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こんにちは、ねこもみじです!
マイバースデーということで、お久しぶりの天神様の番外編です·͜· ❤︎
注意
・青桃
・エセ関西弁
・『おれの天神様』の番外編のお話
・御本人様とは関係ありません
ーーーーー
「…いつまで寝てるんだよ」
すやすやと気持ちよさそうに寝ている桃髪を上から見下ろしてその言葉をそっと降らした。
天界というのは想像以上に暖かいもので、眠くなるのは分かる。でも……
「お前昨日も一日中寝てたやん」
可愛い寝顔で寝るもんだから起こしにくいし、寝顔を拝むのもいいな、なんて思いで昨日は思い切り寝させてやったものの、2日間寝るとなればわけが違う。
「俺お前しか話し相手おらんのやって、ないこ起きて」
ゆらゆらと体を揺らしてみても全く起きる気配がない。普通そんな寝てられるんか?
……もしかして、前みたいに目覚めなかったりして。
そんな思考がぐるぐると回り始め冷や汗が首筋へと伝う。
いや、大丈夫。ただ寝ているだけだから。……大丈夫だから。
「ないこ、なーいこ、はよ起きてや」
「……起きんとちゅーしてまうぞ」
起きたらいいな、なんて思ってほんのした出来心で冗談を口にした瞬間、ぴくりと耳が動いたのを感じた。
よく見れば、先程よりも口角が上がっているような…?
まさか……
「……ないこ、ほんまは起きとる?」
ずいっと、ないこに近づくと瞑っていた瞳がゆっくりと開かれて宝石のような桃色の瞳がこちらを見つめる。
「バレちゃった?」
「『バレちゃった?』じゃないやろ!!いつから起きとったん!?」
はよ答えろ、そんな意味を含めないこの頬を横に引っ張る。そうすると「俺が悪かったから引っ張らないで」と観念した。
「…実は昨日からずっと起きてたんだけど……」
「え、ほんまに??」
「まろがいつ起こすのかなーって思って寝てるフリしてたんだけど、体感何時間か経っても起こしてくれないし、なんなら『ないこかわいい』『寝顔ずっと見てられる』とか言って起こす気配が全くなかったんだもん」
言われてみれば確かにそんなことを言ったような覚えもある。
それにしても……
「そうやとしても驚かせるなよ、心臓止まるかと思ったわ」
ほんまに心臓に悪い……ないこは人間の頃の記憶は無いはずだから知らないだろうけど、目覚めない間どれだけ不安だったことか。
「次したらもう構ってやらんからな」
「えー?そんなことまろに出来るの?」
わざとらしく口を片手で覆いぷぷぷ、と笑ってくる。
「俺が居ないと退屈で仕方ないと思うんだけどなぁ」
ふわりと浮いた身体に付いているその大きなしっぽはからかうのを楽しそうにするのが丸わかりなほど揺れ動いていた。
「……さあ?そうかもな」
「…ふふ、照れた?」
「照れるわけないわ!!」
頬が紅潮しているのを隠すかのようにないこを全力で追いかけ回した。
「……それにしても、今日は何しよっか」
「もうさっき追いかけっこしたから十分やない……?」
体力があまりない俺からしたらないことの追いかけっこはその後何も出来なくなるくらい疲れ果てるものになる。
呼吸を何度も深く繰り返す俺とは対照的にないこはまだまだ動き足りないようだ。
「のんびりした時間もありやと思うけど」
「……それもそうだね、今日はのんびりの日にしよっか」
そう言っていつものように手を差し伸べてくるから、俺もそれに応えるように手を握り返した。
二人で宙に浮く。
何度浮いてもこの浮遊感は独特なもので、でもその浮遊感が心地良かった。
そして蓮華が浮くの池の周りに座ったかと思うとないこは草の上に寝そべった。
寝そべったその先に何かがある訳でもないのに、その桃色の瞳はじっと何かを見つめている。
「ないこ何やっとるん?」
「うん?違う世界を探してるの」
「『違う世界』……??」
「まろもやってみてよ、ほら」
そう言って引っ張られると柔らかい草の上にダイブする形になる。
寝転んでみてもそれと言って特徴的なものはない。ただ草木に揺れる花とここ一帯を明るく照らす太陽。ないこがそこに居るだけ。
でも__
「当たり前の日常でも、ほんの少し…1mm、1cmでも見方が変わったら新しい幸せに出会えるんじゃないかなって」
「急に深いこと言うやん」
「たまにはいいでしょ?」
「どうせ俺達の旅路は一生続いていくんだから」
「……そうやな。」
ぱっと花が咲いたようにと笑うないこからどうしても目が離せない。
『一生』という言葉はずっと俺達に付いてくるんだろう。
一生の相棒。一生の旅路。……一生の幸せ。
『時間は有限だから美しい』と人間は言うけれど、無限の時間だからこそ見いだせる幸せだってあるだろう。
それを知らないのは有限の時間のみを知る者達だから。
「俺達はずーっと旅をして、のんびりした時間を過ごして、笑ったり泣いたりしながら一生を過ごすんだよ」
未来を当たり前のように淡々と話していくものだから思わず笑みが溢れてしまう。
「なるべく泣きたくはないけどな」
「泣くってそういう意味じゃないよ。新しい何かに出会ってた感動して泣くんだよ」
その瞳には揺るがぬものがあるのが分かった。
「そのためにはまろが必要ってわけ」
「俺の幸せにはまろがいないと成り立たないからね」
恥ずかしげもなくさらっとそんな言葉を口にする…ようにも見えたが耳がほんのり紅く染まっているのを見逃しはしなかった。
「散々俺に『照れてる?』なんて言ってたくせに、ないこの方が照れとるやん」
「俺は別に照れてないし」
「はいはい、照れ屋なところもかわいいよ」
頭を撫でるとしゃらん、と鈴の揺れ動く音が響く。今までの思い出を振り返っていくように。出会った日を思い返すように。
こんなたわいのない話もいつの間にか当たり前になっていて。でもそんな当たり前にすぎてゆく日々の中にある小さな幸せが輝いて見えて、その幸せの中には必ずないこがいるんだ。
限りなく広い世界でないこに出会ったこと、人々はそれを『奇跡』呼ぶが、 奇跡なんかじゃなくって『運命』だって信じたい。
「……ないこ、」
「ん?なぁに」
呼びかけるとその桃色の瞳は俺色に染まっていくのが堪らなく好きだ。
「俺はないこさえ居てくれれば幸せだよ」
「へぇ、随分重いこと言ってくれるじゃん」
「そうかもな、でも満更やないやろ?」
「んふ、その通りだよ。大正解」
「ないこのことなんて分かりきっとるからな」
……だから、ずっとずっと傍に居てくれ。
お前のことは俺にしか分からないし、俺のこともお前にしか分からないから。
恋なんて愛なんて……そんな言葉では表しきれない。
運命共同体のような俺達だから、何百、何千の時を超えても些細なことで笑いながら過ごしているんだろう。
そんな近くて遠い未来に思いを馳せて、もう二度と離すまいとないこの手を握りしめた。
コメント
9件
まじ可愛いじゃーん👶🏻💘 癒やしすぎるこれこそ「幸せ」だったりもするのかな? 有限の幸せと無限の幸せか…考えたことなかったな💭もみじちゃんのお話を読んでると、「考えた事なかったな」って事が出てきたり、まだ出会ったことのない言葉に出会えたりするから楽しみながらお勉強にもなるんだよね🎶 私が考える幸せは、辛いことがあったとしても、少しでも楽しいことが出来る環境に居ることなのかなって思ってみたりもします!
とある曲の歌詞から引用すれば『世界中を探しても見つからない』とか。そんな言葉がぴったりの「幸せ」というテーマで、天神様の幻想的な世界観×ねもちゃんのふわふわ癒し空間がとってもマッチしてて読んでて心が浄化されてました💞 天神様とは違って、有限の世界で生きるわたしたち。その世界で、少しでも幸せを感じられたら、きっとそれだけで幸運なんだろうね😌 これからも、ねもちゃんワールド全開の作品を楽しみにしつつ、さくらあんとも仲良くしてくれると嬉しいです💖💖
エモと尊いが混ざって爆発してる(( 本当にもみじちゃんの言葉の表現が好き😖🫶 「幸せ」、ねぇ… あまり考えたことなかったな。 今こうして生きていて友達と一緒にいれる今が幸せなのかもな。