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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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「おせ・・・おおせ・・・大瀬。」


︎夢の世界に居たというのにぴよぴよと小鳥の鳴き声と誰かの呼び声で目が覚める。

誰だろうか・・・もしやこのクソ吉はおこがましく睡眠を取っている時でも人様に迷惑をかけてしまったのだろうか?

詫びないと、すぐ起きて死ぬ事ででお詫びしないと・・・。


「あう・・・おはようございますすみません死にます・・・。」


寝起きなせいでナイフを持つ手に力が入らない。これだからクソはクソなんだ、こういう時全力以上を出さずしてどうする。


「大瀬ストップ。今は死ななくていいよ。」


首にナイフの刃先を向けようとしていると声の主であったふみやさんがナイフを握る腕を掴み、首を斬首しようとするのを阻止した。


「ふみやさん・・・掻き切らせてください。落ちたクソブスの生首が見たくないなら別室に移動しますから。あ、それでも他の皆さんに迷惑が・・・クソ吉お前はこんな時でも人に迷惑を・・・。」

「まぁまぁ・・・、大瀬外見てみろよ。」

「外?」


僕に外を見るよう促すふみやさんは薄らと笑っていた。

親指で指された窓のカーテンを恐る恐る開けてみると、光り輝く朝日に目を細めてしまうが直ぐに目を見開いてしまった。

だってその光すらも飲み込んでしまっている漆黒が浮かんでいたのだから。


「どぅえ!!どうゆうこと・・!?というかあれって・・・」

「そう、ブラックホール。朝起きたら浮かんでた。ウケるよな」

「理解達も焦っててさ。全員叩き起してたんだけどお前だけ起きなくて、今午前10時な。」


その言葉に咄嗟に時計の方に顔を向けると確かに時計は10時30分を指していた。そんなに時間が経っていたんだ。

皆さんのお手を煩わせた事実に凄く死にたくなる。これだからクソ吉は・・・さっさと死ね。・・・そうだ少し外に出たら死ねるんだった。


「と・・・いうか・・・、なんでブラックホールが近くになるのにこの家吸い込まれていないんですか? ブラックホールってなんでも吸い込むものじゃ・・・。」

「まぁまぁまぁ・・・。そういうもんだから。」

「そういうもんなんですか・・・。」

「うん。だからさ、そこのお前ら読者。おかしいとかうだうだ言うなよ。そういうもんだから黙って見てろ。」

「どこ見て言ってんですか・・・。怖。誰お前らって。」

「まぁまぁ。」


少し様子のおかしいふみやさんをほっといて皆さんにお手を煩わせてしまったことを謝罪しようとベットから降りて、部屋のドアを開けると___


「「「「「「うわーーー!!!!!!」」」」」」


ドタドタドタと勢いある音を立てて地面に体を打ち付けられる皆さん。

まるでダルマ倒しのように重なった皆さんは「痛い!」「重い!!」「これもまたセクシー!!」「負荷!!!」「秩序!!!」「皆さん落ち着いてください! 」と口々に言い合いを始めましたが、狼狽えるこの腐った肉塊であるクソ吉を見ると、起きてよかったと言うように微笑んでくださいました。


「あれ、お前らなんで居んの?」

「ふみやさんと大瀬さんを一緒にするのが危なっかしいからですよ!!」


そうふみやさんが皆さんに問いかけると理解さんが大声を上げて答えた。


「え、なんで?俺何もしてないけど」

「黙れふみコパス!!君だったらパーティー始まる前に飛び込ませちゃうでしょ!バカ!!!」

「テラさんの言う通りですよ!それに貴方がケーキを食わないように監視もしなきゃ行けませんので」


テラさんに続き、理解さんがそう言い返す。

間接的に皆さんにご迷惑かけた自分のせいだ。詫びたい・・・首掻き切らなきゃ…そうだナイフはふみやさんに止められた時取られたんだった。それより・・・


「パーティー?今日は記念日じゃないですよね?ブラックホール以外・・・」

「そう、それだよ。ブラックホール記念日パーティー。お前が起きないから、仕返し的な感じで驚かせたくて。 暫定ナンバーワンが現れたんだ、死ぬか死なないかはお前次第だけど、せっかくなら祝いたいだろ。」


焦ってた理解たちを納得させながら準備し始めてたから、まだ出来てないけど。ふみやさんはそんなことを付け加えてそう返した。

それでも二階にあるこの部屋にも漂う甘いケーキの香りは、急いで作ったとは思えないほど食欲をそそる。


「・・・クソのためにパーティーなんて。」

「あとぶっちゃけ面白いだろ。空にブラックホールなんて」

「そうですね!というか、大瀬さん!そう言って僕の負荷チャンス奪わないで貰わないでくれる〜??」

「えぇ・・・。理不尽」


いおくんの言いぶりは理不尽だけどきっとふみやさんも、いおくんも僕を気遣って言ってくれてるんだろう。

僕が罪悪感を抱かないように。


「ちょっと〜オバケくん困ってる!ほら、早く準備再開するよ!オバケくんはここで待ってて、リビングには来ないでね!サプライズだから!!」

「料理もケーキ以外に沢山ありますからね、忙しくなりそうです!」


虎さんの言葉には忙しい、と言う言葉が入っていても何故か楽しそうで、窓で見たブラックホールの浮かぶ、あの青空より晴れやかな笑みだった。

きっと皆さんも表情は違えど虎さんと同じ感情を持っている。クソが自分を高く見積もっているようで死にたくなるが、その気持ちは泣きたくなるほど柔く、そしてひしひしと感じてくる。


「ハッ!俺は行かね〜、準備もしねぇ!」

「あぁもう!今言うか! じゃあもう来なくていーよ!あと天堂天彦!ベットの下を漁るな!」

「ゼッテー行く!!」

「セクシーな本が出てくると思ったのですが…」

「秩序が乱れている!皆さん!早く行きますよ!」

「じゃあな、大瀬。楽しみにしといてくれ」


嵐が去った後の静けさか、皆さんが階段を降りる音が聞こえなくなるといよいよ部屋にはまるで、広い広い宇宙の中みたいに音が無くなった。

こんなクソ吉なんかにパーティーなんて・・・











う、嬉しい〜〜!!!

ふみやさんも皆さんは焦っていたって言っていたのに!こんなクソの煮詰めみたいな史上最低の肉塊生ゴミにケーキも! 料理も用意してくださった!!嬉しすぎる・・・!!!


だからこそ、今日という日は・・・今日こそは


「死ななければいけないんだ!」


皆さんの優しさに何にも答えられない自分は、明日の皆さんの時間を無駄にさせないように消えるんだ。

それが自分に出来るただひとつの償いだから。


「よし!ファイトー!クソ吉!」


「お邪魔しま〜す。大瀬さん今日は珍しく楽しそうですね!タスキの長さ確認したいんだけど、大丈夫?」


ガチャリと音を立て扉が開かれると『ブラックホールホールおめでとう』と書かれたタスキを片手に持ったいおくんが立っていた。

聞かれてたのか・・・。


「クソ吉にタスキとか・・・贅沢だよ。」

「負荷だもん。そうだ!大瀬さん、せっかくブラックホールも出たんだからパーッと捺印しません?」


何処からか奴隷契約を取り出したいおくんは逃がさんと言うように目を見開いて詰め寄ってくる。


「いや、こっちクソ吉だから・・・!奴隷とかおこがましいから!」

「いっつもそう言って拒否するよねェ・・・!でも今日ばかりはそうはいかないですよ!ほら、ちょっとポンってするだけだから!!!秒で終わるから!」

「んな注射みたいな話じゃないでしょ・・・!!契約書押し付けるのやめてよ!」


いくらこのクソ吉がこれから死のうともこのクソが形式のみでも人様の上に立つなど有り得ない、というより国家転覆より重い罪。

けど、どう説明しようがいおくんには届かないのだろう。それは僕のミジンコ以下の脳みそでも理解している。


「うるせぇんだよオメェら。つーかいお、お前が居ねぇと他の料理作れねーんだわ。油売ってんじゃねぇ。」

「あっ猿ちゃん。それがさ〜大瀬さんがぜんっぜん!!!捺印してくれなくて〜!もう奴隷困っちゃう〜それも負荷〜良い!!」


蹴破るように足でドアが開かれる。いおくんが居ないと準備が進まないのはここに住む住人ならば周知の事実だ。

というか・・・それで負荷を得られるならわざわざこんな争いしてまで捺印させようとしなくていいんじゃ・・・。


「知らねぇよ、俺に聞くな。」

「え〜・・・じゃあ大人しく戻るよ。だってこの奴隷が居なかったら料理も作れないんだもんね♪奴隷感激〜!!」

「んじゃ早く行くぞ。あとてめぇもいおに言われっぱなしじゃなくて少しは言い返せ、つか殴ってまで拒否してみろよ。」

「うぇ・・・押忍、頑張ります・・・」

「おう、でもあの時みたいな力は出すなよ・・・ほら嫌いな奴思い浮かべるやつ!!」


猿川さんの額にひとつの冷や汗が落ちる。

その発言の真意は分からない。いや、心当たりはあるけど。

そう、あれは猿川さんが心優しいことにこんなクソに喧嘩の稽古を付けてくださった時のことです。

猿川さんに嫌いな奴と思って自分を殴れ、と言われこの憎き神の生んだ産廃であるクソ吉を思い浮かべ失礼と自覚しながら投影させて殴らせていただきました。

あの瞬間のことはあまり記憶に残っていませんが救急車を呼ぶ自体になり、皆様に多大なるご迷惑をお掛けしたことを覚えています。その後、博士が来たときもあの時の力の感覚があるのを薄らながら記憶に残っていますが、あの時はただ必死で覚えてはいません。

きっと猿川さんはこのクソが多くの人にご迷惑をお掛けすることをご心配なされたのでしょう。ヤバ、釈迦じゃん・・・!! 嬉しすぎる、優しすぎるでしょ・・・!!ほんとに人間?


「はい!」

「おし、絶ッ・・・対!!にすんなよ?」

「猿ちゃんその言い方フリになるんじゃない?」

「オメーは口を挟むな!おい大瀬、いおの野郎がもししつこきゃいつでも武器は貸してやる。んだからさっき言ったことはすんなよ?フリじゃねーからな?」

「はい、このクソ吉、全力を持って抵抗します。頑張ります!」

「全力は出すなつってんだろ!!」

「武器使って貰えるとかありがた…じゃなくて、痛いからやめてよ〜。それに猿ちゃんそう言って捺印の邪魔しないでってば!」

「うるせぇ!俺に指図すんな!さっさと行くぞ」

「はーい、じゃあね大瀬さん。捺印はいつでもオーケーだから、宜しくね♪」

「しないってば」


またもパタンと戸が閉まる。なんだか急に嵐に揉まれたあと、体がビシャビシャになったままその嵐が去ってしまった気分だ。

ただ濡れた体を残して嵐は去る。けど嵐の去った後の太陽は暖かい。


「へっ….くちゅ」


うわ・・・嵐の話をしたせいでくしゃみが出てしまった。


「大瀬さん、今のくしゃみ・・・セクシーですね。」

「うわ!わわ!!!!天彦さん!?!」


耳元でそう囁いた天彦さんに驚いて大声を上げる。

部屋の扉は開かれていたのに、音には全く気づけなかった。それほど自分が集中していたのだろうか?それともこれがWSAの力・・・?!

天彦さんはクソの上げた大声に嫌な顔一つせずニマニマと満足そうに笑みを浮かべられた。

相変わらずの変態だ・・・本人には言わないけど。


「な・・・んで!ここに?!猿川さんは忙しいって!!」

「セクシーあるところに天彦あり、ですよ。あと皆さんの料理姿にエクスタシーを感じていましたら追い出されました・・・。不可解・・・。」

「いや追い出されるのは当たり前ですよ。でもなんでクソの部屋なんかに?天彦さんの部屋の方が暗くなくて、綺麗で、クソも居なくて・・・絶対いいでしょ。」

「天彦の力のみでは解決出来ないのです・・・。ここは二人の共同作業と致しましょう!」



ごめんなさい….終わりが見えないからここで区切ります…ほんと懺悔します…すぐ書くから…待っててね….

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