「まゆっ!」
誰かが私を呼ぶ声がした。
振り返ってみると、見覚えのある男子が 一人こっちに走って来るのが見えた。
「冬夜(とうや)!」
私は彼に駆け寄った。
今は夜の遅い時間帯だからか誰もいない。
だから、なぜ彼が外にいるのかが
気になった。
「なにしてるの?」
と、私は思わず彼に聞いた。
「まゆこそこんな時間になにしてんの?」
「私は塾の帰りで・・・」
私は途中で言うのをやめた。
なにか言いたそうな顔で私を見てたから。
「どうしたの?」
だから、つい聞いてしまった。
彼は戸惑いながらも口を開いた。
「実はまゆに言いたいことがあって・・」
彼は言葉を続けた。
「ずっとまゆのことが好きだった。
だから、俺と付き合って下さい!」
はっとなって目が覚めた。
カーテンの隙間から太陽の光が入ってきていて、とても眩しかった。
「またこの夢か・・・」
この告白をされた日からいったい何度見たかも忘れるくらい見たこの夢。
頭をブンブンと左右に振った。
深呼吸をして、
「よしっ!行くかっ!」
重たい気持ちを切り替えて、ベッドから 起き上がった。
「行ってきまぁ〜す!」
支度などを終わらせ家を出る。
今日から高校生活2年目がスタートする。
クラス替えが楽しみでウキウキ気分!
そんな浮かれ気分の私の名前は、
野川 真優香 (のがわ まゆか)
みんなは私のことを美人とか可愛いとか
言うけどさ、他のみんなの方が可愛いって 私は 思う。(うっかり屋さんとも言われる)
「まゆっ!」
家を出てすぐに
少し高めのハッキリとした声が聞こえた。
「りんりんっ!」
彼女は私の幼馴染みの
朝倉 凜 (あさくら りん)
美人でお姉さん系で私の頼れる大親友!
思ったことが全部口と顔に出ちゃうタイプだから裏表がなくて親しみやすいらしい。
(同級生情報より)
家近所なんだよっ! (ボソッ)
「あんた誰と話してんの?」
「・・・」
「ほら、もう着くよっ!」
しばらく歩いて行くと学校が見えてきた。
「ねぇやっぱり私達皆に見られてるよ?」
私が言うと
「1年のときからなんだから、まゆも少し は慣れたら?」
「絶対悪口言われてるよぉ〜」
「大丈夫だってばっ!」
『やっぱ、野川さんと朝倉さん可愛いな』
『あんな美女何回見ても目を疑うぞ!』
『やばいっ!可愛すぎる!』
『女子の憧れよねぇ〜あの2人は』
そんな皆のコソコソ話も凜の地獄耳にかかれば、すべて聞こえているのだ。
自分のクラスを確認する。
「「一緒だっ!」」
ウキウキ気分で教室のドアを開けると
「あっ!おはよぉ~!」
「よぉ、遅かったな」
真っ先に挨拶をしてくれた2人の男子。
「「2人共おはよぉ~!」」
ひとまず、挨拶を返す。
この2人は私とりんりんの幼馴染み
蓮宮 怜 (はすみや れい)
岩嶺 梓 (いわみね あずさ)
で、4人合わせて「幼馴染みS」って皆から言われてるんだよっ!
「皆同じクラスになったんだねぇ〜!」
私が言うと
「奇跡じゃない!?」
と、梓が嬉しそうに言った。
「なんか、動物園になりそうね・・・」
と、りんりんが肩を落とした。
「心臓保たねぇかも・・・」
って、怜まで険しい顔をしている?
「「??」」
私と梓だけは、お互い顔を見合わせ
何が起こっているのか理解不能だった。
(これからの学校生活どうなるんだろう)
そう思った
クラスメイトなのであった・・・
〜続く〜
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