テラーノベル
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⚠️⚠️自傷表現あり⚠️⚠️
独りがきらい。
自分がちゃんと”そこ”に存在してるか分からなくなるから。
でも人間も嫌い。
僕に近寄る人は権力かお金が欲しい人ばっかで、みんな猫撫で声で話しかけてくる。
きっと僕を本当に好いてる人なんかいないんだ
自分が誰なのか、生きているのか誰が味方なのか。
全部全部わからなくなって
僕は自分の腕を切った
“夜遅くにごめん。今から家行っていい?”
若井からのメール。
僕はすぐに返信して、半袖だったパジャマから長袖に着替えた
若井「よ。いきなりごめんね。なんか暇でさ笑」
インターホンが鳴りドアを開くと、優しく微笑んだ若井が立っていた
大森「俺も暇だったしいいよ」
もうこのまま寝る予定ではあったけど、どうせ寝れないしノリ悪いって嫌われたくもないから嘘をつく
若井「ほんと?じゃあゲームしようよ。深夜のお詫びといったらあれだけど、お菓子とか買ってきたんだ」
大森「うん」
若井「お!いけいけ….!っあー!それずるい!!!」
大森「….」
戦闘ゲームで若井と戦う。
ずっとうるさい若井に比べて、僕はどうしても黙ってしまう。
やっぱり、1人が好きなのかもしれない。
若井「…..ちょっと休憩しよっか」
大森「んぇ、?いやいいよ…」
あぁほら。また気を遣わせてしまった
ごめんなさい。ごめんなさい。
若井「いいのいいの笑。せっかく買ってきたんだし、お菓子食べよ?」
「これ懐かしくない?!」
と見せられたのは、昔よく若井と食べていた駄菓子。
バイトしてたくせに「お金ないー」とか言われてよく奢ってたっけ。懐かしさから素直に頷いた
若井「この前さー、涼ちゃんが壁に頭ぶつけてたでしょ?笑。それまだ痛むらしくて今度病院いくらしいよ笑笑」
つい先週のことだ。
「ちょっとトイレ….」と席を外した涼ちゃんが、扉がスライド式というのを忘れてそのまま滑って頭を打った。
そんなアホな話があるか。と僕が爆笑したエピソード。
きっと若井は僕を盛り上げようとしてくれてるんだろう
大森「そうなの?笑。めっちゃおもろいねそれ」
若井「あ〜、めっちゃ喉乾いた笑」
お菓子をたらふく食べた若井が満足そうに笑う。
大森「水いる?お茶もあるけど」
若井「まじ?じゃあお茶ほしい」
分かった。と立ち上がると、視界の隅で若井の顔色が変わった気がした。
若井「…..ちょっと待って」
大森「え、なに?」
僕は腕を引かれ、ソファーに戻される。
困惑しているのをよそに、若井は僕の袖に手を伸ばした
大森「っ!ほんとになに?どうしたの」
慌てて抑えると、若井は僕を悲しそうな目で見てくる。
若井「こっちのセリフだよ….。なんかおかしいと思った、ここ最近。だから今日家来てみたの。….どうしたの、?何があったの?」
背筋が凍った。
失望された。僕はますます孤独になっていく。
怖い。嫌われるのが怖い。
頭が真っ白になって、何も考えられなかった
大森「なんでもないよ。…ごめん。帰って」
すると突然、僕の身体は若井の腕の中に収められた。
嫌だ。引いてるくせに、優しくしないで
大森「….ほんとどうしたの?なんでもないって笑。離してよ」
若井は尚力をいれて僕を抱きしめた
若井「ごめん。余計なこと言った。ほんとは、元貴を助けにきたんだよ」
さっきの感情まかせのような力とは違い、優しく僕の腕をさすった。
大森「っ、」
ピリッと痛んで顔を顰めると、若井まで辛そうな表情をする
若井「気づかなくてごめん。手当だけさせてね」
もう一度袖を捲ろうとする若井に対して、僕はまた抵抗して腕を引っ込めた。
ごめんなさい。謝るのは、若井じゃない。
僕のせいで、何も知らなかったはずの若井をこっちの世界に巻き込んでしまった。
もうこれ以上は何も知ってほしくない。
若井は医者でもなければメンタリストでもない。
普通の人間なんだから
大森「ほんと、大丈夫…ありがとね」
若井「….」
すると若井はお菓子が入っていたコンビニの袋から、消毒液やらガーゼやら包帯やらと傷の手当グッズを取り出した
若井「最初から、この可能性も考えてたよ。俺に覚悟がないと思う?」
若井「任せて。何があっても元貴の事は大好きだからね。涼ちゃんもそうだよ」
その言葉で少し安心してしまう単純な僕の身体は、力を抜いて若井に身を任せてしまった。
若井「…..結構深いね。頑張ってたんだね」
消毒が染みても、目の前に若井がいるだけで何故か安心できた
若井「よし。終わったよ」
最後に包帯を巻かれ、 僕の手当が終わった。
大森「ごめん……。ごめんなさい、」
謝ることしか出来なくなった僕は自己嫌悪に呑まれていた
それでも若井は、僕の手をそっと包み込んで目を合わせた
若井「元貴が悪いんじゃないから。俺は無理やり止めないし、これからも変わらない態度で関わるよ。だけどやっぱやらないに越した事はないから。少しでも余裕がある時は俺か涼ちゃんを呼んでくれたら嬉しいな。また一緒にゲームしよ?」
「あ、涼ちゃんにはもちろん内緒にしておくからね」と人差し指を口に当てた。
言葉なんか大嫌いだ。
口で言うのは簡単でも、それを裏切るのも簡単。
「浮気してない」と言っても、実際はホテルに入ってる奴なんかそこら中にいる
普段の態度だって、猫かぶってしまえばいくらでも誤魔化せるんだから、僕は誰も信用しない。
はずなのに。
大森「………(泣」
僕は気付けば若井の腕の中で嗚咽が出るほど泣きじゃくっていた。
僕の頭を撫でる若井。
その刺激を感じる度に、僕が存在している事実を受け止められた
こんな姿になってしまってはもう戻れないから。
誓って僕のことを裏切らないで、嫌いにならないでよね。
寿司ったらん
コメント
5件
第1話、読み終えました……。 元貴くんの「独りがきらい」「人間もきらい」って冒頭からもう胸が締め付けられた。腕を切るシーン、静かなのにすごく生々しくて、ただ読むしかできなかったよ。 若井くんがちゃんと“覚悟”してきたのが伝わってきた。「元貴の事は大好きだからね」って抱きしめる言葉、嘘じゃないって分かる感じがした。 最後の「誓って僕のことを裏切らないで」っていう祈りのようなセリフ、すごく響いた。 続き、気になるな……。