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-『なぁ、柳原ッチ!何黙っ…」
そこにいると思っていた人はいなかった。
『ちぇー、やっと分かり合えたと思ったのにな、』
『でも、少しは変わったと思います。もう少し時間をかけていけば、昔のように…』
昔のように、3人で。いや、今は5人で守ることができる日が来るかな。
『さて!戻るか!』
『はい、戻りましょう。』
蒼ッチと拠点へ戻る。-
-また、定位置に戻る。
ここは人がいない、
廃墟と化したマンション。
今はいない、師匠との思い出のある場所。
『ありがとう。助かった、師匠…』
その声は、風に乗ってどこかへ消える。
『・・・』
そこに、師匠が使っていた銃が置いてある。
『俺は…どうしたらいい?』
返事は返ってこない。
昔も、ヒントばかりで、
答えなんて教えてくれなかった。
まぁ、答えなんてないんだろうな。
でも、今もそれから逃げていた。
全て、アイツらのせいだ。
俺に間違いを教えてきた、
間違いを正しいことと教えてきた、
親のせいだ。
そのせいで、
多くの人を傷つけてしまった。
人を幸せにする方法は知らなかった。
あの時まで、
あの子と会うまで、
助けたつもりではなかった。
気に食わない奴らが小さな女の子を囲んでいた。
俺は気にせず、気に食わない奴らを蹴散らしただけだった。
なのに、その子はお礼を言ってきた。
それから人を助けることの良さ、お礼を言われる嬉しさを知った。
そして、アイツと会った。
学校で、浮いていたアイツは俺に、
人助けをしないかと聞いてきた。
ダサいと、ガキかよと、
多くの人がバカにしていたのに、
俺も、意地悪ばかりしていたのに、
アイツはにこにこ笑っていた。
俺は、
そんなアイツにいつのまにかひかれた。
『五十嵐、お前は蒼がいなきゃバカばかりして、本当にバカだよ…』
でも、おかげで、
師匠と会えた。
俺も変われた。
『そして、俺も、』-
僕は、無法地帯を出る。
そして、家まで帰る。
その前に、
『琥珀さん、お昼どこかで食べる?』
もうお昼だ。
『うん、どこかで…』
と、
急に、近くで足音が聞こえる。
近づいてくる。
!
気づくと、
腕に注射器が刺されていた。
『いたっ!』
グッと押さえつけられ、
中の液体を入れられる。
『やめろ!』
僕は手を振り払って、抵抗した。
そこに、
フードで顔を隠した怪しい男が立っていた。
あの時の男か?
違う気がする。
僕は、琥珀さんを守ろうとした。
が、
眠い…
目が…勝手に……、
『なに…を…した、』
視界が狭くなる。
視界が斜めになる…
最後まで、男の怪しく笑った口が見えた。
『甘ちゃん!』
琥珀さんの声が聞こえた気がする…
けど、もうどうすることも出来なかった。