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Poob x Pest、カニバリズム、心中…?
Poobの住むマンションのインターホンを鳴らす。
「はいはーい!」
扉がガチャン、と音を立て、勢いよくPoobが飛び出てくる。
「さぁさぁ!入って入って!」
無理矢理部屋の中へ押し込まれる様に、渋々部屋へ入る。
「はぁ…おじゃまします…」
テーブルの前に座らせると、Poobは鼻歌を歌いながらキッチンへ向かう。
「…で、何なんだ。今回は。」
「えへへ〜!今日はね〜!」
すると、Poobは優しいピンク色をしたケーキを持ってキッチンから出てくる。
テーブルの上にケーキを置くと、自信満々に言う。
「どうぞ!食べてみて〜!今日のは特に美味しいよ!きっと!」
しょうがなくケーキを口へと運ぶ。
気持ち悪いほどの甘みが口内を覆う。その裏から、妙な苦味が喉を刺す。
「なぁ…これ…」
「なあに?」
いつもの甲高く鬱陶しい声とは打って変わって、低く、耳に響く声だ。
「いや…その…なんか…なんだか…苦いぞ、これ…?」
ふとPoobの方見ると、絶望している様な、呆れている様な顔をしていた。
「…Poob…?」
「そっか。そうだよね。ちゃんと味見しといたほうがよかったね。だめだった、だめだったかぁ…」
「…Poob?」
「でも、Pestが悪いんだよ。しらないプレイヤーさんに笑顔見せてたから…」
「Poob?」
「ぼくには見せてくれないのに、なんでしらないプレイヤーさんには見せるの?なんで?なんで…なんでなの?」
背筋が凍った。気付いてしまった。
「おい…これ…」
「うん。そう。プレイヤーさん。」
「は…?!お前…!!」
フォークをテーブルに投げ捨て、Poobの胸ぐらをぐっと掴む。
「お前な…!!!」
「…うん、わかってるよ…だめだって、わかってる…でも…許せなかった…」
「許せないとか、そんな話じゃないだろ!!お前な、人殺してんだぞ?!何してるか分かってんのかよ!!」
「わかってるって…」
「あとな、そもそもプレイヤーとかただの金ヅルとしか思ってねぇんだよ!!無関係な人に危害加えんなカス!!もう2度と近づくな!!」
Poobを突き放すと、空気の抜けた風船の様に床に倒れ込む。
「なんで…」
なんて言った気がするけれど、そんなものはどうでもいい。
「じゃあな。本当に、もう近付くな。」
Poobに背を向けて、部屋から去る。
正味、Poobがこんなことをするヤツだとは思っていなかった。ガッカリだ。
いつもの地下鉄で、手の中でコインをくるくると回す。
この前のことをまだ引き摺っている。
思い出すと無性に腹が立ってくるが、何か複雑な感情も流れ出てくる。
ガシャン。
聞き慣れた音に、エレベーターの方に目を向ける。エレベーターが開くと、エレベーター内から数人のプレイヤーが顔を覗かせる。
その時だった。電車線に落ちた。いや、落とされた?
地面に押し倒される様な形で、線路上にPoobと一緒に落っこちる。
「Pest」
Poobはゆっくりと俺に抱きつき、大好き、と何度も耳元で囁く。
「気持ち悪い!!」
「なんで」
Poobはいきなり俺の首を絞め、暗く黒い目で俺を見つめる。
「が……ぐ…おい…お…前……!」
「Pest」
「ごめんね」
ああ、電車が_____