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ここな
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ご本人様とは一切関係ございません。
激しい雷と大粒の雨。
快晴から一転、ゲリラ豪雨になってしまった。
外での収録が終わるタイミングだったのが不幸中の幸いだった。
急いで事務所の車に乗り込むと先に乗っていた仁ちゃんが外界をシャットアウトするようにうずくまっていた。
今から雨が弱まるまでは車で待機。弱まってからは事務所を経由して自宅に送ってもらう予定だけど、出発前から気分が悪いのかと心配になる。
「仁ちゃんどうしたん、大丈夫?」
とりあえず横に座って問いかけたものの、耳を塞いでいるし顔は伏せている。もしかしたら寝てるのかと思ったけど、とりあえず優しく背中をさすってみる。触れた瞬間、仁ちゃんの身体が大きく跳ねた。
横に座ったことすら気づいていなかったみたいだ。それでもできるだけ動きたくないのか、少し顔をあげて舜太だと分かるとすぐ元の体勢に戻った。
もう一度問いかけてみると、
「イヤホン忘れてきちゃって…」
かろうじて聞こえた声はいつもから比べるとずいぶんとか細い。
普段ならイヤホンを忘れただけでならこうはならない。到着まで寝て過ごすこともあるし、メンバーやスタッフと談笑していることも少なくはない。
でも、触れたところからは震えているのが伝わる。雷が大きい音を立てると一際、身体が跳ねた。
「雷怖いん?」
優しく問いかけると、仁ちゃんは少し間を置いてから頷いた。
雷が容赦なく音を立てるたびに、仁ちゃんは震えていた。
同じグループで活動してもうすぐ10年、恋人になってからは半年ほど。そんな話、誰からも聞いたこと無かった。きっと他のメンバーもスタッフも知らない。
年上でリーダーという立場なのがネックなのか、どんなに苦しくても悩んでも一人で抱える癖がある。
そして、すべて上手く隠してしまうのが仁ちゃんの良くないところだ。
そんな彼が誰にも秘密にしていたことを恋人のオレにだけ教えてくれた。
普段は互いの家でしか恋人扱いしない約束だけど、今はもうどろどろに甘やかしたい気持ちになった。
膝が当たるほどぴったりと横に座ってみる。それでも微動だにしない仁ちゃんの腰に手を回す。
「こうするとなんか安心せえへん?」
無い隙間を埋めるようにさらにぎゅっとくっつく。緊張によって冷えてしまった仁ちゃんに体温を分けるように。
「……近い。」
「いいやん、出発までの間くらい。」
奥の席やし、誰か来ても気づかんよと付け加える。
それに対して仁ちゃんはぶつぶつ文句を言いながらも、無抵抗だった。
少し時間が経って、雨はまだ大粒だけど雷は少し弱まりはじめたかなと考えていると、それまで体勢を変えなかった仁ちゃんがゆっくり身体を起こして座り直した。
こちらを見る目は少し赤くなっていて、艶やかな雰囲気に思わず、可愛い!と抱きしめそうになるのを堪えた。
「なんか、舜太がいてくれて気持ちマシになったかも。…ありがと。」
ちょっと気まずそうだけど、こちらを見る上目遣いが可愛すぎる。その姿にはもう我慢できず、気付くと啄むように数回、唇を重ねていた。
ふと我に返った。
やばい絶対怒られる。仁ちゃん絶対こんな誰が来るか分からんとこでイチャつくの一番許さへんタイプやのに…
「ご、ごめん。我慢できひんかった。」
「…今回だけな。」
今日の家での予定もお預けやな…
しょんぼりしていたところに、ちゅっと音を立てて仁ちゃんからもキスをしてくれたことに驚く。
「家に着くまではもうこれで終わりな、俺寝るから。」
照れているのか、言葉は早口に言い放たれた。仁ちゃんの頭が肩に寄りかかる。
照れ隠しかと思っていたら、少しすると寝息が聞こえてきて本当に安心してくれたのが伝わってくる。
仁ちゃんは寝たし、雷も治まっていたが、事務所に着くまで繋いだ手を離すことはしなかった。
後日、メンバーへの牽制も込めて、眠っている仁ちゃんとの匂わせツーショットをSNSにアップした。
仁ちゃんをよく見ると泣いたように赤くなった目の縁や、画角からは切れているが手を繋いでいそうなのも分かる。
目論みどおり、多方面から大きな反響があったが、ネットから距離を置いている仁ちゃんがそれを知るのは3日後にあるラジオのお仕事の時のことだった。
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この後ラジオで公開お説教が始まります。
コメント
1件
あー、これめっちゃ良かった…!雷怖がる仁ちゃんを舜太が優しく包み込む感じが尊すぎてやばい。年上でリーダーで普段は強気なのに、実は雷がダメで恋人の前だけは弱さ見せられるみたいなギャップに刺さりましたわ。最後のSNS匂わせからの「ラジオで公開お説教」の流れもニヤニヤが止まらん。続きが気になりすぎる!