テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

願わくば

一覧ページ

「願わくば」のメインビジュアル

願わくば

3 - 青龍、師となりて

♥

24

2025年11月09日

シェアするシェアする
報告する

今年初めて風邪を引きました。

今年ももう直ぐ終わりますね……





・実在する人物を用いた創作話です!

・色々と捏造など個人的見解などで当小説は作成してます!

・そのキャラの口調がはやふやになってる所があるかもです!

・本人様達とは関係ないので、本人様達に繋がるようなご迷惑行為はお辞め下さい!

・本人様達の解像度は低いので(キャラ崩壊)無理な方は速攻閉じてください!

・誤字や矛盾してる箇所があったりしますが、その時は指摘お願いします!!


ー完全オリジナルー

なので、造語だったりもう一度言いますが、捏造ばかりだったりしますので、苦手な方やそーゆーのちょっと…って方は『運命』って感じのタイトルにコメントお願いします!

なるべく、四神の要素を沢山入れつつ頑張ります!!










あの日から早くも数年。まずは、知識と体づくりを。その土台を築くべく、三柱を我が手にて育てることとした。

「白虎。びゃっ、こ…」

「あっお!あぁっお!」

……のだが、育てるという行いがそう容易きものではないと、しみじみ思い知らされる。

自分の名前を理解している筋はあるようで。

「惜しいところまでは来ているんだけどな…」

ふぅ、と軽く息を吐く。そして頭を捻る。どうしたものかと考えていてふと、気付く。

「朱雀…?」

目の前にいるのは白虎と玄武だけ。

僕は慌てて周りを見渡す。

朱雀だけが居ない。

机の上、窓辺、棚の上。見える限りの場所をざっと見渡しても、影も形も見当たらない。

まさか、なんて思いつつ上を見上げた。

「…っはぁ”っ?!なんでそんな所にいるんだよ!」

天井に吊るされた大きな飾り灯の上。

そこに乗っかかっている朱雀の姿が。

羽をパタパタを広げて、今にも飛びそうな___。

僕はハッとなって、手に抱えていた白虎を布団の上に下ろす。

「あぁうっ!!」

なんて可愛らしい声を上げたのも束の間、飾り灯の上よりふわりと身を躍らせ、そのまま飛び降りる。

背に備えた小さな翼を、ぱたぱたと懸命に羽ばたかせる。

だが、まだ幼き身には空を掴む力はなく、浮かぶ術もない。

朱雀はそのまま落下。

そんな朱雀を僕はすかさず腕を伸ばし、寸前のところでその小さな体を腕の中でしっかりと受け止めた。

「…はぁ、危ない…」

胸を撫で下ろす僕の嘆息とは反対に、 腕の中では朱雀が嬉しげにキャッキャと声を上げている。

どうやら本人にとっては、まるで遊びの延長だったらしい。

僕の心配など、何処吹く風だ。

それに、再び手を離してしまえば、今度も懲りずに、同じ騒ぎを繰り返しそうだ。

「まだ体は未熟なんだから…」

呆れさを混じえつつ、小さく叱ろうとした矢先。

「あぁう?」

朱雀の小さな手が僕の服をつかむ感触がやけにあたたかくて、咎める気持ちも胸の中にすぅっと消えていった。

「てかどうやって彼処まで登ったわけなのさ…」

思わず上を見上げながらポツリと呟く。

そう呟いた疑問に、答える者は居ない。

「…ぅう、すぁうっ!」

突然、背後から声が飛ぶ。

振り返れば白虎が好奇心を宿した瞳を輝かせ、欲しい欲しいと強請る仕草をする幼子のように、手をこちらへ伸ばしていた。

「え、えっえっ…!?い、今朱雀って言った?言ったよね?」

朱雀を抱えたまま、白虎の元に駆け寄る。

「びっお!すあう!げんむ!」

「おぉ!!すごい!」

驚きと感動が、抑えきれずに口をつく。

「すごいね」「偉いね」ーそんな風に褒めるたび、白虎は得意げに己の名と、仲間の名を何度も繰り返す。

「……てか、僕の名前は!?」

3人の名前は優に言えるのに、何故か一向に僕の名前が呼ばれない。

「んぅ?」

コテ、と首を傾げる白虎。

流石の僕でも心に矢が刺さる。それは可愛らしさからでもあるが、名前が呼ばれなかった衝撃の方が大きい。

なんなら、もはや槍でもいい。

「とほほ……」



──────────────────



「せいりゅ!これはなんですか?」

灰銀色の髪の毛に、アホ毛を揺らすその子の片腕に巻き付けた蛇が、しゅるると舌を鳴らす。

玄武は、広げた書物の一頁を指差して、好奇心の眼差しを僕の方へ向けてきた。

「あぁこれはね、“妖”だよ」

「あやかし?」

不思議そうに首を傾げる玄武。その仕草に思わず口元が綻んでしまう。

「妖というのはね、僕たちとはまた違う理を持つ存在。姿は似ていても、その在り方はまるで異なるんだよ」

納得出来ているようで出来ていない、曖昧な表情を浮かべる玄武。

「んふふ。あともう少ししたらちゃんと教えて上げるから」

また幾年の歳年月を過ぎた。

3人とも、確かに着々と知恵と力を蓄えている途上だ。

出逢った頃と比べれば、もう言葉も自在に話し、文字も書き、己で衣を身に纏うこともできるようになった。

それもあってか、あの子達は、幼き日々を越えたと思っているらしいが、僕から見ればまだまだ幼子だ。

ただ、それがあの子達にとって嫌なのか、気に入らないらしく。

少しでもそう言った扱いをしてしまうと、拗ねるようになったり少し怒って見せたりするようになった。

今だって、僕がくすりと笑えば、玄武は柔らかな頬を餅のように膨らまして、僕を睨みつけてくる。

しかし全く持って怖くない。

否、何なら愛おしさまで込み上げてくる。

「もぉ、また幼稚扱いですか?僕だってもう1人でできる事だって増えたんですよ! 」

玄武は両の手をぎゅっと握りしめて、肘を曲げたまま胸の高さまで持ち上げた。高々と掲げながら誇らしげに___いや、玄武は至って真剣に僕を見上げてそう言った。

「はいはい」

笑みを浮かべながら、軽くにあしらうように返す。

すると案の定、頬を膨らまして不服そうに、唸る玄武。

しかし、こうやって“自分”を出してくれる度に、僕の胸の中には不思議と穏やかなものが広がっていく。

ほっとすると言うべきか。

そう感じてしまうにも理由がある。

玄武は本当に物静かな子だった。良いように言えば、他2人と比べて手が掛からない子だった。悪く言えば……少し、何を考えているのかが掴みづらい子でもあった。

「どれが良い?」と尋ねても、返ってくる言葉は決まって「どっちでもいい」だった。だから僕が適当に選んだ物でも、不満の一つも見せずに受け取る。

他の二人なら気に入らないとすぐに騒ぎ立てるのに、玄武は何ひとつ文句を言わなかった。

けれどそれが、時に無関心にも、無感情にも映った。

あまりに静かで、年齢のわりに落ち着きすぎていた。

だからこそ、今こうして。

自分から何かを知ろうとする姿勢や好奇心。

そして、それに伴って芽生える素直な感情に反応。

そうしたものが日々、玄武の中から自然と出てくるのを見る度、 僕は言葉にできない程の安心を覚える。

これもあの2人のお陰と言うべきなのか。

玄武はきっと、あの2人がいるからこそ、こうやって自分を出すようになったんだと思う。

「…?せいりゅ?」

名前を呼ばれてハッとする。

目の前には玄武の顔が視界いっぱいにあった。この様子だと、どうやらさっきから何回も名前を呼ばれていたらしい。考え事をしていて気が付かなかった。

「っあぁ、ごめんごめん…ただ、うん、そうだね。そろそろ、座学を始めても良い頃合いかもしれな…」

「っ!ほんと!?本当に!?僕早くやりたい!せいりゅ!せいりゅ!」

最後まで言い切る前に、僕の両手をまだ小さい両手が掴み、ブンブンと勢いよく上下に振られる。

腕に巻きついている蛇が目を回しているのに気付き、慌てて玄武を落ち着かせる。

「あぁっ、元気がよろしい事で…。

てか僕は『せいりゅ』じゃなくて『青龍』ね?」

「分かった!分かりました!せいりゅ!」

「…違うな?」

と、言いながら玄武の額に、指先を弾かせる。人間界で言うデコピンだ。

「った…!!」

「さ、あの2人の所へ行っといで。僕は仕事があるからね」

時刻を確かめれば、頃合としては申し分ない、と思い玄武をあの2人の元へと促す。

すると玄武はどこか不満そうな顔を浮かべだ。

「えぇ…僕、まだ青龍とこうやって話していたいです…」

「あはははっ!笑

嬉しい事を言ってくれるね ~ ?でも、そんな事言ったら2人が悲しんでしまうよ?」

「…それは僕が嫌ですから、大人しく従います…」

やはりあの2人を悲しませる事は、玄武にとって何より避けたい事だろう。

心做しか、不貞腐れたように見える。

が、それでもここは、我慢して貰わなくてはならない。

あの子達は、この世に生まれて随分と経つがまだまだ。

これから育ち、そして己の形を整え、ようやく“存在”が完成する。

あの子達はまだそこまで届いていない。

だからその間、僕は己の地を護る他、残りの三つの地をも護らねばならない。

四神の座が埋まったとしても、それはただ“居る”というだけだ。

そこにあるはずの力も責も、今の彼らが背負うにはまだ重たすぎる。

だから、もう少し。あとほんの少し。

それが何年、何十年、何百年になろう構いやしない。僕からしたらその時間は刹那。

最後まで育てると決めたから。そう決めたからには全うするまで。

「いい子いい子。ほら、帰ってきたら、皆で美味しい甘味でも食べよう」

そう僕が言うと、玄武は目を輝かせた。

「…!は、はい!」

「んふ…じゃ、僕は行ってくるね。何かあったらyuhかmgちゃんに言うんだよ」

「はいっ!お気をつけて…ご武運を」

どうにも、この別れ際だけはいつまで経っても慣れないのか、 玄武は心配そうな目で、眉尻を下げて僕見つめながら、そう言葉をかけた。

だから僕は安心させるように、くるりと振り返ってガッツポーズをかましながら言う。

「任せてよ」

すると玄武はふっ、と頬を緩めて可笑しそうに笑った。

その笑みが見られるだけで、背を向ける足取りも、少しだけ軽くなる。


この作品はいかがでしたか?

24

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚