「しにたい、」
今日も今日とてインターネットにそう呟く。こんな醜い世界から、こんなに生きづらい世界から逃げて。
ぼくは幼稚園の頃から、
「なんで一人称”ぼく”なの〜? 」
「なんで”女の子なのに”ズボンなの〜?」
などと言われてきた。ぼくは男として生きたい。いわゆる”性同一性障害”だ。人と比較される、否定される、そんな苦しい世界でぼくは生きていた。苦しい世界の中で、一筋の光が差し込んできた。それはインターネットで繋がった子だった。その子は”ちあ”という名前だ。
「全然変じゃないよ〜?自分の生きたいように生きればいいじゃん!」
その子は初めて自分の事を認めてくれた。そんな優しい子に自分は恋をしてしまった。
1ヶ月後
「ゆきねく〜ん!」
そうぼくに画面越しに話し掛けてくれた。
「どうしたの?いつもよりご機嫌じゃん、」
「実は……彼氏が出来ました!」
ぼくは頭が真っ白になった。ぼくは少し考えて、
「…そうだよね。ごめんね。」
そう一言残して通話を切った。
その後、あの子から連絡がきていたがその連絡は何時までも既読になることが無かった_