白く長い廊下。雨の音が響いている。ここはどこだろう──────。
私の名前は──ジウとでも言っておこう。
今の地球は前みたいに豊かだったとは言えない。どこも水没して水浸し。世界中が大きな湖のよう。
私はとある施設にいた。母親、父親はおらず、ましてや人は一人もいない。私がどうやって産まれたのかもわからなかった。
食べものは施設にたくさんあったため一応それで生き延びることはできた。でも食料には尽きがある。7歳のとき私はその施設をでた。食料を探しに。
今は15歳。私の日課は食料探し。この地球が水浸しのせいで食料はほぼ駄目になっている。何時間も探すことが度々あった。そして古くひび割れた建物を見つけた。私は一瞬で見惚れた。
私は中に入った。広い玄関が私を待っていたように感じた。私の靴音がカコンカコンとよく響いている。植物がたくさん生えていてまるで物語の世界に入ったようだった。
少し進むと歪んだ空間があった。私は好奇心で進んだ。すると先ほどとは違う景色になり、白く綺麗な建物の中にいた。
ここはどこだろう。
少し探索していると食料が入っていそうな倉庫を見つけた。私は急いで開けた。そこには一部腐ったパンや缶詰などが置いてあった。私はありがたくもらい帰ろうとした。
だが、出口は見当たらない。
「え?」
私はとても焦った。帰れなかったらここで過ごすのか、よくわからない空間で一生を過ごすのか、たくさん妄想が膨らんだ。
すると
「あれれー?」
と声がした。
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