「あーもう、うるさい。
別に私が何したっていいでしょ。
私にお母さんの理想を押し付けないで。」
お腹を痛めて 産んでくれた母親に初めて反抗した。
私の母親はすごく優しい。いつも愛してくれている。過剰な程に。 だからなのか、私がなにかする度色々言ってくる。
「もっとこうしなさい。」
「この方が幸せ。」
私はいつもお母さんの言うことを聞いて、お母さんが言ったように行動する。 世の中をなんにも知らない私にとってお母さんがこの世の全てだった。
ある日、私は男の人を見た。
その人はアニメが好きなのか、カバンや服に沢山のアニメキャラが描かれていた。 その人は堂々と道の真ん中をかっこよく歩いていた。
私はびっくりした。
私はいつもお母さんにオシャレな服を着なさいと言われていた。その方がいい、と。
だから自分「好き」をさらけ出して自由に生きているその男の人が羨ましく感じた。
私は、家で好きなゲーム実況者の動画を見ていた。するとお母さんが
「なんでこんなもの見てるの。貴方は女の子なんだからもっとお菓子作りの動画とかを見なさい。」
私の中でなにかが切れる音がした。
女の子だからって何?女の子はゲーム実況の動画を見ちゃいけないの?お母さんはいつもああしなさい、こうしなさいってずっと言ってる。
その時初めてお母さんが私にお母さんの理想を押し付けていることに気が付いた。
だから、
「あーもう、うるさい。
別に私が何したっていいでしょ。
私にお母さんの理想を押し付けないで。 」
お母さんは目を真ん丸にして私を見た。
そして、怒りそうなでも悲しい顔をした。
私は、嫌われてしまったかもしれない。
しばらくの間沈黙が続いた。
「ごめんね」
お母さんは私にそう言ってきた。
「私、貴方に苦しい思いさせてた。 気づかなくでごめんね。これからは気をつけるわ。だから許して。 」
私は許した。
すると、
「ありがとう。」
お母さんは涙を流していた。
それから私は自分らしくに生きた。
ずっとお母さんから言われてスカートしか履いていなかったがズボンを履いた。
とても歩きやすかった。
憧れのゲーム実況者になった。
まだまだ人気はないけど自分の好きなことをやれることが嬉しかった。
今もお母さんは私の事愛してくれている。
だから、私の好きなことをやろうとしても止めなくなった。
自分らしく生きるって 楽しいんだ。