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僕が聖と喧嘩することに違和感があるのは僕も同じだよ。でも……昨日の聖のあの目……本気で怒ってた。

 

 



「聖……僕と勝負しよう。」

「勝負……?」

 



「花月のこと好きだって言うなら、僕とテストの点で競おうよ。もし聖が僕に勝てたら、聖の気持ち信じてあげるし花月も譲る。でも……僕が勝ったら花月のこと諦めて。」

 

「そんな勝負…できない。」

「僕に負けるのが怖いの?だって、僕は主席だもんね。それに比べて聖は平均点。勝てるわけない。」

 

うるさい……

 

「そうじゃねえ……。」

 

「そもそも花月のことを好きだっていうのも聖の勘違いなんじゃない?今までになかった感覚がたまたま今回あっただけで、

恋愛じゃない。」

 

「ふざけんな!お前の自己顕示欲に花月を利用するんじゃねえ。お前にテストの点で勝って、それで好きだって証明ができたら……思いが届いたらそりゃ楽だろうよ。でも、それで花月は喜ぶのか!?そんなんで手に入れた形だけの……見せかけの好きだけでお前は嬉しいのか!?それで好きだって認めても、自己満足なだけだ。そんな勝手な都合に花月を巻き込むんじゃねえ。花月を利用するな。もっと考えてものを言え。もし……その考えが変わらねえって言うんだったらお前に人を好きになる資格はねえ。」

 

うるさいんだよ……

 

「僕のことをお前呼ばわりするの……?何もできない癖に…?諦めて身を引くことしかできなかった奴が僕に指図するな。」

 

もうやめろ。

 

「今までの俺だったら今回も身を引いていたかもな……。でも……花月を傷つけるのは…利用されるのは許さない。あいつを守る。これが俺の好きだ。お前の好きは本当に恋愛としての好きなのか?」

 

「当たり前だろ?僕はずっと……」

 

僕はずっと……何を求めていた……?

 

聖の言葉で我に返る。

 

最初は恋愛としての好きだったはず。それは柚の時もそうだった。恋をして好きになって……。花月のことは愛したいとさえ思った。あのときの言葉にも嘘はない。

 

でも、気づいたらライバルがいて…僕から離れて行ってしまうのが怖くて……1番になれないことが怖くて……

 

「テストの点で証明する。それが僕の好きの表し方。」

 

こうやって逃げているんだ。

 

うるさいのは僕の方だ。

 

聖は…僕の好きが間違ったほうに行かないよう諭しているだけ。花月のために怒っているだけ。

 

だけど……

 

「そんなに言うなら僕に勝てばいいだけ。お前もそれで証明しろよ。」

 

僕は強がることしかできないんだ。

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