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srhb
ご本人様とは関係ありません。
「セラおってさ、好きな人おるん?」
「…え?」
「やから、好きな人。」
二人っきりになったとき雲雀にそう聞かれた。
好きな人、か。
大切な人はおれど、好きな人はまだいない。
気になる人ならいるけどね。
「いないよ。雲雀はどうなの?」
「俺?俺かぁ…。」
自分で質問したくせに、回答を用意してなかったのか、悩む雲雀。
うーん、と言いながら首をかしげる仕草にいとおしさが芽生えた。
「好きな人なまだおらんかもなぁ。」
「まだってことは今後できるんだ。」
「それはわからんけど、気になる人はおる。」
「…へぇ。」
その言葉にずきりと胸が痛んだ。
俺の気になってる人に気になっている人がいるらしい。
ややこしいな、なんか…。
雲雀に気になる人って誰なんだろう。
やっぱり奏斗?
それとも凪ちゃん?
雲雀は友好関係が広いから俺の知らない人かもしれない。
もし、俺だったら…。
いや絶対ないな。
だって、気になってる人に「好きな人いる?」は聞かないでしょ。
それに、もし俺のことを気になってるんだったらこんなに距離が近くない。
俺の横に座ってもたれかかってくるなんてしないだろう。
警戒心が薄いというかなんというか…。
一応怪盗であるからしっかりしているだろうが、気を許したやつにはとことん甘い。
俺がここで襲う可能性は考えないのかな…。
「雲雀?」
「ん~?どした?」
「距離近くない??」
「あ、ごめん。めっちゃ無意識やったわ。」
可愛いかよ。
無意識でそれほかの男にやってほしくないな…。
「重かったよな。ごめん…。」
「いや、大丈夫。…ほかの人にしないでね?」
「セラおだけだよ。」
この子は本当に…。
魔性の子だな。
俺だけにって、そんなん言われたら期待しちゃうじゃんか。
「…あ、奏斗たちあと30分くらいで着くって。」
「了解。」
コーヒーでも入れるかぁと言って雲雀が離れていく。
そのことに寂しさを覚えながらも、少し安心していた。
襲わなくって良かった…。
よくもった、俺の理性…。
「せらお」
「ん?なに?」
「好き」
「・・・・・」
え??????
顔を赤くした雲雀が、パタパタと走り去る。
「えぇ???いや、まじ?」
もしかしてこれ勝ち戦だった?
可愛すぎるだろ。
キッチンでコーヒーの用意をしている雲雀を後ろから抱きしめる。
「雲雀、自分だけ言って逃げるのはずるくない?」
耳元でささやくと、身体が跳ねた。
へぇ、耳弱いんだ。覚えとこ
「俺にも言わせてよ」
「っ、」
「大好き。愛してる。」
ちゅ、と頬にキスを落とす。
まだ口にするのは刺激が強いだろうから今日はこれで我慢。
「せらぁ」
さっきよりも顔を赤くして、俺を見る雲雀。
「ずるぃ…。」
「雲雀がいって逃げちゃうからだよ。」
「もう…。」
「ふふ、俺と付き合ってください。」
「…よろこんで。」
ふと気配を感じて振り返る。
気まずそうに立っている二人の姿があった。
「あ、」
「っ~~~~‼‼‼」
「お、おめでと~~?」
「あ、私たちはこれで…。」
あとは楽しんでください。と言葉を残して去っていった。
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