【sho side】
テレビ台と壁の間にいたその小さな男の子はこちらに気が付くと、後ずさりをした。
sho「あ、ちょちょちょ!!!そっちは埃とかあって汚いやろうからこっちきぃや!」
テレビ台と壁の隙間は前まではくそ親父専用の棚を置いてたんやけど、それどけてからちょっともの置き場として使ってて、あんま掃除しーへんし…ってかどうやってこんな小さな隙間入ってん!!!
(隙間は30センチくらい)
しかし、その男の子がこちらに来る気配はなかった。
すると、俺らの様子を見てたutが男の子に声をかける。
ut「えっと、いきなり話しかけられてびっくりしたよな」
「質問なんやけど、カレー作ったり、風呂沸かしたりしてくれたんは君かな?」
男の子はうつむいたままだったが、やがて静かにうなずいた。
ut「そうなんや、わざわざ用意してくれてありがとう」
「君はもうご飯食べたん?」
すると男の子は首を横に振る。
ut「とりあえずこっちにきてくれへん?明るいとこで話そうや」
utがそう言っても、男の子が出てくる気配はなかった。
ut「出るのが嫌、?」
男の子は縦に首を振る。
ut「そうか…」
確か5歳って言ってたよな、、、
じゃあこれ見せたらこっち来てくれたりしーへんかな…
sho「ほら、おいで~猫ちゃんのぬいぐるみが待ってるよ~?」
猫のぬいぐるみをゆらしながら見せると、少し息をのむ音が聞こえた。
そして、男の子が少しずつ顔をこちらにのぞかせる。
ut「おぉ!ナイスshoちゃん!」
sho「この前、zmとゲーセン行った時に取ってんよ~、取ってて正解やったな」
そう話すのも束の間、俺らはその男の子の恰好を見て、息をのんだ。
そう、今真冬なのにも関わらず、その子は薄手の長袖服1枚しか来ていなかったからだ。
そして、その服の隙間から見える体には痣や火傷の痕があった。
sho「……虐待、、」
ut「やろーな、、」
てことは、俺らのお母さんになった人はやばい奴なんやろな…
ut「…ご飯よりも風呂やな」
そう呟いたutは男の子に近づく。
それと同時に男の子は後ろに後ずさる。
ut「まず、お兄ちゃんたちと一緒に風呂入ろっか!」
しかし、男の子はutの言葉を聞いた瞬間、首を横に振った。
sho「お風呂に嫌な思いしたりしたんかな…」
ut「可能性はあるよな、」
う~んって2人で悩む。
sho「お風呂も、沸かしてくれたんだよね?」
男の子は頷く。
sho「俺らのために掃除もしてくれたんだよね、」
「一緒に入ったらきっと、気持ちいいよ?」
ut「な?風呂入ろ?」
男の子は少し悩んでいるようだったが、やがて頷いてくれた。
sho「…!!じゃあ行こっ!!」
男の子の手をつなごうとしたが、なかなか手を差し出してくれない。
まぁそりゃ怖いか…
どうにか風呂に連れてきて、服を脱がせることには成功したけど…
ut「さすがに最初から入るのはダメか…」
入ってくれない!!!
やっぱり何かあったんだろうな…
小さく震えている。
sho「だ、大丈夫!ほら、あったかいよ?」
少しお湯を出してみる。
それでも震えたまま立っている。
sho「じゃあ…ほら、こっちおいで?」
浴槽に入り、男の子の方へ手を伸ばしてみる。
sho「あったかくてきもちいいよ?」
「あ、風呂からあがったらさ、一緒にご飯食べよ?美味しいスイーツも買って来たんだ~、ね?」
そう言うと、男の子は少しこちらに近づき、手を伸ばしてきた。
その手を取り、浴槽へとゆっくり誘導する。
浴槽に入ると、男の子はあったかい、というような安心した顔をした。
身体を洗おうと提案はしたが、やはりまだ警戒心はあるらしく、怖がっていたので今回はやめておくことにした。
震える小さな身体をバスタオルで綺麗に優しくふいていく。
そして、俺らが昔着ていた冬用の服をutが持ってきてくれていたたので、着せてあげた。
俺が男の子の世話をしているうちに、utがパチンカスに名前を聞いてくれたらしい。
どうやら「shp」というようだ。
sho「よし、じゃあshpくん!次は一緒にshpくんが作ってくれたカレー食べよ!!」
shpくんは無反応だけど、最初よりかは話を聞いてくれているように感じる。
俺らが、shpくんを支えていかなきゃな、!!
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