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「誰もいない…」
私は案内された部屋に入ったがそこには誰もいなかった
ただ机と椅子があって周りには少しの本棚ともふもふのコートがかけてあるポールハンガーが置いてあるだけだった
(誰かいたのかな…もしかしてあの女の子の部屋?でもそれにしてはコートが大きいし…)
「お嬢、おいでおいで」
そう言ってスピは手招きをする
(なんだろう、この人掴みどころがない…)
私は渋々彼の元へと向かった
だってそこにしか行く場所がないから
「あのね、ルナね!みんなを集めてきたの、偉い?偉い?」
「うん、偉い偉い」
そう言って私はついルナと名乗る少女の名を撫でる
少女はえへへと笑顔を見せる
「よし、じゃあ記憶のないお嬢に自己紹介をしよう」
スピはそう言って自己紹介会を始める
「俺はスピアー。戦闘に用いる武器は_」
「ちょちょちょ、ちょっと待って!?戦闘!?」
私はさらっと戦闘という単語が出てきたことに驚きスピにストップをかける
(せせせ、戦闘!?ってことはつまり戦う?ってことは、えーっと、えーっと!)
「はは、お嬢の焦り顔とかしんせーん。ま、このご時世だからね。後でわかるよ」
煽り笑うようにそう言った後また自己紹介を始める
私は自己紹介なんか耳に入らず、ずっと戦闘やこのご時世について考えていた
「ってことでよろし…お嬢、聞いてなかったでしょ」
「ふぇ!?え、うん。あっ」
私はパッと口元を抑える
つい驚きで咄嗟に本当のことを答えてしまった
スピはまあいいけどさと言う
少しむすっとした顔だ。ごめん、スピ
「はい!次はルナの番だよ!」
ルナはピシッと手を上げて立ち上がる
「ルナはルナだよ、爆弾が好き!あとは、うーん…猫が好き!犬も好き!羊が一番好き!羊の女の子だよ!えっと、あとはね」
「ルナ、そこら辺にしておけ」
どんどんと言葉が出てくるルナに少年が声をかける
ルナはむすっとした顔ではーいと返事をして自分の席に座る
「俺はエテルノ。よろしく」
エテルノと名乗った青年はジト目で表情があまり変わらないと言った感じだ。髪は濃いめの緑色で目も同じ。服装は首まで隠れる黒いパーカーのようなものを着ている
「私、アモーレ。よろしく」
アモーレと名乗った少女は綺麗な銀髪で前髪が少し長く目はあまり見えないがちらりと見える目はタレ目で髪と同じく綺麗な銀色だった。メイドのようなエプロンをつけて中には黒いシャツを着ていて、胸元には大きな黒いリボンがある
「私、ここのメイド。助けて欲しい時、言って」
アモーレはそう言ってぎこちない笑顔を見せる
カタコトな言葉だし過去に何かあったのかもしれない
「よし、これで全員自己紹介が終わったか。」
「ルナせっかくだし探検に行きたーい!」
ルナは元気良く手をあげる
「あ、私、掃除…」
「後でスピがやるよ〜!」
「は!?」
「ね、アモーレも一緒に行こ?」
ルナはうるうるとした目を上目遣いでアモーレに向ける
アモーレはウッと少し下がろうとするがルナは距離を詰める
「うー、わ、分かった。私、探検、行く」
「エテルノも!」
ルナはクルッと振り向いて自室に戻ろうとしているエテルノを呼び止める
エテルノはこちらに振り向いてなんで俺まで…とでも言いたいような目を向けてくる
「いつもは我慢してたけど今日はダメ!エテルノも!」
引き下がらないどころか詰め寄ってくるルナに諦めたのかエテルノはため息をついた後、分かったよと言う
「これで全員だね!早速レッツゴー!」
全く、どこからあの元気が湧いてくるのやら
てかスピの許可貰ってないけど良いのかな…