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目が覚めた。あたりは、暗かった。
夜か。
さっき見た夢は、この前にも見たものだ。
だけど、前見た時は…
アイツらに落とされたような…
でも、今回は助かった。
その前に見たのも、
化け物のような何かは出てこなかった。
やっぱり、不安のせいだったんだろう。
そういえば、だいぶ前からだけど、考えた時になっていた頭痛はもうなくなっていた。
そして、
最後のは…
上半身を起こした。
と、
ガラガラッ
扉が開く音が聞こえた。
けど、
誰も入ってこないみたいだ。
そして、閉まった。
目を凝らすが、誰もいない。
⁉︎
え、何?
なんだ?
琥珀さん?それとも茜さん?
2人は、隣で寝ていた。
なら、
如月さんか桜乃さんか、
もしかして、花咲さんか?
だけど、何も音がしない。
逆に、出て行ったのか?
『・・・』
怖っ。
何だったのか、わからなかった。
『甘ちゃん、目、覚めたの?』
ビクッ‼︎
声すら出なかった。
耳元で声が聞こえた。
ゆっくり、振り返る。
と、
あぁ、
茜さんが目を覚ましていた。
『ごめんなさい、驚かせちゃったかな。』
心臓が止まるかと思った。
『大丈夫だよ。』
小さな声で言った。
『ごめん、起こしちゃったかな、』
『ううん、ちょっと…』
茜さんが、少し寂しそうな顔をしていた。
『何かあったの?』
『夢を見たの。』
夢?
もしかして、記憶の?
『楽しそうな2人と、すごーく綺麗な、景色が見える、展望台で、‘星‘を、いっぱい観た夢。』
素敵な夢だ。
だけど、
記憶とは関係なさそうだ。
この島でも、綺麗な景色が見える展望台はあっただろうか。
『いつかみんなで、見れるといいな。』
そういうのもいいかもしれない。
『そうだね。』
茜さんが、まだ寂しそうな顔をして言った。
どうしたんだろう。
だけどすぐに、笑顔を見せてくれる。
そのあとは、松葉杖を使って歩き、
窓から景色を見た。
こちら側は、海が見える。
波の音が心地よい。
暗闇で光る月と星。
海に反射して、そこでも光っている。
静かだった。
『私、星が好きなの。』
『そうなの?』
知らなかった。
『うん。キラキラしてて綺麗だから。』
たしかに、夜空に浮かぶ星たちはキラキラしていて綺麗だった。
『ーーー』
茜さんが、何かを言った気がした。
『♪〜』
綺麗な歌声。
茜さんが、歌を歌っていた。
この景色に似合う、優しくて美しい歌。
聴いているだけで安心するような、落ち着けるような。
そんな歌を、しばらく聴いていた。
そうしているうちに、
日が昇る。
空が、明るくなる。
けど、
星が消えていく。
『この歌、好きなの。』
いつのまにか、歌が終わっていたようだ。
茜さんが、こちらを見ていた。
『美しい歌だったよ。』
僕も、茜さんを見る。
『ありがとう。この歌は、“painful“だよ。』
茜さんが、笑顔になった。
その笑顔を、太陽の光が照らした。
茜さんの笑顔も、キラキラしていた。
painful、か。
どんな意味なんだろう。
歌を調べるついでに、意味も調べてみよう。
スマホを取り出して、
ペインフル?だったかな?
検索する。
え、
出てきたのは、
.painful.
日本語:痛い、苦しい
『・・・』
そんな意味だったんだ…
悲しい歌なんだ。
茜さんは、この意味を知っているのだろうか。
茜さんを見る。
茜さんは、遠くを見つめていた。
悲しそうに見える。
どこか、いつもと違う気がする。
茜さんは、大丈夫なんだろうか…