「ガッハハハハハハッ お前のわがままのせいでこの島の全員が死んだぞ!!ガハハッッ」
違う。違う違う違う。
私のせいじゃない、、、。
私のせいじゃないよね、、、??
「初めから俺たちに着いてきていれば誰も死ななかったのになぁ」
「私、、の、、、、、」
私は怖かった、、怖かっただけなのに、、、、、、。
なんで、みんながこんな目に、、。
「私のせい、、なの、、、?」
「当たり前だろよ。お前のせいだ」
憎たらしい目つきでそう告げられた。
あぁ。私のせいなんだ。
「さぁ、もうこりただろう。ほら行くぞ!」
みんなごめんなさい。
ごめんなさい。
私のせいで、、、ごめんなさい。
ごめんなさい。
「ごめんなさい。ごめんなさい」
「おい!!!おい!大丈夫か!?」
だれ?
私のせいでみんなが犠牲になったのに、 私を心配してくれているの?
なぜ?
「おい!アイリス!!」
「はっ、、、はぁはぁはぁ」
あれ、夢だったのかな、、?
いや私の過去か。
「大丈夫か?ずっと謝っていたけど」
「サボ、、さん」
手が、暖かい。
手を握っていてくれたのかな。
「大丈夫です。ごめんなさい、、」
「謝らくていい。無事で良かったよ」
ねぇ貴方はなぜそんなにも優しいの?
なぜ私の手を握ってくれるの?
なぜ?
「落ち着いたら着替えて、食堂に行こう」
「もう大丈夫だから着替えるね」
「あぁわかった。じゃあ俺は外に出とくから。あと着替えはその袋の中にあるから好きなの着てくれ。」
「ありがとう」
サボさんが部屋から出ていくのを確認してからベットをおりる。
言われた袋の中には、2種類の服が入っていた。
1つは、白いカッターシャツと紺色の半ズボン。それに靴と手袋、リボンまで入ってる。
もう1つは、ピンクがモチーフのワンピースと薄手の上着。水色の靴だった。
「これ全部セットの服かな」
ピンク色はあんまり似合わないから紺色ベースの方の服にしよう。
「こんなちゃんとした服いつぶりだろう」
着替えをすまして、机の上に置いてあったブラシで髪の毛をとかす。
昨日海に入っていたはずなのな異様に髪の毛もサラサラだし、体もベトベトしていない。
「誰かがお風呂に入れてくれたのかな」
女の人いたっけな。
「どっちにしろ感謝だけどね」
身だしなみを整え、部屋の扉を開けて周りを見渡して、サボさんを見つける。
「サボさん。お待たせしました」
「あぁ、全然大丈夫だよ」
やっぱり笑顔が良く似合う人だな。
「あの、服ありがとうございます。こんなにいいものを」
「いやいや。昨日行く予定だった島に今日の朝着いて、買ってきたやつだから」
そうだったんだ。
優しいなぁ。
「じゃあ行こうか」
サボさんに連れられ船の中の食堂に向かう。
「そんなに緊張しなくても大丈夫だよ」
「あっバレました?」
「バレるとも。さっきから少し震えている」
「さすがに初めてお会いしますから」
「大丈夫だ。さぁ入ろう」
勇気をだしてドアノブに手をそえ、扉を開く。
するととてもいい匂いが扉の隙間から漂ってきた。
「おーい。みんなちょっと注目」
サボさんがみんなに声をかけると賑わっていた食堂は沈黙が増した。
「昨日、助けた人が無事に元気になりました。しばらくの間この船にいるから仲良くな」
「「「おぉー!」」」
わぁっと歓声が上がり、一気に場が明るくなった。
「よろしくお願いします」
一礼しながらサボさんに連れられコックさんの前まで移動する。
「何食べようか?今日は、カレーとオムライスだな」
「オムライス、、、オムライスがいいです!」
オムライスは私が1番好きな料理だ。
小さい頃によく特別な日に食べてたからなぁ。
「じゃあ俺もそうしようかな。おい、オムライス2つくれ」
「任せてくだせぇ」
そうしてオムライスをおぼんごと渡され、水をもらい、席についた。
「「いただきます」」
トロトロの卵とケチャップライスがしょっぱくもなく甘くもなく。ちょうどいい。
「オムライス好きなのか?」
「えっ?」
顔に出てたのかな。
恥ずかしい。
「いやとても美味しそうに食べていたから」
「あはは。その通りです」
「うちのコックが作る飯はどれも美味いけど、俺の1番のおすすめはこのオムライスだなぁ」
「そうだと思います!だってとっても美味しいもの」
あっ、しまった。つい調子に乗っちゃった。
「あっあの、、」
「お前、そっちの顔の方がいいと思うぞ」
え?顔??
「この船に来てからずっと真顔っていうかなんか肩苦しい感じの顔だったけど、さっきの顔は笑ってて幸せそうだ」
「幸せ、、、」
私が幸せそうな顔をしてたの?
「まぁそっちの顔の方が可愛いって意味だ」
「えっ、、、可愛い?」
「あっまっ間違えた!!忘れてくれ!」
いやいやいやいやいや。
忘れられるわけないでしょ!
「そういえば今日、飯食い終わったあと革命軍の幹部会議があるんだがそれにアイリスも主席してくれないか?」
「それって私もいていいやつなの?」
「もちろん。それに今回の会議はアイリスのことも関係してるからな」
「わかった」
私が関係している会議ならでないといけないと思い、サボさんには了承しておいた。
「はぁ食った食った」
「サボさん食べ過ぎだよ。まさかオムライス3杯も食べちゃうなんてね」
「まぁそう言わずに、な?それと幹部会議はここの地下で行われるから、ついてこい」
そういわれサボさんのあとを大人しくついて行く。
サボさんに連れられ部屋に入ると、食堂にいた人達が何人か椅子に座っていた。
「あら、いらっしゃぁーい」
「あっはい!」
はじめて声をかけられたのはなんか顔が大きめの声が高い女?の人だった。
「みんなお待たせー」
「またたらふく飯を食ってたのだろう」
奥の方の椅子に座っていた顔に傷のある人がちらっとこちらを見ながら言った。
貫禄のある人だ、、。
「その通りです、ドラゴンさん」
ドラゴンさんっていうんだ。
「じゃあみんな揃ったところで、革命軍幹部会議をはじめる」
ドラゴンさんがそういうと賑わっていた室内が一瞬で静まり返った。
リーダーの人なのかな。
「まず、単刀直入に聞くが、アイリスさん」
「はい」
「行くあてがないのなら革命軍に入らないか?」
ドラゴンさんがまっすぐ私を見つめていた。
まるで心の中を見るように。
「私を革命軍に?」
「そうだ」
「実はアイリスが黒ひげに裏切られたと知ってからずっと話していたんだ」
サボさんが隣から顔を覗かせて言った。
あの優しい笑顔で。
入りたい。
それでも、私には背負っていかなければいけない責任がある。
島の人たちの犠牲を背負って生きていかなければいけない。
でも、願いが叶うのであれば。
「アイリス。君の”居場所”はここにあるぞ」
そっと手を握られ今にも消えてしまいそうな声でサボさんは言ってくれた。
私が1番言って欲しかった言葉だ。
“居場所”。
それは私が黒ひげ海賊団に囚われる時に無くしたもの。
二度と私にはないはずのもの。
気づけば私は顔を涙で濡らしていた。
ここにいる人たちはみんな心が温かい人。
私とは遠く離れている存在。
だけど、あなた達の仲間になりたい。
仲間になって、私のせいで犠牲になった人達の分も強く生きたい。
だから、わたしがくだす決断は一つだけ。
「私を革命軍に入れてください」
この選択があとの未来にどう影響するかはわからない。
けど後悔はしたくない。
私は、強く生きたい。
ただそれだけなんだ。