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蒼い彗星 山口ひまりの新鮮な気持ち
今回もクラスメイトのモブキャラの話です。
山口ひまりは、青いボブヘアを軽く揺らしてモニターに向かっていた。
画面の中では銃声と爆発音が響き、味方のサポート要請が飛び交う。彼女の能力「ゲーム内予知」が冴え渡る瞬間だ。敵の弾丸の軌道が、まるで慢動作のように頭の中に浮かぶ。ひまりは軽やかにステップを踏み、すべてを回避した。
「当たらなければどうということもないよね!」
チャットにそう打ち込み、反撃のトリガーを引く。予知した敵の移動先に正確に弾を送り込み、キルログが連続で流れる。
敵チームからは「蒼い彗星」と恐れられ、味方からは「勝利の女神」と呼ばれていた。ゲームの中では、彼女に敵なしだった。
そんなある日、いつものメンバーからオフ会の提案が来た。
現実で会うのは初めてだ。最近はTS法案の影響で国民のほとんどが美少女化しているとはいえ、実際に会うとなるとドキドキする。
ひまり自身も女の子が大好きだったから、余計に緊張した。
待ち合わせは、都内の有名なワンちゃん銅像の前のはずだった。
ところが当日、人混みがひどすぎると連絡が入り、急遽渋谷スクランブル交差点近くのパワーストーン店前に変更になる。
店頭にどでかいアメジストが置いてあるから分かりやすい、という理由だった。
「パワーストーン?まあ、目印にはいいよね」
ひまりは青髪を指でくちゃくちゃと弄びながら、店の前で待った。
「お待たせー! ひまりんだよね?」
声のした方を向くと、そこに立っていたのは黒髪をポニーテールにまとめた美少女だった。
制服ではなく、胸元がやや開いた白いブラウスに、短めのプリーツスカート。
ひまりは思わず固まった。
クラスメイトの、宮本遥だった。
「ご、ごめんね。ほかのメンバーは今日都合つかなくて、来たの私だけなんだ」
遥は少し恥ずかしそうに、頬を染めながら説明した。クラスでは真面目で努力家、成績上位のイメージしかなく、ゲームをやっているとは夢にも思わなかった相手だ。
しかも、ひまりのサポートをいつも的確にしてくれていた「ハルカ」が、彼女だったとは。
「なんで鳩が豆鉄砲食らったような顔してるの?」
遥が屈んで、上目遣いにひまりの顔を覗き込んでくる。その動作でブラウスの隙間から、紫陽花色のブラと、わずかな胸の谷間がチラリと見えた。
ふわっと花のような甘い匂いがして、ひまりの頭がくらくらする。
(Bカップって聞いてたけど……83あるからか、意外とたわわ……)
自分とほぼ同じサイズなのに、なんでこんなに目が行ってしまうのか。
遥はゲームの中では冷静で頼れるサポーターだったのに、現実ではこんなに甘い匂いをさせて、上目遣いで迫ってくる。
「勉強の合間に気晴らしでゲームしてるの。ひまりんのことは、山口さんだって気づいてたよ? ゲームの中でずっと仲良しだったから、大好き」
遥がそう言った瞬間、ひまりの顔が熱くなった。
ハンドルネームで呼ばれるのも、クラスメイトにバレていた事実も、全部が新鮮で恥ずかしい。
「どうする? 何か食べに行く?」
また上目遣い。また谷間と、少しずれかけたブラが見える。ひまりは慌てて視線を逸らした。
「どうしたの? いまさら恥ずかしいの?」
そう言いながら、遥は自然に腕を組んできた。柔らかい胸の感触が、ひまりの腕と脇にぎゅっと押し当てられる。
女の子同士なのに、心臓がうるさいほど鳴る。鼻血が出そうになるのを、ひまりは必死で堪えた。
二人はスクランブル交差点近くの、個人経営の高級ハンバーガーショップに入った。
内装は本格的なウエスタン調で、ハンバーガーは一つ1500円以上する。
注文を済ませ、席に座ると、遥はテーブルを挟んでひまりの方に身を乗り出した。
「やっぱり現実で会えて嬉しい。画面越しより、ずっと可愛い」
ハンバーガーが運ばれてくると、二人は自然と距離を縮めて食べ始めた。
ひまりがソースを頰につけてしまったとき、遥は何の躊躇もなく手を伸ばし、親指でそれを拭い、そのまま自分の口に運んだ。
「ん……甘い。ひまりんのソース」
次にまたソースがついたとき、今度は顔を近づけ、そっと舌で舐めた。
ひまりの頰に、温かくて柔らかい感触が残る。そのままの勢いで、遥は頰に軽くキスをした。
「んっ……」
ひまりが小さく声を漏らすと、遥は悪戯っぽく笑って抱きついてきた。
テーブル越しに上半身を預け、胸をぴったりと押しつけてくる。
柔らかい感触が、ブラウスの上からでもはっきりと伝わってくる。花の匂いが、また強くなった。
「ゲームの中でも、近くにいたかったな」
遥の吐息が耳にかかる。
ひまりはハンバーガーを持つ手を止め、顔を真っ赤にして俯いた。
嫌いじゃなかった。むしろ、鼓動が早くなりすぎて困ってしまうほど、嬉しかった。
食事の間中、遥は何度もソースを舐め取り、頰にキスをし、胸を寄せて抱きついてきた。
ひまりはそのたびに小さく身をよじりながらも、振り払うことはしなかった。
むしろ、遥の優しさと大胆さに、少しずつ心を許していく自分に気づいていた。
店を出た後、夕暮れの渋谷を並んで歩く。
どうやら、自分は彼女を好きになりそうだった。
コメント
1件
うわあ、この距離感がたまらないですね!ゲーム内で完璧な「蒼い彗星」だったひまりが、現実の遥の甘いアプローチに完全に翻弄されていく様子がもう…。女の子同士だからこそ照れが隠せなくて、でも拒めなくて、心臓がうるさいって描写がすごく伝わってきました。ソースを舐め取るシーン、えっちで良かったです(笑)。ひまりが「好きになりそう」と自覚するところで終わるの、続きが気になりますね!
#ミステリー
AK@アキ
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