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それぞれ、別の警察車両に乗せられた。ドアが閉まり、エンジンの音が響いたとき、
はじめて、“ふたりの時間”が終わったことを理解した。
窓から見えたすみれの顔は、
ずっと何かを叫んでいた。
けれど、何ひとつ聞こえなかった。
その顔が、いつかの夢で見た菫の揺れる花びらのようで、
私は喉の奥で、何度も名前を呼び続けた。
でも、届かない。
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