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『誕生日、おめでとー!!!』
つい昨日までは静かだった一人部屋に、大きな声と拍手が響き渡った。
📢お前ら元気よすぎだろ!w…ま、ありがとな
🦈もっと喜んでよー!!
🌸そうだそうだ!せっかく家まで来てやったんだぞ!
📢はいはい、すまんww
今日は俺の誕生日。メンバー全員が俺の家に集まって俺のことを祝ってくれている。とても騒がしいが、これもまた幸せだ。愛されているんだなぁ……と感じられる。……って、普段の俺はこんなこと言わねぇなw
🍍いるまー、ケーキ食べようぜ!
📢お前メインのケーキじゃねぇよw
🍍むっ……だって美味しそうだもん!
📢ばぶなつやん!w
こんなたわいもない会話をしながら過ごす誕生日は、俺にとって最高の時間だった。面倒くさそうにしながらも心の中では喜んでるって、彼奴らにバレたらいじられんだろうなぁ……w
なんて日が、俺にもあったはずなのに。
📢彼奴らまだ来ねぇのかなぁ……
事故が起きたのは俺の誕生日。あいつらは5時頃から俺の家でパーティーの予定だった。
でも時間になっても全然来ない。連絡すらなく、かれこれ30分待っていた。
📞プルルルル、プルルルル
📢あ?病院から電話……?
📢もしもし
📞突然お電話申し訳ございません。紫崎さまで間違えないでしょうか?
📢はい、合ってますけど
なんで病院から電話なんか……彼奴らになんかあったのか?なんて嫌な想像をしてしまう。彼奴らは大丈夫、絶対誰1人欠けずに俺の誕生日を笑顔で祝ってくれるだろう、と思っていた。……だが、そんな浅はかな願いも次の言葉で消えてしまった。
📞そちらのお知り合いの暇様達が紫崎様の家に向かっている途中事故にあってしまって……いま病院で手術をしております。
📢は……??
📞急いでこちらへ向かってきてください。場所は________
📢分かりました、すぐ向かいますッ
俺はすぐさま家を飛び出していた。幸い家の近くの病院だったから早くついた。
📢なつ達はッ!!
👤……暇様たちのお知り合いの方ですか?
📢はいッ、なつ達の様子はッ!?
なんで早く答えないんだよ、という不安とともに悲しみがおしよせてくる。もし死んでしまっていたらどうしよう、もし一生治らない傷ができてきたらどうしよう。
👤こちらの部屋にどうぞ……
タッタッタッ、バンッ
📢はっ、はっ、はっ、
部屋のドアを開けた、その光景は、悪夢のようだった。みんなベッドに横たわり、苦しそうな顔をしている。
俺は医者に様子を聞いた瞬間、膝から崩れ落ちた。
なつは死亡、ほかのメンバーは植物状態だと。
📢あ、あぁ…………ポロポロッ
なんで事故にあうのがなつ達なんだろう。此奴らじゃなく俺が死ねばよかったのに。そんな考えしか頭になかった。嬉し泣きで迎えるはずだった俺の誕生日、みんなからおめでとうがもらえるはずだった俺の誕生日。メンバーの悲惨な姿とともに、迎えることになってしまった俺の誕生日。
📢な、んで……ポロポロ
俺はただ、泣き続けることしか出来なかった
📢あれからもう3年かぁ……
今日は2月9日、なつの誕生日。俺が密かに愛していた、なつの誕生日。
📢なつ、誕生日おめでとうな。愛してる。
おめでとうだって、愛してるだって、直接伝えたかった。みんなとわちゃわちゃ騒ぎながら、メンバーみんなの誕生日を祝いたかった。ただそれだけなのに。
📢なぁ、俺あと11日で誕生日だよ……ポロッ
あれから植物状態の奴らは起きていない。
📢なつの命日でもあんのか……
自分の誕生日を墓で過ごすと思うと嫌気がさす。けれど、命日に墓に行かないのはなつが寂しがるだろう。
📢なぁ、なつ…………愛してる
ついに俺の誕生日。俺は病院に行き彼奴らに挨拶をしたあと、なつが眠る墓に向かった。
📢………今日、俺の誕生日だよ。なつ。祝ってくれよ……ポロポロッ
俺は毎年毎年、なつのおめでとうを求めてる。優しい声で、にっこりした素敵な笑顔で、俺のことを祝ってくれるのを。ことしだって、ずっと願っている。
きっとこれからだって、毎年みんなに会いに行って、叶わない願いをずっと心に持って。
📢俺はやっぱ、お前らの声が聞きたいよ……ポロポロッ
今年だってまた、叶わぬ願いをずっと君に。
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この作品はパクリなどではございません。もし似たような作品、パクリを疑うような作品があった場合は遠慮なく教えてください。ストーリーを改善いたします。