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うりゅ
15
#渡辺翔太
クリオネ?
735
コアラと木の実
2,530
抱きしめられたまま。
〇〇の呼吸は、まだ乱れている。
「……れん……」
かすれる声。
その瞬間。
ズキン――
頭に、強い痛みが走る。
「……っ」
〇〇の体が、びくっと揺れる。
「〇〇?」
すぐに気づく
目黒蓮。
「……っ、あ……」
視界が、ぐらぐら揺れる。
海。
笑ってる顔。
手を繋いで歩く影。
「……これ……」
声が震える。
「……知ってる……」
一気に、流れ込んでくる。
初めて出会った日。
何気ない会話。
ふざけ合った時間。
「……やだ……っ」
頭を押さえる。
「……っ、やだ……っ!」
「〇〇!大丈夫、大丈夫だから!」
蓮が必死に支える。
でも止まらない。
“消したはずの記憶”が、
全部、戻ってくる。
「……っ、なんで……」
別れた日の自分。
何も言わずに去った背中。
「……私……っ」
涙が止まらない。
「……逃げた……」
蓮の体が、固まる。
「……怖くて……っ」
声が崩れる。
「……蓮が遠くなるのが……怖くて……っ」
抱きしめていた手が、震える。
「……だから……っ」
「……消えた……」
全部、思い出した。
全部、自分で壊したことも。
「……ごめん……っ」
「……ごめんね、蓮……っ」
顔を覆って、泣き崩れる。
「……ひとりにして……っ」
「……あんなに大事だったのに……!」
その言葉に。
蓮は、何も言わずに抱きしめる。
強く、強く。
「……ばか」
ぽつりとこぼす。
「……なんで一人で抱えてんだよ」
声が震える。
「……なんで言わねぇんだよ」
〇〇は首を振る。
「……言えなかった……っ」
「……隣にいちゃいけないって思って……」
その言葉を、途中で止められる。
ぎゅっと、さらに強く抱きしめられる。
「……誰が決めたんだよ」
低くて、でも優しい声。
「……俺の隣は、お前だけだって言ってんだろ」
〇〇の涙が、さらに溢れる。
「……でも……っ」
「でもじゃねぇ」
顔を上げさせる。
まっすぐ、目を見て。
「……好きだよ」
迷いのない言葉。
「……ずっと」
〇〇の呼吸が止まる。
「……いなくなっても、忘れられても」
声が少しだけ震える。
「……それでも、好きだった」
涙が、静かに落ちる。
「……今も」
その言葉で。
〇〇の中の何かが、完全に崩れる。
「……っ、れん……っ」
名前を呼んで、抱きつく。
「……好き……っ」
やっと言えた言葉。
「……好きだよ……っ」
声がぐちゃぐちゃでも、
想いだけははっきりしてる。
蓮は、ゆっくり目を閉じる。
「……やっと聞けた」
少しだけ笑って、
〇〇の頭を撫でる。
「……遅ぇよ」
でも、その声は優しかった。
「……ごめん……っ」
「もういい」
優しく、言い切る。
「……戻ってきたなら、それでいい」
〇〇は何度も頷く。
「……もう、どこにも行かない」
その言葉に、蓮は少しだけ目を細める。
「……約束な」
「……うん」
指を絡める。
今度は、離さないように。
窓の外。
同じ海。
あの日、止まった時間が――
やっと、動き出した。
コメント
4件
初コメとフォロー失礼します。 めっちゃ泣きそう・・・・・・・・・・・・・(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`) これ、続編ありますか?
「全部、戻ってくる」…もう、胸がぎゅってなった😢 記憶が戻る瞬間の苦しさと、蓮くんの「ずっと好きだった」っていう言葉が、すごく響いた。 やっと言えた「好き」、最後の「今度は離さない」っていう締めくくり、本当に美しかったです…。 2人の時間がやっと動き出した感じがして、読んでてこっちも泣きそうになりました🥀🤍