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「刺されるなら」
注意
キャラ崩壊注意
キルみる
不穏
ドロドロ
血の表現有
嘔吐表現有
グロい
少しモブいる
本人様には一切関係ありません
大丈夫な人はスタート
動画編集をしていた僕の元にひとつのメッセージが飛び込んできた
リオラからだ 今度の撮影の話かなとスマホを開いてLINEのアイコンをポチっと手で押すとそこには衝撃的なことが書かれていた
「みるとんが刺されたらしい」
ありえない、と思った
と同時に どこの誰だという興味も湧いた
だがそんなこと考えている場合ではない
病院に向かわなければ
リオラに病院の場所の地図を送って貰ったあと
地図を見ながら病院まで走った
息を切らして看板を見ると
大きく○○総合病院と書かれていた
そこには大きな建物があった
ドンと佇む病院
この中にみるとんはいるのか
リオラに病院着いたよとLINEしたあと
その大きな建物に吸い込まれるように入った
病室に着くともうコウちゃんやぐりげんがいた
ぐりげんは目を腫らしていた
沢山泣いたのだろう
リオラは「やっときたか」と言い少し微笑んだ
「それよりみるとんは、」と聞こうとした瞬間
みるとんは目を覚ました
ぐりげんはみるとん!と叫び抱きついていて
コウちゃんは小言を言いつつも安心した顔をしている
リオラは怒ったような顔でみるとんを叱っていた
ふとみるとんの顔を見る
みるとんはいつもの、僕たちが知っている表情をしていた
なら、刺された時はどんな顔をしていたのだろう
僕たちが知らないような顔をしていた?
苦痛に顔を歪め、冷や汗で濡れる頬に鮮やかな赤色の血をまとっていたのだろうか
その顔を見ていた人はどんな気持ちだったのだろう
刺された時は どんな気持ちだったのだろうか
犯人は知らない 逃げたらしい
別に犯人が憎いわけではない
ただ気になるのだ
刺された時の感情と…みるとんの顔が
そんなくだらないことを考えていると
「キルハ」
みるとんに名前を呼ばれた
キルハ「どうしたの?」
みるとん「なんかぼーっとしてたけど、どうしたの?」
みるとんは心配そうに僕の顔を眺めている
その吸い込まれそうなほどの美しい金色の瞳に僕は捉えられている
そう思うと無性に胸がドキドキした
そしてつい口に出てしまった
キルハ「…みるとんって綺麗な瞳してるよね」
みるとん「…え、」
みるとんはびっくりしたような 拍子抜けしてしまったような そんな顔をしていた
リオラもコウちゃんもぐりげんも
皆の声が霞む
今はみるとんしか見えない
恋は盲目とはよく言ったものだ
盲目どころじゃない
何も見えないじゃないか
まぁだからこその盲目なのだろう
シーンとした病室
沈黙を風がかき消していく中
みるとんが口を開いた
「…ありがとう」
その顔は少し照れたような、恥ずかしそうな表情だった
不覚にもきゅんとしてしまった
みるとんはそれきり下を向いたまま黙ってしまった
リオラがそれを見てからかっていたがそれでもみるとんは頬を少し赤く染めて黙ったままだった
それから夕日が差し掛かった病室を眺めながら皆帰る支度をしていた
「また来るから」
そういい振り向かずに病室を出た
リオラたちは楽しそうに話しながら歩いていたけど
僕はあの時の少し赤く染った君の顔が頭から離れなくて
どうやってここから家まで帰ったのかも覚えていないくらい
あの時の君の顔が僕の記憶に残った
夕飯も全て済ませたあと
配信部屋でボーッと黄昏ていた
あの顔が頭から離れなくて
スプラにも集中できない
どうして
いつもならすぐに忘れられるはずなのに
みるとんの顔なんて…
ふと外を見る
今日は月が綺麗な日だ
満月が夜の闇を照らすようにキラキラと光っている
そして満天の星がチカチカと満月に負けまいと輝く
風も冷たいけれどなんだか心地よくて
なんというか今日は凄くいい夜なのかもしれない
みるとんもこの景色を見てるのかな
病院の窓越しに
綺麗、と思ってるかな
その瞬間流れ星が現れた
キラキラと嵐のような速さで過ぎ去っていった
あ、願い事言えばよかったな…
「くしゅん」
少し体が冷えたかな
風邪をひくと困るしこれくらいにしておくか
窓を閉めてカーテンまでかけた
キルハ「…あ〜…編集やんなきゃ…」
そんなことをボヤいてパソコンを開いた
今度の動画の編集
この動画はかなり気合を入れたものにしたい
リオラにこないだ編集のコツを教わったのでそれを実践してみる
この時のここのセリフはカットして…
それからここは…
あとこことこことここと…
カタカタカタカタ…
タイピングの音とBGMが部屋に響く
あとたまに妹が最近聴いてる曲の歌詞がうっすらと聞こえるくらい
静かな空間?とは言えないだろうけど僕にとってはこれが落ち着く
今日でこの編集は終わらせてしまおう
そう張り切りながらカタカタカタカタと指を動かした
キルハ「はぁ…終わった…」
気づけばもう深夜二時。
流石に集中しすぎた
目が疲れた…お腹も空いてきたな
夜食…なんかないかな
リビングの電気ももう消えていて
妹もみんな寝てしまったんだとわかった
今はリビングには僕一人
僕の足音だけが聞こえる
キッチンにはカップ麺が用意されていた
しかも僕の好きな味
母さんが買ってくれたんだ
嬉しいなぁ…ふふ
キルハ「これ食べよ」
そういいやかんを用意して
火をつけた
待ってる間にこないだの動画のコメント欄を見よう
やっぱりコメント欄を見ると今後の励みになるし参考にもなる
面白かったとかここめちゃくちゃいいとかのコメントも嬉しい
あぁ…僕リスナーに愛されてるなぁ…
…ん?
「みるとんいつか刺されそうで草」
…刺されそう…
そっか
この人は予言していたんだ
みるとんがいつか刺されそうなことを
当たってて凄いなぁ…
まぁ当たって欲しくはないと思うけど
プシュー!!
やかんが煙とともに吹き出す
キルハ「あ!やばいやばい…止めないと」
熱湯が吹き出す直前に火を止められた
そしてカップ麺にお湯を注ぐ
ゴボボ…とお湯が沸騰する音
それと同時に浮かんできた具
そのうちいい匂いが鼻をつついた
そしてここから三分待ったら完成だ
深夜のカップ麺ほど罪深いものはないな
あぁ…背徳感がすごいなぁ…
…背徳感…背徳感か
みるとんを刺した犯人もこんな感情だったのだろうか
人を刺すなんていけないことなのに
それなのにみるとんを刺した
みるとんだから刺してもいいかなんて発想にはならないはずだ
だってみるとんとその人はきっと他人同士なのだから
じゃあなんでみるとんを狙って…
というか刺した時に罪悪感に陥らなかったのだろうか
なんてことをしてしまったんだとか
みるとんから飛び散る鮮血を見て 吐き気を催してしまったりとかしなかったのかな
だったら僕にも…人を刺せる?
罪悪感も何もないのなら…
僕にも…みるとんを刺すことができる?
あの金色の瞳に銀色の刃を向けられるのか
アイツよりももっと深い傷を…
消えないくらいの深く 傷を…
「…にぃちゃん!!おにぃちゃん!!!」
「おにぃちゃん!!!!」
キルハ「っ!」
あ、れ?僕、何しようとしてた?
「なんで包丁持ってんの!?」
「え、」
僕の手にはしっかりと包丁が握られていた
ドッと冷や汗が吹き出す
どうして?いつから?
てか何しようとした?
深夜テンションだった
変な衝動に駆られそうになった
怖い、なんで?どうしてこんな
あ、やばい…気持ち悪い
キルハ「うッ…」
お゛え゛ッ゛ッ゛…
ベチャベチャ…
「おにぃちゃん!?大丈夫しっかりして!!」
キルハ「はー…はー…」
僕は、なんて考えを持ってしまったんだ
人なんて刺しちゃダメに決まってるのに
ましてやみるとん…好きな人を刺すなんて
そんなこと、あってはならない事だ
なのに、なのにとうして…どうして
どうしてあの黒い思想が頭から離れない?
どうして…まだみるとんなら刺していいかというこの醜い思考がこびり付いているんだろう
本当に気持ち悪くて
本当に…魅力的だ
結局カップ麺は食べれなくて捨ててしまった
好きなやつだったのに勿体ないことをしたな
妹にはしこたま説教をされた
二度と包丁に触るなとか色々言われた気がしたけど忘れてしまった
さっきからずっと耳鳴りが酷くて
両耳がまともに聞こえない
変な汗のせいで全身びちょ濡れだし最悪な気分
そして極めつけに気持ち悪いのだ
ずっと吐きそうなのに吐けない状態が続いていて動けない
顔色も妹いわく真っ白だという
熱も測ってみたけれど平熱だった
一応胃薬を飲まされたけど一向に楽にならない
いっそもう吐いた方が早いのだろうか
そう思いトイレまで何とか足を引き摺って来た
だがいくら便器と向き合っていても吐けなくて
ずっとずっと苦しいまま
早く開放されたい…
いっそ指突っ込んでみようか…
うぅ…気持ち悪い…
苦しい…
だけどどんなに苦しくてもあんな衝動には支配なんかされない
黒くて醜くて少しだけ魅力的な衝動には屈しない
みるとんを守るためならどんなに体を犠牲にしたっていい
絶対に屈しない…
儚くて美しくて可愛いみるとんは
僕が絶対に守り抜く
続く
最後まで読んでくれてありがとう!
初のノベル楽しかったです!
また次回!またね!
̗̀(⌯ˊᗜˋ⌯) ̖́-