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願いを叶える桜の木9
「……あっ、桜の木さんに報告しないと…」
そう言い、マッシュはフラフラとした足取りで校舎裏へと向かった。
「あの、桜の木さん……誘えました」
マッシュが桜の木に話しかけるといつものようにすぐに返事が返ってきた。
『ほんと!?良かったわね!……けど、少し顔が赤いようだけれどどうしたの?』
マッシュの顔はまだほんのり赤かった。
「貴方が言ったから……オネダリしろって……」
『え……?本当にやったの?』
「うん……恥ずかしかったんだからね……」
そう言うマッシュの顔は、治まっていた顔の火照りがまた真っ赤に染まり、
羞恥心からか、目からはうっすらと涙が見えた。
『ごめんなさい……ほんとにやるとは思ってなくて……それで、反応はどうだったの?』
「反応……なんか顔を背けられました…ほんとは気持ち悪いと思われたのかも知れません……」
しょんぼりと落ち込むマッシュに桜の木は
『(いや、それはたぶん貴方が可愛すぎてだと思うわ)』
と思った。
『と、とにかく、デートプランを練るわよ』
「デートプラン?」
『えぇ、相手の思い出に残るような完璧なデートプランよ。そうね……
相手の好きな場所とかに行ったらどうかしら……そしたらその人も楽しめるし……どう?』
桜の木は提案し、マッシュに問いかけた。
「いいかも……レインくんうさぎ好きだし、動物園とかに行ったら喜んでくれそう……」
『よし!決まりね!そうと決まればデートの準備よ!』
「準備?」
『貴方、洋服…持ってる?』
「え、あ……持ってないです…」
マッシュは最初、友達と遊びに行った時、トレーニーを着てきた。
流石に、デートにもそれを着てくのは気が引けるだろう。
『やっぱりね、ちゃんとコーディネートしないとダメよ?
そうゆうところでギャップを感じるんだから』
「でも、服なんてどうすれば」
あばばば…と焦る彼に桜の木はふふんと鼻を鳴らし、
「そのために私の魔法があるのよ!」
そう自慢げに言い、空中から何かが落ちてきた。
「わ……っ何これ」
『私が魔法で作った服よ!しかも、貴方のサイズに合わせてあるわ!』
「え、なぜ?」
『そりゃこれはご都合魔法だからよ』
「ご都合……?」
『まぁそんなことどうでもいいわ!その服、1回着てみてちょうだい』
「うす」
誤魔化した桜の木はその服を着るようマッシュに勧めた。
「着終わりました」
『速……!』
驚くほど早いマッシュの着替えに桜の木は動揺するも、気心地はどう?と聞いた。
「動きやすいです。それにこの服……」
『あ、気づいてくれた?その服は桜がモチーフなの』
マッシュが来ている服は全体は白っぽい服だが、所々に桜の刺繍が施してあり、
マッシュの肌に馴染むような色合いだった。
それはまさに、風に舞う、桜の花びらのような儚さだった。
『んふふ、やっぱり私の見たてどうりね。あと、まだ肌寒いと思うからカーディガンもね』
「あざす」
『桜って綺麗でしょ?ある国ではこの色を桃色とかピンク色とか言わないで
”桜色”って言うらしいわ。素敵よね。唯一無二って感じ』
「確かにそうですね。僕、色とかよくわからないですけど桜の色はとても好きです。淡い色で」
『ふふ、ありがとう。でも、この桜がもう咲かないなんて悲しいわね』
「え……?」
『言ったじゃない。私はあともう少しで魔力が尽きて消えてしまう……
そうすればもう花なんて咲かせられないわ』
「そうでしたね……」
少しの沈黙が続いた。
『でも、貴方の恋が成就するまでは消えてらんないわね!』
桜の木の声はすごくやる気に満ち溢れていて、強い意志が感じられた。
「……ありがとう。桜の木さん」
マッシュが微笑むと桜の木は驚き、
『貴方やっぱりいい顔してるわね……』
そう言いった。
コメント
3件
早く続きが見たいです
桜の期ー😭マッシュの含みたすぎる、