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こんにちはー
ほんわか蘭江戸
⚠️・蘭江戸
・長い
戦争賛美、政治的意図なし
史実と違います
地雷さんまたね
ガヤガヤ
蘭「おうおう、今日も賑わってるじゃないか」
私が今いるここは長崎の出島。
江戸で唯一私を迎え入れてくれる場所
蘭 「しかしひっさしぶりに来たなぁ …江戸は元気にしているだろうか」
本来、もっと短い期間で訪れる予定だったのだが、私の予定と江戸の予定が中々会わず、このような結果となった
と言うのも、江戸の本来の家は名の通り江戸にある為、この長崎まで来るには多大な時間がかかる。
私が江戸に出向きたいと言った時は、頑なに拒まれてしまった。
どうやら日本人以外が出歩いていると、民が驚いてしまうかららしい。
当たり前といえば当たり前なのだが、いつか私も江戸の家に出向きたいものだ
私の予定が合わなかったというのは単純に海の調子が悪かったのだ。近頃は海の機嫌が悪くて敵わない
そんなことを考えていると数人の武装した者達が私を囲んだ
「江戸様がお待ちです」
蘭「ありがとう」
私は彼らに軽く会釈し、江戸の屋敷へと向かう
ふぅ…ここまで来るのは毎度の事ながら少し緊張する。
見張りの物が居るせいだろうか…隠れているつもりだろうがバレバレだ。
そして私がいつもの様に扉を叩こうとした瞬間…… 扉が開いた
江「阿蘭陀!」
嬉しそうに目を輝かして居る君は、いつ見ても愛くるしさを感じさせる
蘭「久しぶりだね、江戸。元気にしてたかい?」
江「嗚呼!儂は元気そのものだったぞ!」
嘘をつけ、ついこないだ風邪をひいたと文を寄こしてきたではないか
蘭「元気そうでなによりだよ。風邪は治ったかい?」
江「嗚呼!あんなのすーーぐ治ったわ!」
蘭「はいはい、また強がっちゃって」
「あの時は会いに行けなくてごめんね?寂しい思いをさせたかな」
江「べ、別に……さ、寂しいなんて……思ってなかった」
蘭「本当にー?まっ、それならいいんだけどね」
あの時はどうしても会いに行きたかったが、流石に風邪をひいた江戸を長崎までは連れて来れないからな。仕方がない
江「あーえと、立ち話もあれだし。ささっ、中に入ってくれ」
蘭「ありがとう。お邪魔するね」
私は広い客間に案内され、江戸の目の前に座る。
すでに用意されている急須を見て、歓迎されているのだと嬉しくなる。
蘭「江戸、改めて今日はここまで来てくれた事、本当に感謝するよ。ありがとう。君に会えて嬉しい。」
江「お主だって……その…遠いのによく来たな……歓迎する」
蘭「私が来て嬉しいかい?」
江「嬉しくない……訳ないだろ?//」
蘭「ふふっ、そうかそうか」
江「な、何度も言うが…その…嬉しくなかったらこんなとこまで来ていない……ぞ…?」
蘭「そうだね、本当にありがとう」
江「嗚呼……//」
蘭「ねぇ江戸、もしかしてまだ緊張してる?」
江「そりゃぁ……その…あまり誰かと関わる機会がないし…それに、この屋敷も下屋敷みたいなもので」
「いや、屋敷と言うにはちと狭すぎるか…」
蘭「これで狭いというのか?」
江「う、うむ……まぁそこらの家よりかは広いがな」
蘭「そっかそっか」
「て事は江戸にある屋敷はここよりもっと広いんだ」
江「うーーむ…儂の家はそこまで変わらないな…これに庭が付いたくらいだ」
蘭「へー、初耳だなぁ庭の手入れは江戸がするのかい?」
江「する時もある…ぞ」
「大体は任せきりだがな…」
蘭「そっかそっか。じゃあ今度はうちの花を持ってきてやろう」
「日本の花も綺麗だが、オランダの花も負けていないぞ?」
江「少し…知ってるぞ」
蘭「おや?もう渡っていたか」
江「その、前くれた書物に書いてあってな」
「明るくて可愛らしい花が咲くのだと書いてあったんだ」
蘭「へぇ…それは嬉しい事を書いてくれているね」
「なら今度は花の種と切り花も一緒に持ってこよう。君に一番似合う花を選んでくるよ」
江「あ、ありがとう…楽しみにしている////」
蘭「うん、楽しみにしててね。」
「嗚呼そうだ、はい、前言っていた書物だ」
「上手く翻訳できていないかもしれないが、そこは目を瞑ってやって欲しい」
江「いや、貰えるだけでも嬉しいぞ。わざわざありがとな」
蘭「どういたしまして」
「嗚呼そうだ江戸、今回はチョコレートを持ってきたんだけど…食べてみるかい?」
江「ちよこれーと?」
蘭「うん、いつもクッキーばかりだったからね。少し違うものにしようと思って」
「ああでもクッキーもちゃんともってきているよ」
江「そうか…あっ、じゃあ儂の団子と交換しよう」
「ちょいと待っていてくれ」
蘭「はーい」
蘭「お帰えり、江戸」
江「ただいま。ほれ団子だ」
蘭「ふふ、ありがとう」
「じゃあこれ、チョコレートね」
江「……粉なのか?」
蘭「うーーん、粉にしてきた。が正しいかな」
「本来は木の実みたいな物なんだけどね、」
「まぁまぁそんなことは置いといてさ、少し舐めてみてよ。」
江「…じゃぁ、少しだけ」
ぺろっ
江「にゃッにがぁ……」
蘭「ふふっ、あははッ」
江「わ、分かってて進めたのかッ」
蘭「ふふっ、ごめんごめん」
「本当はここにお湯とミルクと砂糖を入れて飲む物なんだ」
「甘くて美味しいんだよ」
江「こんな苦い粉が甘くなるのか?」
蘭「まぁ少しは苦味が残るけど、かなり飲みやすくなるよ」
「て事ではい、砂糖」
江「ゑ……こんな高価なものを貰ってもいいのか?」
蘭「勿論いいよ。ここよりうちの方が沢山入ってきてるしね」
「本当はもっと大量に持ってきたかったんだけど止められちゃってね…ほんのひと握り分だけで申し訳ない」
江「いやいや、ひと舐め分でも喜ぶぞ??」
蘭「ふふ、それは嬉しいなぁ」
「江戸は甘いもの好きだもんね」
江「嗚呼大好きだ!」
「…あっえと、だからと言って砂糖が欲しいって言っている訳じゃなくてそのっ……」
蘭「うん、分かっているよ。大丈夫。次はバレないように沢山持ってくるからね♡」
江「だからそうじゃないとッッ」
蘭「はいはーい」
江「分かっているのか!?」
蘭「分かってますとも。でも心配しないで大丈夫だからね」
「私がしたくてしていることなんだから」
江「…儂…お主にあげられるものがない…」
「儂もなにか渡したい!」
蘭「私は君が傍に居てくれるだけで嬉しいよ?」
江「でも何か……あっこれなんてどうだ?」
「これはしおりだ。竹で出きている」
蘭「おぉ…綺麗な柄だな」
江「貰ってくれるか?」
蘭「勿論。江戸からの贈り物ならなんだって受け取るよ」
江「そう……か…///」
「えとじゃあ、これ…」
蘭「うんっありがとう。大切にするね」
江「ん、うん///」
蘭「ふふ、少し暖かいね」
江「ずっと懐に入れていたから…」
蘭「ふーん、そっかぁ……」
江「な、なんだ」
蘭「ねぇ江戸、少し君に触れてみてもいいかな?」
江「うぁ、ん………嗚呼…いいぞ///」
蘭「ほんと?」
江「まぁ…拒む必要も無いし」
蘭「えへへ、嬉しいなぁ」
「では失礼して…」
ピトッ(頬)
(ピクッ)
江「おらん…だ…?」
すりっ__
江「んっ////」
蘭「やっぱり。なぁ江戸、まだ少し熱があるんじゃないか?」
江「えぁ、そ、そんなことは無いぞ」
蘭「本当か…?」
江「儂は元々体温が高い方なんだ。そっ、それに…」
「急に近づかれて…触られたりしたから…そのっ緊張してしまって…//// 」
蘭「あ、嗚呼ごめんね!びっくりさせちゃったね!」
江「あっ、えとそのっ」
「嫌だったわけじゃ…なくて…逆に…」
「もっと触ってて欲しくって……////」
蘭「本当かい??」
江「嗚呼…本当だ///」
蘭「……ハグも許される?」
江「……いいぞ//」
蘭「…っ、嬉しい//」
ぎゅっ、
蘭「……大丈夫そう…?」
江「…うん////」
蘭「じゃあ江戸…もっかいしていい…?」
江「……いいぞ////」
ぎゅぅぅっっ
蘭「………はぁーーー…ずっとこのままで居たい。離したくない」
江「阿蘭陀…?」
蘭「……。なんだか江戸と初めて会った時を思い出すなぁ」
江「初めて会った時?」
蘭「あの時はほら、私が挨拶としてハグをしたんだ。覚えているかい?」
江「あっ………思い出した」
蘭「あの時の江戸はハグした途端に固まっちゃってさ」
「結局別日に話し合うことにしたんだっけ」
江「は、恥ずかしい…///」
蘭「そう?私はその時、なんて可愛らしい子なんだって思ったよ」
「思えばその時から君のことを好きになっていたなぁ……」
江「…………へ?」
蘭「最初は君も私の事を怖がっていたけどさ、少しずつ心を開いていってくれて。今ではこうやってハグを許してくれて」
江「ちょっ、ちょっと待ってくれ阿蘭陀ッ! 」
蘭「……なぁに?」
江「さ、さっき儂のことがすっ、すす、好きっってッ」
蘭「……うん。言ったよ」
ギュッ
江「ん”ッッ」
蘭「ごめん、ごめんね、江戸」
「もう気持ちが抑えきれないや」
江「おらんだ……っ」
蘭「今の私…江戸に酷いことしてる……ごめん。嫌いになっていいから。ごめん」
江「……」
「…泣いて…いるのか?」
蘭「……泣いてないよ。」
江「顔を見せてみろ。…だめか?」
蘭「………」
江「ほら、やっぱり泣いているではないか」
蘭「うっ、グスッ……江戸っ」
江「よしよし。遠慮なく泣いていいんだぞ。」
「…お主の苦しそうな顔は…見てるこっちまでこたえてしまう」
蘭「ごめんっ、ごめんねっっ」
江「もっと泣いてくれ。大丈夫。大丈夫だぞ」
江「泣き止んだか?」
蘭「……ごめん…迷惑かけて」
江「迷惑なんて思っておらん」
「な、なんなら、いつも隙がなくてかっこいいお前が、こんな風に儂に弱いところを見せてくれるのは…なんだか信頼されているようで嬉しい…とか…思ったり……」
蘭「……なぁ江戸、これからも私の国と貿易を続けてくれるか?」
江「え、あ、当たり前だろ?お主との関わりがないと、出来る事も出来るようにならん」
蘭「……そっか。ありがとう」
江「…おい……次も来てくれるんだよな」
蘭「どうだろう。江戸にこんなかっこ悪いところ見せちゃったしなぁ…」
江「来てくれないと今度は儂が泣くぞ」
蘭「それは……困っちゃうなぁ」
江「なら絶対、次も来るんだぞ。約束だからな」
蘭「……うん」
江「約束だぞ!!約束なんだからな!?」
蘭「わっ、わかったってっ、わかったわかった!」
「次もちゃんと来るから。ちゃんと手紙送るからねッッ」
江「約束だぞ」
蘭「うん。約束。」
拝啓
阿蘭陀殿
秋の気配を色濃く感じられる頃いかがお過ごしでしょうか。
私は今、様々な秋の味覚を堪能しております。
特に今年の栗は甘くて大きくて、嬉しい限りでございます。
さて、本題の面会日について連絡させていただきます。
○○日、△△日、□□日辺りはどうでしょうか。
失礼ながら私の予定の関係で、この日付以外ではお迎えに上がることができません。
絶対絶対会いたいから、お願いだからあいにきてください。はなれないでほしいんです。わしをひとりにしないで…
私も好きなんです。貴方の事が、誰よりも。
お返事待ってます。
敬具
江「……………ええい!だしてしまえ!!」
蘭「あ、……江戸から…えーっと、」
蘭「ッッはっ、えッッ!?」
「………… 」
江戸へ、
秋の味覚、いいですね。こちらも様々な花が元気に咲いていますよ。
お手紙読みました。今すぐにでも貴方に会いに行きたいです。ですが我慢します。
それで日程なのですが、○○日に行かせてもらいます。早く江戸に会いたいからね。
ちゃんと行くから待っていて欲しい。私ももう離れたくないし、1人になんてしたくない。ずっと江戸のそばに居たいと思ってるんです。本当だよ。
貴方の事が大好きなオランダより。
蘭「…無事に届きますように。」
コメント
1件
わーい!!!蘭×江戸だ!! なんですか?この甘々は...!!! どっちも可愛い、砂糖のごとく甘い...