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紗姫は、学芸員として博物館に復帰した。
特に貴重な文化財はなく、来客が少ない博物館だったが、いまは違う。
日本中から見学者が集まり、駐車場に観光バスが停まるほどだ。
紗姫は、潜窟にあった美術品を博物館に寄贈した。
初めて潜窟に入ったとき、装飾品の見事さに息を呑んだ。
掛軸、彫刻、花瓶、茶碗……、
国宝級の芸術作品に目を奪われた。
(こんな場所に置くなんて、もったいない)
(多くの人に、観てほしい)
紗姫の願いが叶って、すべての美術品を運び出した。
伊織と珊瑚も手伝った。
『城の地下に眠っていたお宝』は話題になり、マスコミの取材が殺到した。
噂は世界に広まり、海外からの観光客も増え始めた。
「さすがは錦藤家の姫様」
ホテルも商店街も大喜びだ。
市が活気に満ちている。
仕事が休みの日、紗姫は『城址公園』に行く。
藩主が愛した庭園は丁寧に手入れされ、季節の花が咲き誇る。
堀と池の水は美しく、市民の憩いの場所になっている。
紗姫は、この場所が大好きだ。
(おわり)