side晴明
僕の名前は安倍晴明。
仕事を終え、帰宅していると、居眠り運転をしていた車に跳ねられてしまった。
我ながら運が悪いことで。
そんな僕は今、自分のお葬式に来ています。
みんな僕のために泣いてくれて、とても胸が暖かくなった。
それと同時にもうみんなとたわいもない会話や一緒にいれないことを思い出し、胸がとても痛む。
もし、こんな僕にも優しい神様がいるとしたらお願いします。
『もう一度、みんなに合わせてください。』
?「その願い叶えてあげようか?」
晴明「!?」
僕は、突然背後から話しかけられ鳥肌が立つ。
晴明「…どちら様でしょうか…?」
僕は、目の前にいる人に警戒心を向けながらそう問う。
?「そんなに警戒しなくてもいいのに〜あっ、ここじゃあれだから場所を変えよう」
パチン
晴明「!?」
そう言いながら、目の前の人は『パチン』と指を鳴らした。
それと同時にお葬式場にいたはずが、広大な原っぱ、木道が続く静寂な空間、そして雲海が広がる、神々しい自然がある所に何故かいた。
晴明「ここは…」
僕は、ここがどこかなのを把握するために辺りを見渡す。
?「ここがどこかなのか気になる?」
僕はそう問われ、コクリと頷いた。
?「じゃあ教えてあげる!ここは、高天原。神々の世界だよ。」
晴明「!?」
僕は、そう言われ目を見開いた。
?「あはは、驚いた?」
晴明「…(そりゃそうだよ!? だって高天原だよ?びっくりしない人なんていないでしょ!)」
僕は、心の中でそう叫ぶ。
?「まぁ当たり前だよね〜この状況で、驚かない方がおかしいもん。」
晴明「…結局誰なんですか…?」
僕は再度、そう問う
?「嗚呼、自己紹介がまだだったね〜僕の名前は…」
アマちゃん「天照大御神。最高神で、太陽を神格化した太陽神であり、高天原を統べる主宰神だよ〜アマちゃんって呼んでね!」
晴明「!?」
僕は彼の正体を知り、鳥肌が立つ。
だって、あの天照大御神だよ!?
というか、一番偉い神様がこんなに緩くて大丈夫か?
だがそんなことよりも最も気になることがある。
晴明「そんなお方が僕に何の用ですか…?」
そう、なぜそんな偉い神様が僕になんのようなのか。
なにか裏がありそうだ。
アマちゃん「そんなかしこまらなくていいのに〜君は僕の恩人なんだから。」
晴明「…?」
僕は、彼が何を言っているのか分からなかった。
なぜなら彼と会ったことがないからだ。
晴明「僕たち、どこかであったことありましたっけ…?」
僕は、首を傾げながらそう問う
アマちゃん「まぁ覚えてないよね。君が子供の頃の話だもの。」
晴明「…その話、詳しく聞かせて貰えませんか?」
僕は、そう彼に頼む
アマちゃん「全然いいよ〜これは、僕が人間界に遊びに行っていた時のこと━━。」
sideアマちゃん
アマちゃん「やっぱり人間界はいつ行っても楽しいな〜!」
僕の名前は天照大御神。
でも言うのがめんどくさくて、アマちゃんっていつも言っているよ!
アマちゃん「なんか面白いことないかな〜」
そんなことを思っていると…
?「なぁそこのお前ちょっと待てよ」
アマちゃん「?」
僕は、呼ばれたので、後ろを振り向くと、金髪でガラが悪い人が何人も僕の前に立っていた。
アマちゃん「どちら様ですか?」
僕がそう問うと、先頭に立っていた男が、名を名乗る。
嵐「俺の名前は鬼塚嵐。鬼塚組の息子だ。痛い目見たくなかったら金をよこしな。」
嵐という男は、僕を見下しながらそうゆう
アマちゃん「ごめんね〜。今、お金持ってないんだよね〜」
僕はそう答える
嵐「チッ くだらない嘘つきやがって。お前らやれ。」
そう言い、僕に殴りかかってきた
アマちゃん「痛っ、何すんの」
僕は、彼を睨む
嵐「うるせぇーよ。だいたいお前が嘘をついたのが悪いんだろ。」
アマちゃん「嘘なんかついてない!」
僕は、そう反論する
嵐「ははっ!だいたいそう言う奴は、嘘ついてるんだよ!!」
ボコッ
アマちゃん「痛ッ…(泣)」
僕は、恐怖と痛みで涙が出る。
嵐「泣いてやんのw お前らもっとやれ!」
アマちゃん「(誰かッ…)」
僕は、叶いもしない願いを心の中で叫ぶ
?「何してるんです?」
その場にいる人『!?』
その場にいる人たちは突然、声が聞こえたため、動きが止まる
嵐「何の用だクソガキ」
そんな中、嵐が子供に声をかける
晴「晴は、クソガキって名前じゃないんです!ちゃんと晴っていう、お母さんがつけてくれた大事な名前があるんです!」
その子供はそう彼に抗議した
嵐「そんなことはどうでもいいんだよ。あっ、ついでにお前もたっぷり可愛がってやるよ」ニマ
アマちゃん「ッ!逃げろ!!殴られる前に!!」
僕は子供に痛い思いをさせたくないがため、必死にそう伝える
晴「どゆことです?」
まだ子供なため、理解できていないようだ。
アマちゃん「ッ…君の目の前にいる人達はとっても悪い人たちなんだ!!だから今すぐ逃げろ!!」
僕は、子供でもわかりやすく手短に伝える。
晴「なぬ!じゃあお兄ちゃんはどうしてこんなとこにいるんです?」
アマちゃん「いいから早く逃げ…」
ボコッ
アマちゃん「痛ッ…」
嵐「余計なこと言ってんじゃねぇよ」
嵐は僕を思いっきり殴る
晴「っ!そこのお兄ちゃんいじめちゃ、めっ!!」
ピカ
その場にいる人『!?』
子供が起こると同時に謎の光が僕たちを照らした。
嵐と仲間達『ギャァァァァァァァ』
アマちゃん「力がッ!?」
僕は、急に力が入らなくなり困惑する。
晴「お兄ちゃん!大丈夫やねんです!?」
晴は、僕に駆け寄る
アマちゃん「大丈夫…ってあいつらは…」
僕は、疑問に思う。
何故さっきまでいた人たちがいなくなっていることに。
心当たりといえば…
アマちゃん「君、さっきの力は何…?」
これしか思いつかない。
だって、この子が変な力を使ったあと僕は、力が入らないし、その力を浴びて嵐たちは、悲鳴をあげ、姿を消していた。
晴「晴は何もしてないですよ?」
アマちゃん「…」
僕は、目の前の子供に警戒心を向ける
だって、この子はとても強力な力を持っている。
警戒しない人なんているんだろうか。
いるとしたら、怖いもの知らずか、ただの変態ぐらいだな
まぁとにかく、早くこの場を去った方が良さそうだ
アマちゃん「痛ッ」
僕は、その場を去ろうと、立ち上がると、さっき殴られたお腹が痛む
晴「ッ!大丈夫やねんです!?晴のお母さん近くにいるから、お兄ちゃんはそこで待っててやねんです!」
ダッ
そう子供が言うと、自身の母を呼びに行った。
アマちゃん「なんで、他人を助けるんだ…?」
僕は、そう疑問に思う。
だってそうだろ?さっき知り合ったばっかで、助ける義理もない。
アマちゃん「なんで…」
そう考え込んでいると、子供が母親らしき人と走って戻ってきた。
ママ明「大丈夫ですか!?」
子供の母親らしき人が僕に、駆け寄ってきた
アマちゃん「大丈夫…」
僕は、本当は痛くて辛いが、何者か分からないため、嘘をつく
ママ明「大丈夫そうじゃないじゃない!病院に行きましょ!」
アマちゃん「本当に大丈夫です…」
僕は、病院に行くのを否定する。
ママ明「…本当に大丈夫ですか…?」
アマちゃん「嗚呼。これぐらいすぐに治る」
これは嘘では無い。
僕は神様だから、人よりかは回復力はある。
晴「お兄ちゃん!晴がお医者さんの代わりに治してあげるやねんです!!」
そう言うと子供は、僕のそばに座ってあるおまじないをかけた。
晴「いたいのいたいのとんでけー!!はい!これで痛くないでしょ」ニコ
アマちゃん「ッ!…ヴゥ (泣)」
僕は、子供…いや晴が向けてくれた太陽みたいな笑顔を見て涙が出てきた。
ママ明「よしよし。頑張ったわね!」
ギュッ
そう言いながら僕を優しく抱きしめる。
晴「晴も!」
ギュッ
晴も僕を優しく抱きしめる。
嗚呼
こんな気持ちは初めてだ
アマちゃん「ありがとう」ニコ
僕は、晴に笑顔を向ける
晴「!治ったんです?」
アマちゃん「うん。君のおかげで体も心も痛みがどっかいったよ」
晴「?それは良かったやねんです!!」
晴はまた僕に笑顔を向ける
アマちゃん「貴方もありがとうございます」
僕は、晴の母親にも感謝を伝える
ママ明「ふふ、どういたしまして」ニコ
晴の母親も僕に笑顔を向ける
アマちゃん「じゃあ僕は、自分の家に帰ります。ありがとうございました!」
そう言い僕は、立ち上がる
ちょっと傷が痛むが…
晴「お兄ちゃん行っちゃうんです…?」
晴は、僕に行って欲しくないと訴えるように目に涙を貯める。
アマちゃん「…うん。でもまた会えるよ!」
これは嘘じゃない。
だって君は僕の恩人だ。
どんな手を使っても会いに行く。
晴「っ!ほんと?」
アマちゃん「うん!」
晴「やったーー!!」
僕は、晴の姿を見て、自然と口角が上がる
アマちゃん「じゃあまたどこかで」
そう言い僕は、その場を去った━━。
side晴明
晴明「…」
僕は、この話を聞いて全て思い出した。
まさかあの時の人が天照大御神だったなんて…
アマちゃん「思い出した?」
晴明「はい、完璧に思い出しました。」
僕は、そう答える
アマちゃん「そっか〜覚えてないかと思ってたよ〜」
晴明「…で、僕になんの用でしょうか…?」
僕は、そう彼に問う
アマちゃん「あっ!まだ言ってなかったね!僕は、君の願いを叶えてあげようと思ってるんだ!」
晴明「っ!本当ですか!」
僕は、目を丸くしながらそう彼に問う
だって僕の願いは叶わないと思っているから
アマちゃん「ほんとだよ!みんなに合わせてあげる!」ニコ
そう言いながら太陽みたいな笑顔を僕に向けた
アマちゃん「でも条件があるんだ」
晴明「条件とは…」
僕は息をのむ
アマ「何、簡単なことだよ!君は沢山の人を救う事!ねっ簡単でしょ?」
晴明「簡単、か…?ていうかどうやって僕をみんなに合わせるんですか?」
僕は彼をまっすぐ見ながらそう問う
アマちゃん「えっとね〜君には…」
僕は呼吸が浅くなる
アマちゃん「神様になって、逆行してもらいま〜す!!」
晴明「はぁぁぁぁぁぁ!!」
僕は驚きのあまり叫んでしまう。
だって神様になって逆行するって言われたんだよ!?
誰でも僕と同じようになるだろう。
アマちゃん「あはは、驚きすぎwまぁてことでいってらっしゃい〜」
彼がそう言うと同時に光に包まれる
晴明「!?」
僕は、光に包まれると意識を失いかける
アマちゃん「これは僕からの恩返しだ。なんの神様になるかはお楽しみだよ〜」ニコ
晴明「(いや、教えろよ!!)」
僕は、朦朧とする意識の中でもそう文句を言う
アマちゃん「さぁ晴明…いや、新たな天照大御神。君がこれからどう生きるか楽しみだ」
何か言ったのはわかったが、なんて言ったのかは聞き取れなかった。
晴明「(なんて言ったんだろう…)」
そう疑問に思いながら僕は、意識を失ってしまった━━。
コメント
3件
これはめっちゃ気になるは‼︎ ♪───O(≧∇≦)O────♪ ( ◠‿◠ )
これは素敵なお話しな予感が…!晴明君が逆行すると言うことはもしや平安時代まで行くか?✨続き楽しみにしてます!