pnサンの体調不良です。過呼吸表現あります。
キスシーンがあるので微rかもです。
名前を借りているだけで本人様とは全く関係がないので理解してお読みください。
各自で自衛お願いします。
職業柄、一般的な仕事をしている人よりも自分に対して、誹謗中傷だったりお気持ちコメントを見かけたりすることは結構ある。
配信者、動画投稿をしている人は日常茶飯事だし、自分も慣れているつもりではある。だが、最近そういったことが心なしか増えているような気がする。
自分に対してのコメントならまだ許せる。だがグループ全体を貶したり、メンバーの事を悪く言う人が出てくるのはどうしても許せない。
気にしないのが一番いいことだが、どうしても気になってしまう。メンバーに聞いてもそのままの自分でいて欲しいと言われる。実際そうなのかもしれないが、何か改善策があるのではないかと1日の数時間を答え出のない疑問に費やしてしまうのだ。
今日もボーッとしているうちに無意識なのか上がった動画のコメント欄を観に行っていた。
コメントをスクロールしていく中で、大半はここが良かったとか面白かったなどポジティブなコメントばかりが送られてきている。
不意に動かしていたマウスを止める。そこにはこんなコメントが書かれていた。
『ぺいんとなんていらない。ぺいんとのせいで日常組が面白くなくなるんだよ』
ヒュっと喉から音が鳴った。心臓の奥が冷たくなる。誰かが心臓をぎゅっと掴んだような、いつまで経っても慣れることのない感覚。
パソコンの電源を落とし、椅子に膝を立てて顔を埋める。
あぁ、またこうやって言われるんだ…。
誰かに相談したい、気持ちを聞いて欲しい。
思い切って、自分の一番の親友、らっだぁにメールを送る。
『らっだぁちょっと話する時間ある?』
数分すると既読マークが付き、さらに数秒すると返信がきた。
『いいよ。ぺいんとの家で話す?』
『うん、ありがとう』
『準備できたら行くわ』
『りょうかーい』
ふうっと息を吐き、少し散らかった部屋を片付ける。
しばらくしてインターホンの音が鳴った。
はーいと返事をして、ドアを開ける。すると、そこには大きな荷物を持ったらっだぁがいた。
「え、その荷物どうしたの?」
「あぁ、今日お前ん家泊まるから」
「えぇ!?俺は全然いいけどらっだぁは大丈夫なの?」
「うん。配信するならお前と一緒にやる」
急すぎるがなんだか嬉しい気もする。戸惑いつつもずっと玄関で立ち話をするのは申し訳ないので家へあげる。
持ってきた荷物を置き、2人でリビングのソファに座る。
「部屋、綺麗だな」
「らっだぁが来るって言うから急いで片付けたんだよ!」
「ありがとうな。そんでさ、話って何?なんかあった?」
自分の事を話すのは、思ったよりも勇気が必要のようで声が少し震える。うまく話せるかは分からないが、まずは話してみようと思う。
「あのさ、らっだぁってコメントとかで嫌なこと言われたらどうしてる?」
「うーん、基本的に俺の事貶してるリスナーがほとんどだからなぁ。悪意を持って送ってきてる訳じゃないと思うからいいんだけど、そうだねぇ。
まぁ、ちゃんと悪意を持って送ってきてるコメントは見つけても無視してるかな」
「そっか、そうだよね」
やはり気にしないのが一番。分かってはいるのに。
「じゃあさ、別の事考えればいいんじゃね?そういうのって完全になくなることはないから」
「別の事って例えば?」
「例えばねぇ…俺と遊ばん?」
“俺と遊ぶ”が意味深に聞こえる。
「全然いいんだけど何して遊ぶの?えっと、えっちなことはしないからね…?」
深読みしすぎてしまっただろうか。いずれにせよらっだぁには申し訳ないが、今日はそんな気分になれない。少し不服そうな顔をしてこちらを向く彼の姿を見て、深読みではなっかったなと思わず顔が綻ぶ。
急にあっといたずらを思い付いた子供のような声をあげ、彼が距離を詰めてくる。
「キスはえっちなことに入んないからな」
「えっ?」
そう言うと、驚いて少し開いた口を閉ざすまいと舌で口をこじ開けてくる。
「ふぁ、んぅっ…」
自分の声とは思えないほど甘い声が出る。全身が熱くなり、脳が甘く溶かされる。苦しい、息ができない。でも、不思議とやめたいとは思わない。この時間が続けばいいなと思ってしまう自分が恥ずかしく、さらに顔が赤くなる。
もう息が限界に近くなったところで、らっだぁの背中をトントンと叩くとようやく唇が離れた。荒くなった呼吸を整える。
「ッはっ、まだ終わってねぇぞ」
ようやく離れたと思っていた矢先、彼の唇とまた重なる。舌を入れられ、口内をすみからすみまで犯される。
途中で口を離し、また重ねる。
「なぁ、もっと俺に集中して」
そう言うと、下唇を甘噛みされる。
「い”っ」
チクッとした感覚の後から快感が襲ってくる。気持ちいい。離れないで、まだ続けたい。その思いで仕返しと言わんばかりに彼の口内に舌を入れる。
「んぁ、んうぅ」
耳を手で塞がれ、先ほど以上にわざといやらしい水音をたててキスを繰り返す。自分の嬌声と水音が脳内に響き、恥ずかしさでいっぱいになる。
彼の舌が口内の奥や手前、上顎の部分や柔らかいところなど全てを貪り尽くすように刺激される。
さっきまで心にずっと沈んでいた暗い感情を、この時間だけは忘れることができた。今はただ、この時間がずっと続けばいいという思いが頭の中を埋め尽くしていた。
何度も唇を重ね合わせたところでようやくちゃんと口が離れる。銀色の糸が二人の口から垂れ、プツンと切れる。
少し朦朧とする意識の中、彼の方へ目線を向けると満足したかのようににやにやと笑みを浮かべている。
意識がはっきりしてくると、先ほどまで自分達がしていたことを考えてしまい熟れたリンゴのように頬を赤く染める。
「気持ちよかった?」
そう聞かれ、言葉が詰まる。そんなことないと言ったら嘘になるが、かといって肯定もしたくはない。
「無視ってことは、気持ちよかったんだ?」
「ち、違っ!」
首を横に振り全力で否定するが、動揺で目が泳ぐ。
今の言動がどう足掻いても肯定しているようにしか見えなかった。
「ふっ、かわいいな」
「んぇ…?」
小声でそんなことを急に言って頭を撫でてくるから、腑抜けた変な声が出る。
「まぁさ、困ったことがあったら俺に相談してな。悩みごとなんて忘れるくらい”楽しいこと”でいっぱいにしてあげるからさ」
“楽しいこと”の意味を理解し、ゾクゾクッと背中に興奮が走る。
「んっ、あ、ありがと…」
「なに興奮しちゃってんの?ぺんちゃんえっちだなぁ」
「はっ!?そ、そんなことないし…!」
そんな会話をしながら最近の出来事を話したりしたり、ゲームをしたりして楽しい時間を過ごした。
「らっだぁー、先お風呂入ってくるわー」
「はいよー」
時刻は午後9時。楽しい人との時間はあっという間に終わってしまうんだなと実感する。
湯船に浸かりながら今日の事を思い返す。彼と過ごしている時間は、苦しいことなど考えずに過ごすことができた。そっと自分の唇に手を当てると、あのときの感触が少し蘇ってくる。
「楽しかったなぁ」
今は心からそう思うことができた。直接言うのは恥ずかしいし煽られそうなので言えないが、本当はいつも感謝している。
「ありがと、らっだぁ」
小声で呟いた言葉が、風呂の湯気と共に消えていく。
ふと、楽しげな話題から意識を逸らすと負の感情が全身を覆う。きゅっと心臓が縮まる音がした気がする。
本当は自分は必要ないんじゃないか、自分がいない方が皆は楽しいんじゃないか。どうしてもそう思ってしまう。
やめよう。自分と今の環境が嫌いになってしまうだけだ。
ポジティブな事を考えようとすればするほど、脳内は嫌な思考でいっぱいになる。
これ以上よくない思考へと行かないように急いで身体を洗い、泡を流す。すぐにでも隣に誰か来てほしかった。
きれいに身体の水分を拭き、タオルを首にかけ脱衣所を出る。
彼と目が合った瞬間、甘えたいという感情が強くなり思わず口にしてしまった。
「んっ、らだぁ頭撫でてぇ?」
「なに、今日はデレデレだねぇ?」
優しく頭を撫でてくる彼に、ぎゅっと抱きつく。
「まだ髪の毛濡れてんじゃーん。俺が出たら乾かしてやるからな」
「んー」
「じゃあ俺も風呂行ってこよっかなー」
「うん、いってらっしゃーい」
本当はもう少し撫でて欲しかったが、彼にも彼の時間がある。引き留めるのはやめよう。
誰かと、特にらっだぁと話すと心が落ち着く。
「ぺいんと、どうかした?」
「えっなにが?」
「ううん。なんか、思い詰めた顔してたから」
「そんなことないよ、元気だし」
「俺が言うべきじゃないかもだけどコメントとかの事、気にしなくていいからな。そう言う奴らは自分の事を見てほしいって送ってきてるだけだから。必ずしも本心じゃないってのを忘れるなよ」
「うん、分かってる。ありがとう」
思い詰めたような顔をしていただろうか。話題にも出していないのに自分の心を読まれたかのような呼び掛けに驚く。でもその言葉を聞いて、少しだけ心が軽くなったような気がした。
らっだぁが風呂へ行っているときは、極力考え事をせずイヤホンを耳につけ、音楽を聴く。常に平常心でなにも考えないで過ごすというのは思ったより難しいようだ。
彼が風呂から出た後、髪の毛を乾かし合い雑談をして過ごした。
「もうこんな時間か」
らっだぁが呟いたため時計に目を向けると、針がちょうど真上にあった。かれこれ2時間ほど話していたようだ。
「そろそろ寝ようかぁ」
口にするとどっと眠気が襲ってくる。閉じかけていた目を擦り、ベッドへ行こうと手を握って寝室へ向かう。
「ぺんちゃん、手あったかいね」
「んーそぉかなぁ」
そう言いながら二人でベッドに入り毛布を被る。
「電気消すよ」
「んぅーねぇらだぁ?」
眠気のせいでうまく呂律が回らない。
「なにー?」
「あのさぁ、ぎゅーってしてぇ?」
「もー、ほんとに甘えん坊だなぁぺいんとは」
自分のふわふわとした口調を真似するかのような話し方で、後ろからハグをされる。彼の温もりを感じる。
「眠いなら寝ていいよ?」
そう言いながら小さい子を寝かしつけるようにお腹辺りをポンポンと触る。耳元で囁かれるため身体がビクッと反応する。
じわじわと襲ってくる睡魔に身を任せ、そっと目を閉じる。隣にらっだぁがいるという安心感で、すぐに深い眠りに落ちた。
ふと、誰かに呼ばれた気がして目を開ける。今自分が立っている場所がベッドではないと認識するのに多少の時間がかかった。果たしてここはどこなのだろう。
目の前に人影が見える。シルエットからして男性だろうか。
『ら、らっだぁ?』
恐る恐る呼び掛けてみると、その人影は振り返る素振りを見せる。それはらっだぁだった。
『なんで、お前がここにいる?』
『えっ…?』
蛇に睨まれた蛙のように身体がこわばり、恐怖で声が震える。
彼の声は低く感情のこもっていない、どす黒い闇が広がっているような声だった。いつものらっだぁとは似ても似つかないような、まるでらっだぁの皮を被った別人のような、そんな気がした。
『お前の事なんて…』
と言いながら首に手を掛けられる。どうしよう、身体が動かない。バタッと大きな音を立て床に押し倒される。
『誰も必要としてねぇんだよ』
ヒュっと喉がなった。
いらない、やっぱそうなんだ。自分の事なんて誰も必要としていない。死んでも誰も悲しまないんだ。
『お前なんていらない』
『もうやめちゃえば?』
『他の人たちがかわいそう』
周りから、無数の声が聞こえる。呼吸が荒くなり、鼓動が早くなる。
馬乗りの状態になり、じわじわと首に込められる力が強くなっていく。彼のその目には光がなく、永遠と闇で埋め尽くされている。
『うう”っ、あ”っ』
苦しい、開いた口から唾液が流れる。まともに息ができない。このまま死んでしまうのだろうか。
でも、大好きな人に殺されるならいいかな、なんて思ってしまう。目を瞑り、意識が遠のいていくのを感じながら必死に呼吸をした。
「…ぃんと、ぺいんと!」
目を開けると、そこはベッドの上だった。今のは現実なのか?でも、らっだぁがそんなこと言うわけがない。夢だ。夢であってくれ。
「大丈夫か?」
恐怖と混乱で呼吸のしかたが分からなくなる。
「っっぁ”、あ”っ、う”ぁぅっ」
首を絞められたように息をする事が困難になる。
「大丈夫!?普通に息でき…ないよな。いっぱい息吸って?」
そう言いながら背中を撫でられる。しかし、またあの夢のように首を絞められるのではないかと思い、後ずさる。
「ぅあ”ぁっ、やっ、近づかないでっ、怖いぃ、嫌ぁっ俺ぇっ、まだ頑張れるからぁっ、いじめないでぇっ」
まだ、まだ頑張るから。お願いだから罵倒しないで。いじめないで。もっと皆に認めてもらえるように頑張るから。お願い。
いろいろな感情がぐちゃぐちゃに混ざり、止めどなく涙が溢れる。
「大丈夫。俺は怖いことしない。いじめたりもしない。大丈夫だから」
彼が言うその言葉が本当なのか、表面上だけの言葉なのか、出来れば前者であってほしいと願う他なかった。今は思考が混濁していて、正しい判断ができない。
「っう”ぁっ、っはぁっ…あ”っ」
まともにできない呼吸に焦りを覚える。
「大丈夫、俺を信じて。俺と一緒の呼吸、できる?」
「むっ、り…できっない」
ゆっくりと背中を撫でる彼の手は温かく、どこまでも深い闇のような恐怖はなかった。しかし、いくら呼吸を合わそうとしても、かえってさらに呼吸が乱れてしまう。見よう見まねで必死に呼吸を繰り返す。
「ぺいんとならできるよ。吸ってー、吐いてー。そうそう上手だよ。苦しいよな。でももうちょっと頑張れ」
「はぁっ、ご、ごめん」
「もう、大丈夫か?」
しばらく呼吸を合わせると、息苦しさもなくなってきた。
今目の前にいる人間は、らっだぁだ。当たり前なのだがとても安心する。あの夢のような底知れぬ暗闇はない。
「らっだぁっ、ごめんっ。ほんとにごめん」
「お前が無事でいてくれて本当に良かった。言っとくけど、俺はいつもお前の見方だからな?お前の事を悪く言うやつのことなんて忘れろ。俺が全部守ってやる」
「うんっ、ありがとう」
申し訳なさと嬉しさで涙が溢れる。本当に彼と出会えて良かった。
今度は何の躊躇いもなく彼に抱きつく。嗅ぎ慣れた彼の匂い。不思議と心が落ち着く。
彼の匂いをいっぱいに感じながら、ゆっくりと目を閉じた。
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