捏造注意
スタンリー視点
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一目惚れだと言ったが本当に一目惚れだったのか怪しいが、目を奪われたのは本当だった。……癪だから本人には教えてやんねぇけど。
今日も今日とて楽しそうにゼノと話す彼女を眺め、新しい煙草に火を付ける。
煙は段々と上へと上がり見えなくなった。
人類最後の日、彼女を初めて見かけたんだっけな
思い出すのは3700年前の記憶だ。
日本人が二人、仲が良さげに歩いていた。
一人は短髪の女でもう一人は背の低い女。
楽しそうに笑い合い何を話しているかはさっぱりだったが、余程の仲だと伺えた。
何故か目が離せずジとと見ているとぱちり、と背の低い小柄な彼女と目が合ったぶ流石に見すぎたか?だなんて考えるも間もなく隣の女の肩を叩き俺の後ろにあったテーブル席を指さした。
バレていなかった事に密かに安堵し落胆した。
自分にこんな感情があっただなんて驚いた。
「おお、スタンこんな所に居たのか」
幼馴染みのゼノに声を掛けられ席を外す時、彼女とすれ違った。少しふらついたのかぶつかりそうになり思わず腕を支えれば、「Thank you!」と笑った。
(アイツは覚えてねぇんだけどな)
「3700年も経ってりゃ忘れるか」
「?スタン何か言ったかい?」
話が終わったのかゼノがこちらを向くと不思議そうな顔をしながら彼女も俺を見た。
「なんでもねぇよ」
「そうか、じゃあ彼女を連れて出て行ってくれないか?」
ゼノの気分転換も終わったらしい。これからする実験に彼女は必要無いのだろう。今はもうサッサと出て行ってくれとでも言いそうな顔で俺達を見ていた。
「あぁ、分かった」
「じゃあね、ゼノ。
ちゃんと休憩取ってよ?」
じゃないと寝室まで引っ張るからね?とおおよそ素直な彼女はゼノに手を振って部屋を出た。
驚いたのはゼノが手を振り返した事だ。普段ならそういった事は全く持ってしない。珍しい事もあ
なとゼノを見下げれば視線に気づいたゼノと視線が交わる。
「彼女、手を振ったら嬉しそうに笑うんだよ」
だからついね。深い意味は無いさ。
ゼノは俺の顔を見て笑った。余程変な顔をしていたらしい。
「それより追いかけなくていいのかい?」
「追いかけるよ」
じゃあなと投げやりに呼びかければ本当に世話が焼けるねとゼノが笑った。
「Hey!」
「…スタン?」
後ろから呼びかければ彼女は振り返った。
「相変わらず可愛い身長してんね」
「…失礼な。海外の人の背が高いだけ」
私は平均身長です!と口を尖らせる彼女を見てまた笑いそうになるが押しとどめる。今笑ったら本当に怒られそうだ。俺としては外回りの時間まで逃げられたくないかんね
「…アンタは今からどこ行くんだ?」
「誰かさんの煙草の材料採取」
「へぇ、そりゃ誰のだろうな?」
「その人ね、極度のヘビースモーカーなの、ずぅっと煙草を吸っていてね、寝てる時も煙草を咥えてるんじゃないかって最近思ってるの」
悪戯っ子の子供のような顔で俺の顔を覗き込む瞳は一度も逸らされない。どんなに言語が通じなくても彼女は俺達から一度も目を逸らすことは無かった。
あぁ、こういう所に惚れたのかね。
「そりゃあ、大変だな!」
「本当にね」
クスクスと笑っている彼女を横目に大袈裟に振る舞って見せれば、また楽しげに笑う。
「なァ、アンタはいつになったら俺の事見てくれる?」
そう言えば彼女はどんな表情をするのだろうか。迷惑そうにするのか照れるのか。
「まぁ、待つのは慣れてっかんね。
ゆっくり行くか」
「?なにが?」
怪設そうに俺を見上げた彼女の頬に口付けて、煙草を吸う。
チラリと彼女を見下げれば頬に手を押え顔を真っ赤に染めていた。
「これくらい挨拶だろ?」
「日本じゃ恋人同士がする事です!!」
ああ、そういや日本人だったな、あまりにも馴染みすぎて忘れてたわ。
「そりゃ悪かったな」
「全く悪びれてない!」
慣れない事をされたのに逃げず俺の隣を歩く彼女を見てもう一度笑った。
俺を見てくれる日は近い…だなんて女々しいことを思った。柄じゃないが、まあ、彼女を独占出来るならそれも悪くない。
取り敢えず今はご機嫌取りに集中すっかな。
大分短くなった煙草を吸って再び視線の大分下にいる彼女に話し掛けた。
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・女の子
惚れられたとは思ってもいないし、何なら言うと会ったことは全く持って覚えていない
その内首を痛めそうで怖い
・スタンリー
背のちっちゃい女の子が可愛くて仕方ない
初めて見掛けた時、ちっせって思ったしずっと目で追ってた。
復活した時本人は気付いていないがラッキーって思ってたりする。
コメント
1件
おぉ、スタンリーもっと攻めろって、、!!!!