、数分すれば激しくなりやがって。
え?なんでこんなに喋れているかって?
そりゃ君、俺が幽霊になっちまったからに決まってんだろ。身も心も自由ってわけ。
うん?あのバス?あのバスはね、どっか行っちゃった笑
俺のあの死体も山の中に埋めてきちゃった。
俺は別に怒ってねぇし、死んでも良かったから、まぁ良いかって感じ。
ははは、と笑っていると意外な人物が来た。
ーーあの中学生くらいの男の子だ。
いや、もう中学生ではないか、身体的に高校卒業した高校生みたいだな。
そう、のんびり考えていると、その男の子の手に花束を持っているのを見つけた。青い、綺麗な花束だった。
その綺麗な花束を男の子がいつも座っていたところに置いて、男の子自身はいつも俺が座っていたところに腰を下ろした。そして、祈るように目を瞑る。
『今日は、命日だ。俺の、恋の命日。誰にも思い出されることのない、寂しい命日。』
閉じた瞼の隙間からぽろりと、悲しい色をした水が溢れた。
『だから、せめて、俺くらいは、今日くらいは、誰にも知られずひっそり死んでしまったあの恋を悼んで、涙を流してあげよう。』
正直、驚いた。
あの、男の子が俺のことを愛していただなんて。
残念ながら俺は男の子に恋心なんて抱いたこともなく、そもそも俺はもう亡くなってしまったのだから、彼には俺のことなんか見えやしない。
でも、自然と嫌な気持ちにはならなかった。どちらかといえばめちゃめちゃ嬉しい。これが恋心では無いことは分かるのだが、俺もこの2年、君の事を気にかけていた。
そう思ったら急に彼と話したくなり、俺は風で吹っ飛ばされた彼のビニール傘を取り、彼の方に行った。
だが、その時、ちょっとしたハプニングが起きた。驚かそうとしてバレないよう、ゆっくり足音を立てないで来たのに、彼の方からこちらを振り向いて来た。そして、元々大きく赤い目が眼から落ちそうになっていた。
その表情はとても驚いたような、嬉しいような、、そんな表情をしていた。
俺は、笑いそうになりながら、ゆっくりと彼の方に歩み寄り、ベンチに置かれた青い花束を手に取る。
俺は小さく笑って傘を彼に差し掛かる。
そして、花束を大事に抱えて、「最期にこんな綺麗なのを貰えて嬉しい。ありがとう。」と小さく、でもハキハキと言った。
こんな俺を好きになってくれてありがとう。
また来世で逢おうね。
そう思った瞬間、俺は何処かへ消えてしまった。
ーーーEND
公開するのが大変遅くなってしまい、本当に申し訳ございません。
色々書き直したり、勉強に明け暮れてたら、大変遅くなってしまいました、、。言い訳言っても仕方ないので、次からは速く更新出来たらなと思います。本当に申し訳ございません🙇♀️
コメント
1件
うわああああ番外編来た!😭💙💙💙 💙さん視点でこの物語をもう一回味わえるの反則でしょ… 音楽にだけ救いを求めて、朝のバス停だけが“繋がり”だった日々が切なすぎる。 最後の「また来世で逢おうね」で完全にやられた… 幽霊になっても彼を想う優しさが染みるよ😢 青い花束がこんな意味になるなんて思わなかった、エモすぎて叫びたい…! ひなあみさん、更新遅れなんて気にしないでください!待った甲斐がある作品でした!!🌸
/Minori
56
#fjsw
はるかぜ
7,279
㎡
15,156
#ryop
ゆゆ@プロフお読み下さい。

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