──────いえもん視点──────
俺たちは神への反逆を決意した。しかし、何の策も立てずに特攻するほど俺たちは馬鹿ではなかった。
「それでは、作戦会議をします。最後に確認します。私たちは神に反逆する。…この作戦から降りる最後のチャンスですよ。」
めめさんの言葉に誰も反応しなかった。それは、誰一人、この無謀な作戦から降りることを決断しなかったということだ。狂ってやがる。俺はそう思う。ここにいるヤツら、俺も含めて。全員狂ってる。
「全員参加、ということですね。最初に言います。神に反逆するなど無謀です。」
めめさんは、そう、断言する。しかし、その表情には曇ひとつなかった。いつにも増して真剣で。でも微笑をうかべて。
「でも、神に反逆するなんて。これ以上に面白いことはありませんよ。」
「ははwほら、俺の言う通りだっただろ?どーせ死後に行くって。」
めめさんの言葉に同調するようにルカさんが笑う。結局、ルカさんの言う通りになった。でも、ルカさんが提案した時は覚悟が足りなかった。でも、今は死ぬ覚悟だって出来ている。
「まあ、やってやるしかないでしょうしね」
ラテさんが深紅の瞳を輝かせながらそういう。興味無さそうな振りをしているが、口元が緩んでいるのがわかる。生粋の戦闘狂だ。
「んまっ」
八幡さんがそう、一言だけ残す。だが、口は開き、口角が上がっている。歯1本1本が鋭く、今にでも何かを捕食しようとしているのではないか、と錯覚する。…目の前には特に何も無いので杞憂に過ぎないが。
「…それでは作戦を立てましょう。まず、死後への侵入。ゲートは私が作りましょう。」
めめさんがサラリと言う。1番の難所であるが、死神には関係ない。なぜなら死神は死後とこの世を行き来することが可能なのだから。
「神は死後の上にいます。…最高神以外にも水神、炎神、自然神…この世のありとあらゆる象徴の神がいます。用があるのは『最高神』ですからね?お間違いないように。」
めめさんはスラスラと死後に関する情報を公開していく。今更驚くことでもない。そう思ってはいたが、案外複雑では無いことに安堵する。迷宮やらなんやらがたくさん仕組まれているものだと思っていたからだ。道に迷うような真似はしない。
…1人、みぞれさんはわなわなとしながらめめさんの話を聞いていた。不憫枠。途中ではぐれてしまいそうで不安ではある。が、まあ、そこはご愛嬌ということにしておこう。
めめさんはさらに話を進める。
「問題なのは死後では『天使』、『悪魔』が。神界…あぁ、神々が住んでいる場所のことです。
気を取り直して。神界では『神』が私たちの行く手を阻むでしょう。」
そいつらの対処をどうするか、そうめめさんが目で問う。スっと1人、手を挙げる。
「死後は任せてちょうだい。正義面した奴らに本当の正義の鉄槌を下さないといけないわ。」
そう発言したのは菓子さん。彼女は異常なまでに正義に執着…いや、依存している。また、己の全てが正義だと思っている節もある。…もしかしたら、姉妹がいればこんなにも正義に依存しなかったのかもしれない。と、そんなパラレルを妄想するが、現実が変わることは無い。彼女の目は狂気じみている、と言っても差し支えなかった。
「いえ、ここは全員で生き残るために全員で殲滅します。死神なら全員私の支配下に置きましたので。私の村民をこれ以上を死なせはしません。」
めめさんはそう力強く言う。力強いだけではない。めめさんならば、できるであろうという信頼。それがその言葉をより深めた。
「問題は死後にはおそらくメテヲさん、ぐさおさん、それとダークさんがおそらくいるんです。…それに、ガンマスさんの死体も。」
強敵3人。散った仲間ひとり。その事実を痛感させられる。最大で13人。この場に集合したのだ。それが今見渡せば10人にも満たない人数。もしかしたら、このメンバーの誰かしらも、かけていたのかもしれない。しかし、生きているのが事実なため、その空想から目を離す。
「…まあ、つまり言いたいのはガンマスさんをも倒せる奴らが3人もいる訳です。どうやってやるか考えるべきでしょう。」
最もだった。ガンマスさんは確かにお調子者で、煽り魔ではあった。しかし、それを差し引いても、信頼のおける、いい人外であった。それを、俺だけではなく、いや、俺よりも、村民たちはそれをよく理解していた。
「…ガンマスさんが負けるなんて…相当なことよ。今もまだ信じられてないわ。」
山出身の唯一の生き残り、菓子さんはそういう。彼女はガンマスさんとレイマリさんの次に最も仲良くしていた人物だった。だからこそ、信頼していたし、ガンマスさんの言うことには割りと耳を傾けることが多かった。
「しかし、これが現実です。しかも、怖いのはガンマスさんが戦ったのがぐさおさんだった場合です。メテヲさんはそれよりも強いと予測できるので…」
ガンマスさんより強い人外と、その人外よりも強い人外。化け物だ。でも、やるしかなかった。やると決めたのだから。
ここで切ります!あー終わる気がするー。この物語が終わる気がするー。いや、新作…出すのもありなんですけど明日を見るためにみたいに長くなりすぎるとほんとに完結が難しくなりすぎるので…って感じですね。とか言いつつ、何を書こうかはだいぶ固まってきてます。まあ、これが終わっても投稿は続きそうな気がしますねー。毎日投稿をやるかは置いておいて。
それでは!おつはる!
コメント
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わ、わぁ...見事に茶子さんの記憶消えてる...
終わりが本格的に近くなって来てるのがわかるわね