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共倒れで精神終わっていっててくるしい、苦しいです
鬱になってまう………
すいなーんの
『勇者と八つの魔女裁判』の参加キャラ
フィオナ・フリージアちゃんの過去のお話です
「…やっと仕事が終わった」
深夜。
やっと書類が片付き、自室に戻る。
ふと、備え付けられた鏡を見る。
「…ひっどい隈やなぁ」
あぁ。でもまだ、働かんと
「…少しでも、力にならな」
僕が女王陛下…ナタリー様と出会ったのは、
10年前のこと。
僕がまだ、スラム街の子供だった頃のこと。
「…だれ?」
薄暗く汚い裏路地で、綺麗な髪と服。
隠しきられへん綺麗な雰囲気も相まって、
ここらの人やない、
どっかの偉い人やと直ぐに分かった。
普通は関わるべきやない人種。
でも、どーも気になって
好奇心から声を掛けた。
声を掛けると、気づいていなかったのか
大きく肩を揺らす。
「…貴方こそ、誰?」
「…僕?僕はここらに住んでるんやけど」
「君どっかのお偉いさんやないん?
何でこないな所におんの?」
「…迷ってしまったのよ」
その回答にふーん、と返す。
「ここ危ないからおらん方がええで」
「危ないって…?」
「よくここでよう分かれへんお話しとんの」
「関わったらあかんて事は分かんねん」
近くから足音と一緒に
じゃらじゃらと音が聞こえる。
例の関わったらあかん奴らの
つけてる石の音や。
「ほら、来たで」
ぐい、と手首を引っ張って別の道に行く。
少し奴らを見たのか、
少し考え込む動作をしている。
「…なんや、知り合いなん?」
「…顔は知ってるわ」
「…ありがとう、助かったわ」
「貴方、名前は?」
「ないで」
「は?」
明らかに驚いたような顔で見られる。
「親おらんし、リーダーも学ないから
他の人に付けてもらい言うて
付けてくれへんねん」
「一応フィーとは呼ばれとるけど」
「…何なんその信じられへんものを見る目は」
そもそも互いに名前呼ぶどころか
まともに人と関わる事自体少ないからなぁ…
リーダーくらいやろ
「…なら一時的に名付けていい?」
「フィー…フィオナ、でどうかしら」
「…ふぃおな」
「フィオナ…うん。ええ名前やね」
その後、何でも違法な何かを
扱っていたらしい奴らことどっかの大臣を
捕まえるのに協力したり、
そこでその人が王女様な事を知ったり、
僕もどっかのお偉いさんの庶子で
証拠のペンダントを奪われかけたり。
まぁ色々あったけど、
ちょっと割愛しとこか。
僕に取って一番大切なのはこの瞬間。
スラム街の人間以外で、
初めて“僕”を見て、認めてくれた気がして。
だから、この名前が大好きなんや。
そうして、別れた後そのお偉いさんのお家に
直談判して一応貴族になって。
一年後。見習い騎士、
“フィオナ・フリージア”として、
ナタリー様の前に立った。
そん時の反応はおもろかったで?
「…あの子供が騎士か…」
「失礼やなぁ…」
「てか、ナタリー様の方が年下でしょうが」
「いいのよ私は。」
「騎士になるなら 話し方気をつけなさいよ?」
「勿論」
11歳で騎士。
辛い事も多かったけど、それ以上に
ナタリー様と一緒に過ごすのは楽しかった。
救ってくれた人が楽しそうなのを見ると、
僕も嬉しかった。
…そんな平和で明るい日々は、
六年前に終わった。
国王が亡くなり、
血筋で残っているのがナタリー様だけ、
と言う事でナタリー様が若くして王となった。
それからは仕事の山。
欲を叶えようとする大臣や、
国を襲う暗黒の渦。
とても10歳にさせる仕事とは思えない
仕事の数々。
ナタリー様は一切遊ばなくなったし、
王となる前までよくしていた
王宮逃亡もなくなった。
時折顔色が悪くなっていることもあった。
でも、何もできなかった。
「なた…女王、陛下」
「…何だ」
「…いえ、何でも。」
「…少しはお休みしてくださいね」
それしか言えなかった。
だって、ナタリー様が決めたことじゃないか。
ナタリー様が決心して、犠牲を払って、
いっぱい、いっぱい苦労してやっている事、
じゃないか。
僕なんかが、それを止めてええんか?
残った国の“王”としての責任を、
プレッシャーを。それらを知らない僕が。
騎士だって、自らなった僕が。
そんな僕が勝手に思った感情で、
勝手な心配で。
ナタリー様を止めるなんてこと、ええんか?
…時折、ナタリー様が徐に
涙を流すことがある。
その度に、ナタリー様を
守れていないのだと思う。
僕は、ナタリー様を守るために
騎士になったのに。
ナタリー様を、
今度は僕が救うため。頑張っていたのに。
結局、何も出来ていない。
何も守れていない。助けられていない。
何一つ、救えていない。
…あーあ。
「何してんやろ、僕」
と言う事で、フィオナちゃんの
過去・現在でした。
正味過去より今の精神がヤバい。
SAN値ゴリゴリ削ってってます。
多分女王陛下の恨み言聞いたら
詰めりに詰めまくると同時に
「…僕が言えた事やないなぁ」
って凹みます。SAN値チェックです。
…かわいそうだね!!
満足。では、バイ主〜