勝利

男たちは窓ガラスを破り、ロックを外し、渡辺を引きずり出した。マネージャーが渡辺に抱きつく。

男たちはマネージャーを鉄パイプで殴る。頭から血を流している。それでも、渡辺を離さない。

渡辺ー伊藤さん！

伊藤ー大丈夫です。

渡辺ーやめて！死んじゃう！

男1ーお前が大人しくするならやめてもいい。

渡辺ー・・分かった。

男2ーアニキ、車でいいや、早くしたい。

男1ー分かってる、来い、車に乗ってもらおうか。

渡辺ー分かった。

伊藤ーわ・・たなべさん！

渡辺ー目黒にごめんって言って。

男2ー来い！

そこへ、もう1台つけていた車が割り込んできた。

マネージャーが渡辺の手を引き抱きしめる。

男1ーあぁ？

男2ー誰だ！

マイーアナタタチ、ケガシタクナイネ？

渡辺ーマイケル！

男1ー契約にないしな。怪我はごめんだ。

男2ーアニキ！

男1ー俺たちじゃ勝てないさ。

ケイーオトナシク、カエルネ？

渡辺ーケイン！

ケイー梨花ト蓮ニ、タノマレタネ。

男1ー俺は下りる。やられるのはごめんだ。

男2ーお、俺も。

マイーセンムサンニ、イウネ。モウ、ショータニ、カカワラナイネ。

男1ー分かった。

車が走り去る。

渡辺がマネージャーを抱き抱え大声で泣く。

渡辺ー伊藤さん！んっ・・んっ・・。

マイークルマ、ウゴカナイネ。

渡辺ー救急車！

渡辺は急いで、救急車を呼ぶ。

そして、マイケルとケインに礼を言う。

渡辺ー今回もありがとう。

マイー梨花トヤクソクシタネ。

渡辺ー梨花さん？

マイーショータヲ、マモルネ。

渡辺ーでも、マネージャーがこんな怪我して・・。社長に言っても仕方ないし。

マイーリジサンニイウネ。

渡辺ー理事？

マイーリジカイ、シャチョウトセンム、ヤメサセルネ。

渡辺ー分かった、言ってみる。

救急車に渡辺も乗る。マイケルとケインには、また改めて礼を言うとなり、病院に向かった。

病院でマネージャーの処置を待っていると目黒がやってきた。

黙って渡辺の横に座る。

渡辺は席を立つ。目黒を睨む。

肝心な時に連絡つかなかった。

渡辺ー電話したのに！

目黒ー仕事中だった。

渡辺ー伊藤さんが、身体張って俺を守ってくれた。あんなに言ったのに、お前なんか何の役にも立ってない！

目黒ーごめんね？

渡辺ー俺が受けるはずだった暴力を、伊藤さんが受けてくれた！

渡辺はポロポロ泣いている。

処置の終わった伊藤が運ばれて行く。渡辺は目黒を無視して、伊藤についていく。

上半身の打撲が酷いのと、頭を殴られているから、今から入院して検査だ。

渡辺ーごめんね、伊藤さん。

ポロポロ泣いている。自分のせいたでこんな大怪我をして。

伊藤が守ってくれたから、渡辺はかすり傷１つない。