テラーノベル
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「今日もいい天気ですねぇ…」
菊は家の縁側にちょこんと座り、雲一つない空を眺めて呟いた。
「…公園へお散歩でもしましょうか」
最近運動していなかったですし、と湯呑みを持って腰を上げた。
お昼を少し過ぎた頃だが、人は疎らだった。
「…ここが丁度良さそうですね」
公園の中にあるベンチに腰掛け、手に持っていた本を開く。
「書店に寄って正解でした……そうでもしないと家に直帰してぐうたらしてしまいますし…」
と言い、自分の言葉に思わず笑ってしまった。
菊は静かに、時々少し楽しそうに本を読み進めていった。
「今日祝日でせっかく学校休みってのになんで公園ー?」
「たまにはいーじゃん別に!
お目当てのスタバの新作も買えたでしょ?」
「まぁそうなんだけどさー……
………ん?」
「え、どした?」
「なんっかこの人見たことある気が…」
「はー?私全然わかんな……
……あ!!」
「え分かった?」
「ほら!あの人だよ!
えーと、この前ショッピングしてた時にいた美少年!!」
「そーだ!その人その人!!エレベーターのね!」
「わーこんなとこで会うなんてやばー…」
「会うって言っても寝てるじゃん笑」
「そうだけどさー……」
と言い、2人は黙り込むと、
「「…………… かわいい……」」
と声を揃えて呟く。
「………また写真撮ってもいいかな…」
「いや駄目でしょ……めちゃくちゃ撮りたいけど」
「ってかやば!映画見るの忘れてた!!」
「えまじ?今から行く?」
「うーん…撮りたいけど映画行きたい……
どうしよ……」
「ふぁぁ…………
へ、……ね、寝ちゃいました……」
と言って伸びをすると、横に何かメモ書きのようなものがあることに気がついた。
「?なんですかこれ……
『勝手に写真撮っちゃいました♡』………
ど、どどどどういうことですか……?!」
ついさっきまで眠たかった脳が完全に起きてしまうほど驚いた様子の菊であった。
「ぶち◯す…ぶち◯す……」
「特定できたか?」
「ちょっと僕じゃ難しいかもねー…でも絶対捕まえるからね…♡」
「我の大切な菊をよくも撮ってくれたあるね……早く名乗り出るよろし…!!!」
「『寝顔を撮られた』なんて言うもんだから全員おかしくなってしまったな…」
「すみません……あまり心配かけさせてしまうつもりはなかったのですが……」
「心配の域を超えてるがな……」
ルートヴィッヒは色んな感情をごちゃ混ぜにした特大のため息を吐いた。
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★第6話参照です。
最近自分の書く「セカキク」が「ガチもののセカキク(一般の人も含めの菊以外の人々→菊)」になっているような……🤔笑
コメント
1件
その写真いくらですが!?くれ!あ、まってください菊のセコムがぁぁぁぁぁぁ!?