第伍章『学』
あの騒動から約1ヶ月の月日が経ち平穏な日々が訪れた。
バゴォォォォーン
静かな自然の中に一つの爆発音と水しぶきが起こる。
大きな湖にあるのは二人の人影。そこにいるのは不死 罪夢と秋水 流の二人であった。
炎龍ノ極 炎纏イノ鉤爪(えんりゅうのごく えんまといのかぎずめ)
秋水を二つに裂くかのように、横腹に攻撃を入れるが、秋水の身体は液体に変わり攻撃を無効化した。
「ちぇっ、また攻撃聞いてねぇじゃねぇかよ!」
「相手の神力の量を考えて動けと言ったろぉ?そうすれば、次来る攻撃も分かる。これも言ったはずだぞ?」
「この攻撃なら全て蒸発させることが出来ると思ったんだけどなぁ。」
「おまっ、お前!俺ごと消すつもりだったのか!?」
「にひひひ!よいしょっと!!よし!それじゃぁ、もう一回試合をお願いします!師匠!」
「応!!いいぞ!」
秋水と罪夢は師弟関係を結び日々鍛錬を積んでいた。
「そこまでだ。」秋水と罪夢の距離のちょうど中心に突如、神道が現れそこから一人現れる。
「組手は一時終了としよう。緊急事態だ。」神道から現れた人物は不死 死人本人だった。
「秋水は、一時この神域で待機をしていてくれ。」
「はい。」
「そして罪夢。お前は俺と一緒に来てくれ。」
「はい。」
「見ないうちに成長したな。二人とも。 」
「へ?」
「そうですか?」
「まぁ、まず行くぞ。」
「はい。」罪夢は大人しく父の後について、神道の中へと進む。
『神日本政府 天照神宮』
2人は神道を抜けると広いスペースに出た。
屋根が高く底には天照大御神の絵が描かれていた。中には人が1000人入れそうな空間、その奥には玉座があった。
「遅くなった。せっかく集まってくれたのに済まない。」
「いえいえ。俺たちは待ってないっすよ。」
「兄ちゃん!」
そこに待っていたのは龍鬼と死鬼の二人だった。
「よォ!お前らすげぇ神力の量じゃん!!」
「俺らも強くならねぇと行けねぇからな。」
「うんうん!」
「本題に入ろうか。」不死死人は三人の話に割って入る。
「昨日、20時13分。岩手県にある沿岸部に存在する学校で強大な神力が発見される。その神力は禍々しく不穏な雰囲気が漂っていた。その正体を暴いてきてくれ。もし出来たら、その神力を祓って来てくれ。我の予言では将来、そいつは日本を滅ぼすものだ。用心してことに当たってくれ。健闘を祈る。」
「「「はい!!」」」
大きな返事をすると三人は同じ神道を通る。
「不穏な雰囲気をかまし出す奴ってなんか怖いね。」
「大丈夫だろ。俺らがいればなんとかなるさ。」
「まぁ、勝てればな。」
「確かに。」
三人は神道を抜けるとそこはリビングに辿り着く。テレビの目の前に正方形のテーブルがあり、それを囲むように三つのソファが並んでいた。龍鬼から先にソファに腰をかけ、残りの2人はそれぞれのソファへ腰をかける。
「神日本政府も手厚いだよな?俺達龍神を滅することがないように、龍神保護プログラムを創ってこんな大きな家と立派な家具をプレゼントしてくれるなんてな。」
「本当にありがたいよ!さすが最高神様だね!!」
「親父にありがとうって伝えとくよ。」 3人は小さく笑う。
「なぁ、腹減ったか?」龍鬼が2人に問いかける。
「「減った!」」
「なにか頼むか?」
「ピザがいい!!」死鬼が手を挙げ、今一番食べたい物を提案する。
「死鬼の案に乗った!!ピザにしようぜ!!」
「やったぁ!!」
「マルゲリータでいいか?」
「応!!」「うん!!」2人は返事する。
「電話してくるから少し席を外す。」
「応!!あっ!マルゲリータ30枚な!」
「あぁ、わかってるよ。」龍鬼は席を外し誰もいない部屋へ写った。
「タバスコ♪タバスコ♪」辛いものが好きな罪夢は冷蔵庫からタバスコを取りに行く。一方死鬼はソファにぐったりと座りながらテレビでクイズ番組を見る。
罪夢と龍鬼が席に戻ると龍鬼が再び口を開く。
「明日の任務の正体ってなんなんだろうな?」
「不穏な雰囲気…なぁ、龍鬼覚えてるか?俺らが出会った時に戦った相手。」
「骸骨ペストマスク野郎のことか?」※第弍章参照
「あぁ、そうだ。」
「あいつがその正体かもな。」
「アイツ絡みなら俺らはそれを止めるだけだ。」
「止めるんじゃねぇ、今度こそ勝つんだよ。」
「「うん!」」
10分後。家のインターフォンが鳴り龍鬼がそれに出た。
「やったぁ~!!」
「やっと来たか!!」
「よし、食うか!」死鬼は喜び、龍鬼はピザの匂いに目を光らせた。
「「応!!」」死鬼と龍鬼は我慢ができず返答したらすぐピザにがっついた。それを見て罪夢は微笑みながら食べ始める。3人の姿に会う言葉はただ一つ。『暴飲暴食』の言葉だけだった。
一方、テレビでは日本の心霊、神、妖怪、呪いの特集をしていた。3人も意外とオカルト好きなのかもしれない。
3人はお腹を満たし、そのまま眠りにつく。
同日の24時。
「なぁ、俺らの学校に神様っていうのが来るらしいぜ?」暗闇の中スマホの光に照らされて口だけ見える。
「ほんとかよ?」
「職員室前を通った時に集会で話してるの聞こえちゃった。」
「明日らしいぜ。」
「明日の何時くらいなんだろうな?」
「確か、夜中の20時って言ってたぜ?」
「その時間に俺ら忍び込んでみようぜ?」
「まじで??」通話を聞くと男女のグループがあり、そこで話していた。明日何が起こるのか我々には知るよしはない。
次の日
『神日本政府 天照神宮にて。』
三人は重大な任務のため神道を抜け出てくる。
「やっと来たか。遅かったな。」
「今何時だと思ってんだよ。」
「朝の5時35分くらいっす!」
「早すぎんだよ!!」
早すぎる集合時間に罪夢と死鬼は声を上げるが、龍鬼は朝に強いためか声を上げずに二人の姿を見るだけだった。
「はぁ、まぁ良い。主らはこれから我が作り出した神道を通ってもらう。この神道を抜けるまで約1時間はあるぞ。」
「それまで何すればいいんだよ!」
「つまり、神道を抜けるその時まで、遠視で向こうの風景を見ろということだな。」
「あぁ、そういうことだ。」
勘のいい龍鬼が目的を推理し的中させた。
「着いたのなら透明化を使い禍々しい雰囲気の原因を調べてきてくれ。」
「「「はい。」」」
久しぶりの任務に3人はワクワク感が溢れ出そうだったが、心の内に感情を隠し1人ずつ神道を潜る。
「頑張れ。龍ノ卵達。」
【神道内にて】
「何か不穏な物が見つかったか?」
「いや特に何も無いな。」
「先生と生徒も普通だもんね。ねぇねぇ、今回も敵が強かったら融合とかするの?」
「融合か、」
「融合なんかするか!?二度としてたまるか!!」
「なんでだよ!!俺はいいと思うぜ!!融合!」
「お前と融合するなんてもう二度とごめんだ!」
「ちぇっ、それじゃぁ合体技なんかもこの間に考えるか、」
「合体技!いいね!いいね!」
「ふん!」罪夢と死鬼が目を光らせてる中、龍鬼は拗ねてる姿を見せそのまま歩き続けた。
【見知らぬ洞窟の中】
「終わりはここから始まる。」謎の男は洞窟の中で赤い眼を光らせる。男のその前には封印の札がたくさん貼られて蠢く不吉な物が居た。
46分後、3人は田舎の学校へたどり着き神道抜ける。辺りは森や田んぼに囲まれ自然に満ち溢れている。
「めっちゃ田舎の方に来たね。」
「なぁんだ、都会かと思っていたのに。」
「別にいいだろ。任務を果たそう。」
「ここで3手に分かれよう。話し合った通りに行こう。『透明化』だ。」
「はい!」
「おう!」罪夢の掛け声に2人は喝を入れ、学校の中を調査する。
【学校内】
(古い学校ながら普通だな。)罪夢は2階の廊下を歩く。教室内では授業が始まっており廊下には誰もいない。
(これといっては不穏な雰囲気は無いけど、)
ドガッ!!
(いってぇ!何かに当たっ、あれ?)罪夢の左肩に何かがぶつかったが振り向いたが何もぶつかるような人や障害物は無かった。
(俺は一体何にぶつかったんだ?まぁ良い、こんなのに時間は裂いてられない。早く見つけよう。)
1階は龍鬼が調査を始めていた。
(こっちは何もねぇな。ん?1階の男子トイレに誰かいる。授業が始まってるよな。そこに誰がいるんだ?)
龍鬼がトイレの個室を除くとそこには泣き崩れた少年の姿とその扉の前には男子3名と女子2名が笑いながら立つ。龍鬼はそれを許せないように、昔を見ているかのようにそれを覗き見ていた。
「今日の夜、神様とヤラが来るらしいからそれを覗きに入ろうぜ?だからお前ら遅れるなよ。もちろんお前らな。影山~?」
ドンッ!!
「はっ、はい、ひっ」ヤンキーが脅しで影山という少年が入っている個室を殴ると影山はビビり泣きながら返事を返す。
「おい!お前らどこにいる!!」
先生らしき声が響き渡ると生徒は電気を消し姿を晦ます。龍鬼は先生の声で目を覚ましヤンキー達を少ない電流で気絶させた。そして、影山に声をかけるため心を歩ませ口を開く。
「おい、お前いじめられてんのか?」
「だっ、誰ですか?あなた。」
「俺はお前らが『神様』と呼んでいる者だよ。」
「嘘だ。人の言葉は信じられない。」
「はぁ、お前をこの空間に連れてこなければいけないとはな。」
「へ?ここってどこ?」
「これで信じただろ。俺が『神』だってこと。ついさっきお前がされてたことは知ってるぞ。」
体育館、そこには死鬼が捜査していたが倉庫や格技場など組まなく探しても目当てのものは見つからない。
「もう!見つからないよ!見つからないよ!見つからないよォ~!!」死鬼は床に寝そべり大声で駄々をこねる。すると、透明化の効果で床に潜り込んでしまう。
「うぉぉぉおぉぉぉ!」
ボォォォン!
「うぉ~、いてててて。なんか見知らぬ空間に落ちたのかよ。って、え?」死鬼は体育館の地下に存在していた洞窟に落下し尻もちを着くとそこには無数に御札が貼られた巨大で不穏な何かそこで蠢いていた。それを見た死鬼は唖然とし冷や汗が止まらなくなった。すると、死鬼はここまで通ってきた神道内で話したことを思い出す。
(目的のやつを見つけ出したらそれを叩くのは今夜20時だ。)
「今夜に託すしかないか。」死鬼の冷や汗が地面に4滴滴り落ちる。
静寂は後に戦況へと変化を遂げる。
【20時】
3人は体育館内に集合し『透明化』で地下の洞窟へと足を踏み入れる。そこには『謎の男』が蠢く何かの前に立っていた。それを見て3人は男を囲むように三角形を作り技を放つ構えをした。
「またお前らか。」
「それはこっちのセリフだよ。でも今度は逃げ場はねぇよ。」
「それはどうかな?」
「なぁ、罪夢まだか?」
「やるか。」
「ん?」
「「「龍ノ極!!参融龍ノ戯レ(みつゆうりゅうのたわむれ)!!!!!!」」」
3人が放った技は男を包込み、大爆発が起こり瓦礫が崩れ地面を突き破った。
砂埃が収まると静けさが訪れた。
『この程度ならまだ生ぬるい。だが成長は認めてやろう。そして見ろ。目の前に存在するのは数千年に人間の手で封印された最強の鬼の一部分だ。得と見て得と味わえ。』
封印札が全て焼け焦げその姿が露になる。巨大なものはみるみる小さくなっていき、見た目18歳くらいの角が生えた少年へと変化を遂げた。
「ここはどこなの。 」少年はオドオドしく辺りを見渡し3人に目が行く。
「僕のこと封印したの君たちなの?」
「違うよ!」
「僕たちそんなんじゃな、」
「うるさい。」
「へ?」
「うるさい!うるさいうるさい!うるさいうるさい!!お前らが僕を封印したんだ!!探偵さんといたのに!!」
『鬼ノ極 鬼獄炎天(きごくえんてん)』
ほぉぉぉぉぉぉぉん!!
鬼の攻撃により体育館崩壊され、辺りは焼け野原に変わった。罪夢達は攻撃をまともにくらい傷と火傷ができた。
「さぁ行くぜ。龍神特攻だ。」
「「応!」」罪夢の掛け声に3人は神力を振り異次元の素早さで攻撃を繰り出す。
『雷龍ノ極 雷ノ煌電(らいのこうでん)!!』龍鬼の手のひらから雷を放つが鬼が放つ見えない壁に阻まれまともに攻撃が当たらない。
「くっ、クソがぁ!」
『怨念龍ノ極!!死者ノ鉤爪(ししゃのかぎづめ)!!!!』死鬼も背後を取り攻撃を放つが一切攻撃が当たる気配はない。
ボコボコ…
鬼が立っている地面から何かが浮き出てくる。
「も~らい!!」地面から罪夢が手を伸ばし鬼の足を掴む。すると、
『炎龍ノ極!!炎天ノ覇玉(えんてんのはぎょく)!!!!!!』罪夢が地面から大きく振りかぶった拳は鬼の顔面にクリーンヒットしその場で大爆発を起こし天高くに飛ばす。
「これで終わったね!」死鬼がそう安心するが2人は怖い顔を辞めることは無い。
「まだだ。」罪夢と龍鬼は『神力察知』により鬼が生存しているか分かり切ってきた。未だに残る禍々しさという名の神力を。
「くっそぉぉぉぉぉぉ!!」罪夢はそれを知ると天高く鬼が居る天空まで上がり積める。
「これでも喰らいやがれ!!」
『炎龍ノ極 炎ノ…』
『鬼ノ極 覇者ノ綻ビ(はしゃのほころび)』
「ぐわぁぁぁ!!」鬼が放った一撃に罪夢は耐えることが出来ず傷がさらに増え、上の服が破け散り2人がいる場所に落ち瓦礫の下敷きになる。
「ねぇねぇ、見てよあれ!」
「もしやあれは、お前と同じ赤眼か?」
「うん、多分そうだよ!」
「やることはただ一つじゃねぇか?ひたすら技を浴びせるだけ!! 」罪夢は瓦礫を払い再び喝を入れた。その喝は決して諦めない意志の表示である。
「行くぜ。」罪夢の言葉に3人は再び動き出し鬼に攻撃を浴びせる。だが鬼の周囲には決して見えることの無い透明なバリアが貼られており何一つ鬼の皮膚には触れることが出来ない。
「くっ、子奴らに攻撃を与える隙ができない。」
「隙が出来ねぇってことはよぉ、お前が攻撃を与えると見えることが出来ねぇバリアが一時的に剥がれ裸になるってことだよなぁ!!」
「それか、俺らがひたすら技打ってお前の神力を空にするかのどっちかだ!バリアと技を放って空にならねぇわけねぇ!!」龍鬼と罪夢は自信が考えた対応策を披露しながら攻撃を続け3人の拳がバリアを貫き鬼は学校へと殴り飛ばされる。
「すっ、すげぇ!!」
「やっぱし!神様っていうの来てんじゃん!!」
「ついさっき殴り飛ばしたのって何!?化け物!?妖怪!?」
「鬼だろ!!あれ!!」
「ひっ、ひっ、」
「ちっ、あいつら!」
『鬼ノ極 斬獄ノ響(きごくのひびき)』
「やべぇ!危ねぇ!!!!」罪夢が鬼の行動に気がつき約50メートル先の不良達6名の前まで駆けつけ、鬼が放った一撃を砕く。
「お前ら、何しに来た。」龍鬼は下を向きながら不良6名の前まで駆け寄った。
「何しに来た!!」龍鬼は声を荒らげ怒りを露わにする。
「お前らが何をしに来たか俺は分かってんだよ!!俺らを見に来たんだろ!?危ないと知りながら!!命を無駄にしてんじゃねぇよ!!死にたくなければここから出ていけ!!」龍鬼の怒声に不良達はビビり走り逃げる。それを見て龍鬼は罪夢達が未だ戦いを続けている地点へと向かうため、再び身体に力を入れる。
『雷龍ノ極 …』
「ちょ、ちょっと待って」
「ん?」龍鬼が技を放とうとすると不良達に紛れて来ていた影山が声をかけた。
「あ、ありがとう!そして頑張ってね!!」
「あぁ、任せろ親友。」影山の応援に龍鬼は笑顔が見えた。罪夢が見せることがない100点の笑顔を。
『雷龍ノ極 迅雷瞬鉤(しゅんでんしゅんこう)!!』
龍鬼の手に雷を纏わせと1秒も経つことなく炎と怨念が待っている鬼の元へ駆け抜け、再び何重にも貼ったバリアを貫通し胸元を裂く。
「ぐわぁぁぁぁぁ!!お前を俺のバリアで潰してやるよ!!」
「ダメ!」
『怨念龍ノ極!!死者ノ戯レ(ししゃのたわむれ)!!』鬼は再びバリアを貼ろうとしたがそれを防ぐため技を繰り出し死者の手でバリアを止める。
「少し堪えろよ!」
『炎龍ノ極!! 炎ノ剛拳(えんのごうけん)!!』
罪夢の大きな拳は鬼の顔面を強く殴り、今までにない程の大爆発を見せ、バリアだけでなく学校を破壊し土煙と共に地面に大きなクレーターを作り出した。
鬼は深い傷と火傷を負っていたが残り少ない神力で再生させる。
「クソ、あの龍神共に負けてたまるか!クソ!クソ!!クソクソクソ!!!!」
「その龍神がお前をここまで追い詰めたんだよ。」
罪夢達が目の前に立ち尽くす。3人が負った傷は神力で完全に回復していた。
「お前達が、お前達がいなければ!!」鬼は最後の悪あがきで罪夢の顔を自分の爪で引き裂こうとする。だが罪夢がそれを避けるように咄嗟に動き、鬼に抱きつく。
「へ?なんで?」
「君が寂しそうだったから。離れ離れになったんだろ?」
「寂しかった、寂しかった~!!ずっとねぇさんと居たかったのぉ!!」鬼は罪夢の胸の中で泣き崩れた。鬼の中に寂しさと哀しみが滲み出ていたのを罪夢は理解してた。だが戦いの中に感情にひたる隙が無く、ただ止めることしか出来なかったのだ。そしてタイミングを見て行動に出た。
「これで楽になれるな。」
「ありがとう、ひっ、これで、僕も、」
罪夢の中で鬼は粉となり天に舞ってい姿を消した。
彼の悲しい思いと涙、そして静けさを残して。
【その後…】
あれから1日が経ち、罪夢は秋水の神域の中で修行を始めていた。技のぶつかり合いにより二人は反発するが二人は疲れる仕草は見せることは無い。
すると、
罪夢の上を赤い鳥が天高く舞飛ぶ。それはまるで『いつも見てるぞ』と言わんばかりに。
罪夢は決意を固め、再び鍛錬へ向かう。寄り良い世界を作るために。
第伍章『学』終わり。
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