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兄弟愛 続

6 - 青井ラディ視点  らだお誘拐事件

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2024年06月07日

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兄貴を警察署に送り届けてから早数時間

俺は家でスマホをいじっていた

ピコンッ

怪我人の通知が入る

俺は通知を確認した

そこには兄貴の名前があった

俺は焦った

勢いよく机から立ち上がりすぐに家を出た

通知の発信源を辿る

ものすごいスピードで建物を貫通している

この感じはヘリだな

俺は兄貴から受け継いだヘリ技術でそのヘリを追った

ヘリは廃墟に止まったようでダウン通知の発信は廃墟内からだった

俺はヘリから降りると急ぎ廃墟の中へ踏み入った

どれだけ探しただろうか

全く見つからない

広いと言うわけではないはずなのに

なんでだ…?

パキャッ……

背後からガラスを踏んだような音が聞こえ振り返ると

手足を拘束されて意識を失っている様子の兄貴の姿があった

ラディ 兄貴っ!?

俺は駆け寄った

肩を揺さぶり声をかける

返事は返ってこない

ラディ くそっ…

やっぱりまだ休ませた方が良かったか

俺は怪我の確認をし始めようとした

背筋に急激な悪寒が走り俺は咄嗟に横に逸れた

ビュオンッ

バットを振りかぶった音と空を切った音が同時に耳元で響いた

俺は背後を確認するとこの前兄貴が逮捕した犯罪者がバットを持ち俺を見ていた

犯罪者 お前は…誰だ……?

ラディ 俺は青井ラディ闇医者だ

犯罪者 闇医者か……こいつを治そうとしたのか?

ラディ あぁ

犯罪者 じゃあちょっと寝ててもらおうかねっ!!

そう言うと同時に俺にバッドを振り翳してくる

俺は避けて避けて避ける

少ししてとうとう犯罪者は疲れたのかバッドを手放した

そして懐から銃を取り出し俺に向けた

犯罪者 動くな

ラディ ……

犯罪者 両手をあげて後ろを向け

俺が突っ立っていると犯罪者は俺の足元に銃弾を放った

犯罪者 次はコイツに当てるぞ

兄貴に銃口を向け言った

俺はしぶしぶ後ろを向き両手を上げる

そして金属の鎖が俺の手につけられた

犯罪者 大人しくしていろよ

ラディ チっ…

俺は拘束されてしまったので仕方なく大人しくすることにした

もしもこいつが兄貴に危害を加えようものなら俺は……

いや……やめておこう………

きっと兄貴が悲しむ

そんな出来事からどのくらい経過しただろうか

ヘリのプロペラ音が聞こえたと思ったら数人の足音が廃墟内に虚しく響いてきた

バンッ

廃墟に付けられていたボロいドアは成瀬カニが勢いよく開けたことによって崩れ落ちて壊れた

成瀬 らだおっ!

成瀬カニの他にも猫マンゴー、皇帝、ミンドリーなどの警官、ハクナツメやハンクといったギャングも共に助けに来たようだ

犯罪者は兄貴に銃を突きつけながら言う

犯罪者 こいつ殺されたくなければさっさと2000億用意しろ!

成瀬 こいつっっ!!

マンゴー 絶対にコロす……

皇帝 らだおを返せっ!

犯罪者 聞こえなかったのか?2000億用意すれば解放してやるって言ってんだよっ!

犯罪者 さっさと用意しやがれ!

犯罪者 さもねぇ____

兄貴の額に銃を突きつけようとしたのれ俺は叫んだ

ラディ やめろっ

犯罪者 あぁ…?

ラディ 兄貴に手を出すな

犯罪者 はっwなんだよ闇医者?

犯罪者 てか兄貴ってお前コイツの弟なのか?

ラディ あぁそうだよ

ドリー 2000億まであといくらくらかわかる? ボソッ

ナツメ あと1800くらい…?かな………   ボソッ

犯罪者 じゃあこうしたらお前はどうするかなぁ?w

そう言って犯罪者は兄貴の髪を掴み持ち上げた

兄貴は意識を失っているがあからさまに顔が歪んで小さな呻き声を上げていた

らだお ぅっ……

ハンク らだおきゅんっ!!!

皇帝 らだおっ!!!!

ラディ ッ!?テメェぇぇぇっ!!!!!

犯罪者 はははっw

犯罪者は兄貴を床に叩きつけ踏みつけた

ブチンッ

俺の中で何かが切れた音がした気がする

俺はゆっくりと立ち上がり犯罪者に近づく

犯罪者 どうだぁ?w兄をこんな目に遭わされ______

俺は知らず知らずの間に手錠を腕力で砕いていたようで犯罪者をぶん殴っていた

ナツメ え…?

ラディ さっきから…ごちゃごちゃ……うるせぇんだよ………

犯罪者 俺に向かってなにをした貴様ぁぁぁっ!!

ラディ 黙れゴミが!!!!!!

俺は銃を撃ってきた犯罪者をものともせす銃弾が体に突き刺さろうが犯罪者の元へ歩み寄った

犯罪者 なんで止まんねぇんだよっ!?

ラディ お前は絶対に殺す

俺は犯罪者の腹に蹴りを入れ壁まで突き飛ばした

廃墟の壁は案外脆かったようでガラガラと音を立てながら犯罪者と共に崩れ落ちた

俺は瓦礫に埋まった犯罪者を引き摺り出し壁に叩きつけ何度も何度も殴った

犯罪者に意識はなかった

俺は顔や体の形が変形しなんとか生きられるギリギリまで殴り続けた

バキッゴキッバコッッ……

聞きたくもないような肉塊へと変質していく気色悪い音が廃墟に響く

バキッゴキャッッガゴォッ…

らだお ら…でぃ……

ラディ ッ!ぁ……にい…さん………?

兄さんのか細い声で俺は理性を取り戻した

声を辿り振り返ると兄さんが俺を見ていた

俺は兄さんに近づいた

らだお らでぃ…おれはだいじょぶ……だから………

ラディ 嘘つくな…

らだお でも……

らふぁお らでぃは……もっと…じぶんを

らだお たいせつにして…?

ラディ っ……あにきぃっ……

俺は兄さんを抱きしめていた

そしていつに間にか泣いていた

兄さんが俺を抱きしめて慰めてくれる

らだお がんばったねぇ…おつかれ……

らだお おれのために…ありがとう…らでぃ

ラディ 無事でっ……無事で良かったっ……

ラディ 兄貴が…いなかったら……俺……もうっ

らだお だいじょぶだってw…おれは死なないっていったでしょ?

ラディ うぅっ……うん………うわぁぁぁぁぁっ

らだお だいじょーぶ…だいじょーぶ

俺の背中を撫でてくれる優しい兄さんの手で俺はいつに間にか眠りについていた

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