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「ニケ、こちらにおいで。」
俺はまたルッツに呼び止められた。今日も変わらず憎いくらいにイケメンだ。室内にいるくせにキラキラしてやがる。
「なんだ?」
「ずっと気になっていたことがあってね。」
そういうとルッツは腕を組み、眉尻を僅かに下げた。 なんだなんだ、俺、またなんか言われるのかよ。
「その、キミがこの前言っていた僕たちの関係についてのことなのだけど。」
「……………………………申し訳ないが、そんな話、記憶にねえ。」
ルッツが軽く息を吐いてこちらを見た。
「僕たちがセフレという関係なのか、という疑問を口にして今じゃないか。」
「?!」
そんな話…いや、したのは確かだ。だが、なぜ今掘り返してきた?
「僕、あの時は何も言えなかったけどあれからたくさん調べて考えてみたんだ。ほら、その印に僕の新しく買ったエロ本のジャンルは……」
「ああわかった、わかったよ見せなくていいから!!で、それがどうした…」
もしかして気を悪くさせてしまっただろうか。あれはあの時ふと不安な気持ちになって口にしただけの戯言で…………。
「いいかい、ニケ。セフレというのは身体を求める関係だ。そこには精神的な関係が薄いんだよ。」
「あ、ああ。」
「さあ、果たして僕たちはそうかい?よく考えてほしいものだよ…。」
そう言われればそうだ。確かにそうだ。セフレなんて薄っぺらい関係じゃないよな…。しかし、俺たちの関係ってよくわかんねえんだよ!
言葉を選びあぐねているうちに、
「まあ、用はそれだけだよ。僕が考えたことをニケに伝えたかったんだ。」
と話を畳まれた。踵を返してこの場から離れようとするルッツをどうにか引き止めたくて、俺はルッツの腕を掴んだ。振り返ったルッツは驚いた顔をしていた。
「なんつーか、俺にとってのルッツは欲望の投影先とかそういうのじゃなく…。」
腕を掴んでいた手を離してこめかみに当てる。
「軽い扱いをするつもりは一切ないんだ。1番一緒にいてくれて、大事って言うか…。」
言い終わらないうちにルッツの表情がいつもの調子を取り戻し、俺の目の奥まで覗き込むように、嬉しそうにこちらを見つめてきた。
「ちゃんと言えるじゃあないか!」
「う、うるせーー!!!マジで撤回してやるさっきの」
「ああ、そんなの僕悲しいなあ…。」
「知らね知らね!もう放っておけ!」
「おやおや、いいのかな?」
自分の欲しい言葉が聞けて満更でもなさそうなルッツが鼻につく。かくいう俺も頬が緩んでいるが……………。