brside.
僕は、ここ最近、シャークんと隣の席になったことがキッカケで、放課後や休みの日に一緒に遊ぶくらいの仲になった。
でも、やっぱり人を信じるのが怖くて、
好きなもののことは話せていない。
……いつまで、シャークんに話せないままでいるんだろう。
いつまで、隠したままなんだろう。
────いつまで、過去に縋っているんだろう……
そんなことを考えながら、今日も教室に入る。
br「……おはよぉございま〜す……」
br「……?」
……教室が、騒がしい。
静かに、クラスみんなが僕の方を見て、クスクスと笑い、コソコソと話している。
その声が重なって、騒がしく感じるんだろう。
MOB「……あいつさ……w」
MOB「男なのに女が着るような服着てたとかマジ?w」
br「……え……?」
この高校に小学校の同級生はいないはず……
なんで……
???「……あんた、私のこと忘れたわけ?」
br「……ぁ……朝比奈さん……」
……小学校のときの、同級生。
…………僕が、1度恋をした相手。
────きっと朝比奈さんが……みんなに言ったんだ……
br「……ク……クラスみんなに……言ったの……?シャークん……にも……?」
朝比奈「当たり前じゃない。だってあんた、男のくせに女が着るような服着てたなんて……」
朝比奈「……気持ち悪いもの」
br「………………っ…………」
…………僕が……この人たちに文句を言われる筋合いはない。
僕は“僕”なんだから。
それを誰かに証明しなきゃいけないわけじゃない。
そう、分かっているのに……
苦しい……
また、あの首を絞められるような感覚。
……上手く、息が出来なくなる。
br「はぁ…………っ……は……ぁ、っ……か……は……っ……」
br「……ひゅ……っ……はぁ……っ……」
sha「おはようございま……っ……!?Broooock!?」
br「……ぁ……シャ……クん……は……ぁっ……」
朝比奈「シャークんさん?わざわざこんなヤツ気にかけなくてもいいのよ?」
sha「……お前らには……関係ない……」
sha「……Broooockが何が好きでも、それが紛れもない“Broooock自身”だ。オレは気持ち悪いだなんて思わない」
sha「……Broooock、立てる?保健室、行こう」
br「……ご、めん……ありがとう……」
それが……“Broooock自身”……“僕自身”……か……
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shaside.
~前日の放課後~
朝比奈「シャークんさん、帰る前にごめんなさいね。少しいいかしら」
sha「朝比奈さん……なんですか?」
朝比奈「うちのクラス、Broooockってヤツがいるじゃない?」
朝比奈「……そいつ、小学校の時、男のくせに女が着るような服、着てたのよ」
朝比奈「それで、色んなヤツに『気持ち悪い』って言われて、被害者ヅラしてたの」
朝比奈「……そんな気持ち悪いヤツ、近づかない方がいいわ」
……は?気持ち悪いヤツ……?
オレは、ここの高校に転校してきて、何も分からなくて不安だったのを、Broooockに救われた。
そんなヤツを気持ち悪いだなんて、オレは全く思わない。
それに……
オレだって……“そう”だったから。
今度はオレがBroooockを、救いたい。
sha「…………あ、そうなんだ。知らなかった」
sha「じゃ。オレ用事あるから帰る」
朝比奈「さよなら」
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~次の日~
朝比奈さん、もしこのクラス全員に言ってたら……
きっとBroooockは……
でも、あの放課後だけじゃ全員には……
sha「おはようございま……っ……!?Broooock!?」
教室に入って最初に目に飛び込んできたのは、
苦しそうな顔をして、過呼吸になっているBroooockだった。
長いんで一旦切るのだ