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私は…皇帝陛下に惹かれ始めていた…
それに気づいたのは、最近寂しい、と、彼に会いたい、と、思うようになってからだ。
私の気持ちは一割から三割まで上がっていた。
だけど、それを伝える事は恥ずかしくて中々出来なかった。
そんな中珍しく多忙の陛下が私の部屋にお泊まりになった。
私たちは楽しく夕飯を食べて、ベッドで肩を寄せ合った。
「なぁ…」
「はい?」
「そなた、ここに来る前には、そ、その、好きな人などいなかったのか?」
そう陛下は聞いた。
そんなことを聞いて何がしたいのだろうか…?
しかし、私はとりあえず答えた。
「いいえ、居ませんでしたわ。」
本当の事である。
「そ、そ、そうか!
では、その口付けたりするのも…」
「今世では陛下が初めてですね。」
「そ、そ、そうか!
ん?
待て待て、今世ではと言う事は、前世では?」
「私には恋人がおりましたのよ。
はっきりとは覚えていませんけれど、優しくて穏やかな人でしたわ。
でも、私は事故で亡くなってしまった。
残されたその人はさぞかし悲しかったでしょうね…」
「そ、そ、そうか…
そなた、今でも其奴のことを…!
その…」
「うーん、はっきりと答えるならば、いいえ、ですわね。
もう、私には好きな人が居ますから。」
「な、なに!?
それはどこのどいつだ!?」
天然ボケを炸裂する陛下のおでこに、私は軽くキスした。
「それは…少し天然で、熱き心を持ち、世を正そうとする…可愛い人ですわ。」
「か、か、可愛いと言うのは…
褒め言葉にならんだろ…!?
俺は皇帝ぞ…?」
「陛下は、人の痛みを知ってらっしゃいますわ。
弱い人を助けようとする心もまたある。
そして…人を愛する気持ちも…
そこが可愛いんですのよ。」
「そ、そ、そうか…
そなたがそう言うならば、それでも良い気がする…」
「ふふふ。
陛下にお伝えしたいことがございます。」
「なんだ?
別れ話なら応じぬぞ。」
「違いますわ…
私の気持ちは今は三割という事です。」
「!?
誠か!?」
「えぇ…
悔しいですけれど、ね。」
私は微笑んだ。
陛下はそんな私に優しく口付けた。
「そなたが可愛い過ぎてならぬ…」
「眼科に行かれては?」
「返事が可愛いくない!」
私たちはシーツの中で笑い合った。
そして、繰り返し、繰り返し、口付け合ったのだった。
甘い夜はまだまだ続いていくようだ。