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💡が機械だったらif。バグで声が不完全な状態に。
ご本人様とは関係ありません。
💡視点
オレは全身が機械である。このことは誰かに言っている訳ではない。
この体はオレが自分で作った。だからこの様な、バグが起こった時。そういう時は自分1人で直さなければならない。
「あ、縺?」
前にも1度だけバグが起こったことがあった。その時は複雑なものでは無かったためすぐに直せたが、今回のバグはそういう訳にもいかない。かなり複雑になっている。発声が上手くできないのだ。これでは修理に結構かかってしまう。つまり、それまでヒーロー達に会ってはいけないのだ。何せオレが機械であることを誰かに知られたくない。特に西の誰か。西では機械技術は受け入れられていない。Dyticaなら受け入れてくれる、そうは思っているがやはり心のどこかではそれを否定する気持ちがある。とにかく直せるまでは誰にも会わないようにしなければ。
「逍イ繧後k縺ェ縺…」
疲れるなぁ、なんて呟きを小さく声に出した。先程より聞き取れるところは少なく、もう完全に分からない状態になってしまった。これでは好きな歌も口ずさむことはできないし、喋ることもできない。気分が下がる。
とりあえず明後日までは仕事はキャンセルさせてもらい、直すことに専念する。
早速ダメになった部分に手を付ける。作るのに一番手間がかかった部分だ。壊れれば直すのも難しい。万事休す、どうしたものか。
行き詰まってしまった時は休むのが良い。そう頭の中で結論付け、少しだけ遅めの二度寝をすることにした。
ピーンポーン、と家のインターホンが鳴る。とても焦っている。今日なにか用事があったか思い返してみるとDyticaで遊ぶ予定があったことを思い出した。バグのせいで完全に忘れてしまっていた。ここでもまた万事休す。
覗き穴で誰がいるのか見てみると、そこにはロウだけだった。出るかどうか迷っているとまたインターホン押されたので仕方なく出てロウだけには説明することに決めた。あまり乗り気ではないが仕方がない。意を決してドアを開ける。
「あ、なんだいたのかよ…ちょー焦ったわ」
「縺斐a繧薙#繧√s!」
「え?…はぁ?何言ってんだお前」
手に持っていたスマホに打ち込んで経緯を説明する。『体の一部がバグったから今日は行けないよ、みんなには体調不良とでも言っておいて欲しい。』
「分かったけどなんでそんなになった?」
『言っても今までと変わらずいてくれる?』
「おう」
『誰にも言わないでね』
「おう」
『オレ実は体全部機械なんだよね』
「…」
ロウは少し目を見開いて驚いた表情をする。返事は無い。ロウなら、Dyticaのみんななら受け入れてくれるかもしれない、と思い打ち明けたがやはり西では相容れない、それがここでの機械技術だ。
もう、一緒には居てくれないの?
声に出したって誰にも届いたりしないから声には出さない。涙が出そうで今すぐ1人になりたかった。ロウは何を思ったのだろう、オレが機械だと知って。
「いつ直んの」
「縺…」
思わず声に出してしまった驚きの声。伝わらないことを思い出しスマホに打った文字を見せる。
『明後日くらいかな』
「…よかった。一生それなんかと思った…」
思わず笑ってしまう。この白狼は思っていたより一層仲間思いだ。
『ロウが黙り込むからオレびっくりした』
泣きそうだった、ってことは黙っておく。
「そりゃビビるだろ。急にオレ機械なんだよね、なんて言われたら」
『そりゃそうか』
「あ、もう10時だし行ってくるわ。体調悪いって言っとけばいい?」
『うん、よろしく』
「りょーかい」
ロウが帰ったのを見届け、部屋に戻る。オレは西で理解のない機械技術を、文字通り己を費やしてまで磨いてきた。それでもこの地域では理解されなかった。それをロウは何事も無かったかのように居てくれて。今まで否定ばかりされてきたオレはそれだけで嬉しかった。
オレがこれからみんなに追いつけるくらい強くなれるか、なんて分からない。でもそのためにオレは頑張ってきた。これから理解されなくたって、否定されたって、1人でも味方がいれば。
オレは大好きな機械を撫でた。